「弊害」とは?使い方や例文!表現の使い方「障害」との表現の違い
「弊害」とは、「他に対して悪い影響を与える物事」や「他の人・物事に対して害悪を及ぼすこと」です。
「弊害」の「意味・読み方・使い方・弊害と障害の違い・例文と解釈・類語(シソーラス)や言い換え・英語表現」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「弊害」の意味とは?
- 「弊害」の表現の使い方
- 「弊害」を使った言葉と意味を解釈
- 「弊害」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「弊害」の対義語
- 「弊害」の類語や言い換え
- 「弊害」の英語表現(meaning)
「弊害」の意味とは?
「弊害」という言葉は、「他に対して悪い影響を与える物事・要因」や「他の人・物事に対して害悪(不利益)を及ぼすこと」を意味しています。
「弊害」というのは、「何らかの物事・行為などに伴って生じる害悪や被害」を意味する言葉なのです。
「弊害」の「弊」という漢字は音読みで「ヘイ」、訓読みで「ついえる」で、「たるんで生じた害悪」を意味しています。
「害」の漢字は音読みで「ガイ」、訓読みで「そこなう」で、「生存の妨げになるもの・災いや悪影響」を意味します。
- 「弊害」の読み方
「弊害」の読み方
「弊害」の読み方は、「へいがい」になります。
「弊害」の表現の使い方
「弊害」の表現の使い方は、「他のことに対して悪い影響(被害)を与える物事・要因」を指し示す時に使うという使い方になります。
「弊害」という言葉・表現は、「他の人・物事に対して害悪(不利益)を及ぼすような場合」や「害悪・悪影響そのものを指示する場合」にも使うことができます。
例えば、「少子高齢化の弊害が、社会保障制度の改悪や増税として現れてきました」などの文章において、「弊害」という言葉を正しく使用することができるのです。
- 「弊害」と「障害」の表現の違い
「弊害」と「障害」の表現の違い
「弊害」と「障害」の表現の違いは、「弊害」は「他に対して悪影響・害悪を及ぼすことやその要因」を意味していますが、「障害」は「一般的なさわり・妨げ・不都合」や「心身の器官・機能にさわりがあって機能不全であるさま」を意味しているという違いがあります。
「弊害」というのは「ある物事(行為)に伴って生じる害悪」を意味していますが、「障害」は「初めから所与としてあるさわり・妨げ」を意味しているという違いもあります。
「障害」には「弊害」のように「害悪・悪い影響」といったニュアンスはなく、「何かを遂行できない妨げ・不都合・機能低下」を意味しています。
「弊害」を使った言葉と意味を解釈
「弊害」を使った言葉を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「弊害が出る」
- 「弊害を受ける」
- 「弊害が多い」
「弊害が出る」
「弊害が出る」という言葉は、「ある物事・行為に伴う形で害悪・悪影響が出てくること」を意味しています。
何らかの物事(現象)が起こったり何かの行為をしたりした時に、それに付随して悪影響・不利益が出た時に、「弊害が出る」という言葉を使うのです。
例えば、「化石燃料を大量に燃やすモータリゼーション(自動車社会化)によって、地球温暖化の弊害が出ています」や「極端な競争原理の弱肉強食で会社を運営すると、従業員の不満が高まるなどの弊害が出ます」といった文章において、「弊害が出る」という言葉を使用することができます。
「弊害を受ける」
「弊害を受ける」という言葉は、「誰かや何かによって害悪(損害・被害)をこうむること」を意味しています。
「弊害を受ける」というのは、「誰かがある物事・行為(活動)をすることによって、自分が何らかの被害や損失を受ける好ましくない事態」を意味しているのです。
例えば、「隣に30階建てのタワーマンションが建設されたことで、部屋・ベランダの日当たりが悪くなる弊害を受けました」や「海岸沿いの眺めは良いのですが、この家屋は潮風の弊害を受けています」といった文章において、「弊害を受ける」という言葉を使用することができます。
「弊害が多い」
「弊害が多い」という言葉は、「ある物事・行為が他に対して及ぼす害悪や悪影響が多いこと」を意味しています。
「弊害が多い」というのは、「ある物事や活動に付随する形で生み出される害悪・損害・悪影響などの数が多いこと」を意味しているのです。
例えば、「この大規模な干拓事業には想定される自然環境破壊の弊害が多いので、干拓工事の差し止めを求める訴訟を提起します」といった文章において、「弊害が多い」という表現を使用することができます。
「弊害」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「弊害」を使った例文・短文などを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「弊害」を使った例文1
