「禍根を残す」とは?使い方や例文!「関与しない」「無視する」との違い
ビジネスシーンや小説の中で「禍根を残す」という言葉が出てきてどんな意味だか分からなかったという人もいるでしょう。
意味や解釈、例文などを紹介しますので、これを機に覚えておきましょう。
目次
- 「禍根を残す」とは?意味
- 「禍根を残す」を分解して解釈
- 「禍根を残す」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「禍根を残す」の言葉や表現の使い方
- 「禍根を残す」の類語や類似表現や似た言葉
- 「禍根を残す」の英語と解釈
「禍根を残す」とは?意味
「禍根を残す」の読み方と意味などを紹介します。
- 「禍根を残す」の読み方
- 「禍根を残す」の意味
- 「禍根を断つ」の意味
- 「遺恨」との違い
「禍根を残す」の読み方
「かこんをのこす」は「かこんをのこす」と読みます。
「かっこん」と読まない様にしましょう。
「禍根を残す」の意味
「禍根を残す」の意味は、「将来的に災難の元になる要因が消えずに存在していること」という意味です。
何かのトラブルやちょっとした意見の食い違いがあった時に、誠意を持って対処したり、お互いが納得するまでしっかりと話し合いが出来ていれば、その後同じ様なことで問題が起きずに済みます。
むしろ最初よりもスムーズにものごとが進んだり、良い関係を築ける様になるかも知れないのです。
ところが正面から向き合うのが面倒だからと、適当にその場しのぎで対処したり、とりあえず謝って終わらせてしまうと、トラブルの原因がはっきりしなかたり、相手を嫌いだと思う気持ちが残ったりしてしまいます。
それが後になって新たな失敗や対立を生む原因になることもあるのです。
この様なことを「禍根」といい、ものごとが終った後に収めきれずに残ってしまった火種のことを言います。
つまり、「禍根」とはその時新たに発生するわざわいではなく、前のものごとからつながっているわざわいを表すのです。
「禍根を断つ」の意味
「禍根」を使う言葉に「禍根を断つ」があります。
これは「後になってわざわいの元になる様な原因を完全に終わらせる」という意味です。
「禍根を残す」の反対の意味を持つ言葉になります。
「遺恨」との違い
「禍根」と似た響きを持つ言葉に「遺恨」があります。
「遺恨」は「いこん」と読み、「遺恨を残す」という表現が良く使われています。
「禍根を残す」と「遺恨を残す」は響きが似ていますが、意味は全く違います。
「禍根」とは「将来災難の原因になるもの」のことです。
「遺恨」とは「相手に対して深い恨みや無念の気持ちが残ってしまうこと」です。
対象となるものが「ものごと」なのか「人」なのかという点が違ってきます。
そもそも「禍根」は「根」であり、「遺恨」は「恨」ですので、「根本的な部分か恨みか」という意味でも違うのが分ります。
また、「禍根を断つ」という言葉がありますが、「遺恨を断つ」という言葉はなく「遺恨を晴らす」と言います。
「禍根を残す」を分解して解釈
「禍根を残す」を分解して解釈します。
- 「禍根」
- 「残す」
「禍根」
「禍根」は「災難を生じる原因」という意味があります。
更に分解すると「禍」は「わざわい」とも読み、「根」は「ものごとの元になるもの」という意味があります。
つまり「禍根」とは、トラブルや喧嘩など実際の出来事ではなく、その原因となるケアレスミスや相手に対する不信感などを指すのです。
「残す」
「残す」は「ものをなくさずに保存する」という意味の他に、「ある事の結果として生じさせるもの」という意味があり、「禍根を残す」はこちらの意味になります。
「禍根を残す」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「禍根を残す」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「禍根を残す」を使った例文1
- 「禍根を残す」を使った例文2
「禍根を残す」を使った例文1
「今相手に強気で出て契約を取り付けても禍根を残すことになるだろう」
ビジネスには力関係が働いています。
たまたま今自分の会社の景気が良くて顧客に対しても自信満々でいられますが、その勢いで契約を取りつけてしまうと将来的に相手の会社が成長した時にバッサリ切られてしまう可能性があるのです。
あまり押しの一手にならずに、相手に寄り添って条件を詰めていくことが大切です。
「禍根を残す」を使った例文2
「元カノの写真を見せたばかりに禍根を残すことになった」
今の恋人が「元カノってどんな人?」と訊くのでたまたま残していた画像を見せてあげたところ、それ以来干渉される様になりました。
画像を見せたばかりにまだ元カノに未練があると思ったらしく、何かあるとすぐに浮気を疑う様になってしまったのです。
元カノの思い出となるモノをすぐに処分しておけば良かったのに、中途半端に画像を残していた為に今の彼女を刺激してしまったのです。
「禍根を残す」の言葉や表現の使い方
「禍根を残す」は、最初に問題が起きた時にきちんと対応しなかった為に問題がややこしくなりそうな時に使います。
これから何か起きそうな時でも、実際に問題が起きてしまった時でも使われます。
特に具体的な例はなくても何となく問題が起きそうな時でも使えます。
「禍根を残す」の類語や類似表現や似た言葉
「禍根を残す」の類語は以下の通りです。
- 「尾を引く」【おをひく】
- 「引きずる」【ひきずる】
- 「しこりが残る」【しこりがのこる】
「尾を引く」【おをひく】
「一度ものごとが終った後にも長く影響が残ること」です。
動物が長い尻尾を引きずって移動する様子を人の行動に例えた慣用句で、あまり良い意味には使われせん。
因みに「美味しいモノを食べて止められなくなりついには最後まで食べつくしてしまう」のは「後を引く」で、意味がかなり違ってきます。
「引きずる」【ひきずる】
「もめごとが一段落した後も完全にふっきれずに、嫌な思いや精神的なダメージを持ち続けること」です。
どちらかというと過去に囚われている気持ちが強く残っている状態で、恋愛によく使われる言葉です。
こちらも良い意味に使われることは殆どありません。
「しこりが残る」【しこりがのこる】
「ものごとが片付いた後でも何となくモヤモヤしたり、嫌な気分が続くこと」です。
「しこり」とは「皮下組織にできる凝り固まり」「ものごとが終った後でも気分が晴れないこと」という意味があり、この場合は後者の意味になります。
「禍根を残す」の英語と解釈
“Your approach would create future problems.”
「あなたのやり方では将来遺恨を残すことになります」です。
“create future problems”で「禍根を残す」という意味になります。
「禍根を残す」は「将来的に災難の元になるものが消えずに残っていること」です。
そのものごとが起きた時に完全に解決しておかなかった為に、不完全な要素が残ってしまい、それが次の災いの種になってしまうのです。
放っておくと何か問題が起きそうな予感がする時に使ってみましょう。