「言質を与える」とは？意味や類語！例文や表現の使い方

「言質を与える」とは?

「言質を与える(げんちをあたえる)」という言葉は、「交渉・議論などにおいて、後で証拠(不利な証拠)となるような言葉を相手に対して言ってしまうこと」を意味しています。

「言質」というのは、「人質(ひとじち)」ならぬ「言葉質(ことばじち)」であり、「相手に自分が不利になる言葉を言ってしまうこと」を意味しています。

「質(しち)」には「人質・抵当(ていとう)」の意味があります。

「言質」の読み方は「げんち」であり、「げんしつ・げんしち」は誤読になります。

「言質を与える」の表現の使い方

「言質を与える」の表現の使い方は、「交渉・議論などで、後から証拠(不利な証拠)になるような言葉を不用意に相手に言ってしまった場合」に使うという使い方になります。

例えば、「もう会いたくない相手だったのに、一週間後に必ず伺いますという言質を与えてしまって面倒なことになりました」といった文章で、「言質を与える」の表現を正しく使うことができます。

「言質を与える」の具体例

「言質を与える」の具体例として、自動車を販売する時の値引き交渉で「トヨタの車と日産の車で悩んでいるお客様」がいて、トヨタの販売員が「今、当店でご購入をお決め下されば、特別に最新のカーナビセットとアルミホイールを無料でサービスさせて頂きます」と気軽に言ってしまったケースを考えることができます。

後でその販売員が上司に相談したところ、「勝手なサービスを約束するな。

そこまでの値引きはできないぞ」と叱責されたのですが、すでにお客様に「言質を与えた状態」にあるので、次にお客様が来店された時にどう対応するか悩んで苦しむことになります。

「言質を与える」を使った例文と意味を解釈

「言質を与える」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。

• 「言質を与える」を使った例文1
• 「言質を与える」を使った例文2

「言質を与える」を使った例文1

「ディベート(討論)というのは、如何にして相手に言質を与えないようにするのかを競い合う言語ゲームの観があります。」

この例文は、「ディベート(討論)というのは、如何にして相手に、後で不利になるような言葉の証拠を与えないようにするのかを競い合う言語ゲームの観がある」ということを意味しています。

「言質を与える」を使った例文2

「お客様にできないサービスを約束して言質を与えてしまったため、後でクレームになってしまいました。」

この例文は、「お客様にできないサービスを約束して、(安請け合いの言葉が証拠になって)その約束を守れと言われたため、後でクレームになってしまった」ということを意味しています。

「言質を与える」の類語や類義語・言い換え

「言質を与える」の類語・類義語・言い換えについて、分かりやすく解説していきます。

• 「証拠を与える」
• 「約束(確約)してしまう」
• 「安請け合いしてしまう」

「証拠を与える」

「言質を与える」の類語・言い換えとして、「証拠を与える」があります。

「言質を与える」という言葉は、「後になって不利な証拠になってしまう発言をしてしまうこと」を意味しています。

その意味合いから、「言質を与える」の表現は、ほとんど同じ似た意味を持つ「証拠を与える」という表現に言い換えることが可能なのです。

「約束(確約)してしまう」

「言質を与える」の類義語・言い換えとして、「約束(確約)してしまう」があります。

「言質を与える」という表現は、「後になってその履行や遵守を迫られる約束(確約)をしてしまうこと」を意味しています。

その意味合いから、「言質を与える」の表現は「約束(確約)してしまう」という表現に言い換えられるのです。

「安請け合いしてしまう」

「言質を与える」の類語・言い換えとして、「安請け合いしてしまう」があります。

「言質を与える」というのは、「ビジネスや販売の交渉などで、実際にはできないことを安易に請け合ってしまうこと(後で証拠にされてクレームになりやすいこと)」を意味しています。

その意味合いから、「言質を与える」と良く似た意味を持つ類語(シソーラス)として、「安請け合いしてしまう」の表現を指摘できます。