- 「弊害」を使った例文2
- 「弊害」を使った例文3
「弊害」を使った例文1
「格差社会・貧困問題が生み出す弊害として、未婚化・少子化や社会参加の意欲(勇気)を無くしたひきこもりの問題があります」
この「弊害」を使った例文は、「格差社会・貧困問題が他に対して生み出す害悪(悪影響)として、未婚化・少子化や社会参加の意欲(勇気)を無くしたひきこもりの問題がある」ということを意味しています。
「弊害」を使った例文2
「大量生産・大量消費の資本主義社会はとても豊かで利便性の高い社会ですが、大量のプラスチックゴミの発生や食料廃棄の増加といった弊害も多くなります」
この「弊害」を使った例文は、「大量生産・大量消費の資本主義社会はとても豊かで利便性の高い社会ですが、大量のプラスチックゴミの発生や食料廃棄の増加など、便利な社会の発展に伴う害悪・不利益(被害)も多くなっている」ということを意味しています。
「弊害」を使った例文3
「満員電車の通勤ラッシュや23区内の家賃の異常な高騰、大気汚染など、東京・首都圏ばかりに人口が集中した弊害が出ています」
この「弊害」を使った例文は、「満員電車の通勤ラッシュや23区内の家賃の異常な高騰、大気汚染など、東京・首都圏ばかりに人口が集中したことに伴う悪影響・損害(被害)が出ている」ということを意味しています。
「弊害」の対義語
「弊害」の対義語として、「恩恵(おんけい)・賜物(たまもの)」を上げることができます。
「恩恵」という言葉は、「他から与えられる恵みや情け・自分が他に与える恵みや情け」を意味しています。
「賜物」というのは、「他人から受けた恩恵(恵み)・支援・頂き物」を意味する言葉になっています。
それらの意味合いから、他に対して害悪や悪影響を及ぼす物事・要因を意味する「害悪」とは反対の意味を持つ対義語(反対語)として、「恩恵・賜物」という言葉を上げることができるのです。
「弊害」の類語や言い換え
「弊害」の類語・言い換えについて、分かりやすく解説していきます。
- 「害悪・不都合」
- 「災難・災厄」
- 「障害・支障」
「害悪・不都合」
「弊害」の類語・言い換えとして、「害悪(がいあく)・不都合(ふつごう)」があります。
「害悪」というのは、「害になる悪いこと・他者に対して害(悪影響)になるもの」を意味しています。
「不都合」という言葉は、「都合が悪いこと・ある物事を達成する妨げになるもの」を意味しています。
それらの意味から、他に対して害悪を及ぼすことを意味する「弊害」の言葉は、「害悪・不都合」という言葉に言い換えることができます。
「災難・災厄」
「弊害」の類語・言い換えとして、「災難(さいなん)・災厄(さいやく)」があります。
「災難」という言葉は、「災いにあって損失をこうむること・災いにあって困ること」を意味しています。
「災厄」というのは、「害悪となる災い・災難」を意味する言葉です。
それらの意味合いから、他の人・物事に対して害悪を及ぼすことを意味する「弊害」と良く似た意味を持つ類語(シソーラス)として、「災難・災厄」という言葉を指摘することができるのです。
「障害・支障」
「弊害」の類語・言い換えとして、「障害(しょうがい)・支障(ししょう)」があります。
「障害」という言葉は、「さわりがあること・不都合があること・妨げになること」や「心身の器官・機能に問題があってさわりがあること」を意味しています。
「支障」というのは、「何かの物事・行為をするに当たってさわりや不都合があること」を意味する言葉です。
それらの意味から、他に対して好ましくない影響を及ぼして妨げになる要因を示す「弊害」と近い意味を持つ類語として、「障害・支障」を上げることができるのです。
「弊害」の英語表現(meaning)
「弊害」という言葉は、“evils”(悪・害悪)や“ills”(悪・病気・弊害)、“adverse effects、negative effects”(悪影響・弊害・副作用)などの英語で表現することができます。
- “There is a lot of adverse effects on radical policy.”
“There is a lot of adverse effects on radical policy.”
この「弊害」を使った英語の例文は、「急進的な政策には、多くの弊害があります」ということを意味しています。
「弊害」という言葉について徹底的に解説しましたが、「弊害」には「他に対して悪い影響を与える物事・要因」や「他の人・物事に対して害悪を及ぼすこと」、「ある物事・行為に伴って生じる害悪・悪影響」などの意味があります。
「弊害」の類語(シソーラス)・言い換えとしては、「害悪・不都合」「災難・災厄」「障害・支障」などがあります。
「弊害」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。