「禍根」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
時の流れの中で、幸せな出来事があれば、不幸な出来事もあります。
世の中は実に色々な出来事があるものですが、人は幸福なことに浸っている時は大いに喜ぶ反面、すぐに忘れてしまうものです、
その一方で、不幸な出来事が突然襲い掛かることもあります。
しかし、自分では「突然の不幸なこと」と思っていても、意外とその原因はひそかに自分の近くにあったのかもしれません。
そのような時に「禍根」という言葉が使われることがありますが、あなたは、この「禍根」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
目次
- 「禍根」の意味とは?
- 「禍根」の類語や言い換え・似た言葉
- 「禍根」の言葉の使い方
- 「禍根」を使った例文
- 「禍根」を使った言葉を解釈
- 「遺恨」と「禍根」の違い
「禍根」の意味とは?
「禍根」という言葉は、普段、意識していないとあまり耳にすることは少ないかもしれません。
しかし、「禍根を残す」や「禍根を断つ」という表現になると、意外に聞いたことがあったり、文章の中で使われていることを目にすることがあるでしょう。
会話や文章の流れから、何となく「禍根」の意味を理解できる人がいるかもしれません。
ただ、この言葉は何となく、あまり良くないイメージを彷彿させてしまう言葉なので、「禍根が残らない」や「禍根を断つ」という形で使い田たいものです。
そう、「禍根」の意味は、「災いの起こるもと」や「災いの原因」ということになります。
使われいる漢字をよく見てみると、理解できることと思います。
「禍根」の「禍」は、「災い」の意味を別の漢字で表したもので、「災厄」という意味合いを持っています。
「根」は、「根っこ」ですから、「基」や「物事の起こるところ根本」という意味があります。
この2つの文字が組み合わさり、「禍根」となることで、「争い」、「不和」、「災難を引き起こしてしまう」という忌み嫌われる言葉となるのです。
「禍=(災い)」の「根っこ」があるのですから、とても怖くなる言葉です。
- 「禍根」の読み方
「禍根」の読み方
「禍根」は、「かこん」という読み方になります。
「禍根」の類語や言い換え・似た言葉
「災いの起こるもと」という意味を持つ「禍根」を他の言葉で置き換えるとなると、どのような言葉で表現することができるのでしょうか?
類義語としては、「尾を引く」という表現があります。
「尾を引く」とは、「物事が済んだ後までも、名残りがずっと続くさま」や「後々まで影響する」という意味があります。
「10年前の事故が、今でも尾を引いている」
このような言い方で使われることが多いですね。
「物事が済んだ、終わった後までも、その名残や影響が、いつまでも続く様子を意味する」言葉です。
様々な揉め事やトラブルなどを関係者間や当事者間で、解決しようとなると、話し合いや示談、和解などがあります。
一旦、表向きは、無事に解決して終わったかに見えるのですが、問題の内容や、質によっては、後々まで、その影響が続くことがあります。
しかも、その影響が周りの外部に残ったり、自分の内面に残ることがあります。
また、周りの外部に残る時には、精神的なことで残ることがあり、後々問題が再燃する原因として、火種が残ることがあります
まさに、「尾を引く」ということになります。
「禍根」の言葉の使い方
「禍根」という言葉を含む表現でよく使われるパターンは「禍根を残す」や「禍根を断つ」という形でしょう。
「禍根を断つ」は、「禍根を絶つ」と表記して使うこともあります。
「禍根を残す」というの表現は、「何かが終わった後、将来的に災難を引き起こす要因が残ってしまうこと」という意味になってきます。
昔、中学時代の同級生と大喧嘩をした時に、中途半端な仲直りのしかたをしてしまったために。
大人になっても「禍根を残す」可能性があります。
その一方で、「禍根を断つ」となると、「悪いことが生じている根本の原因を完全になくしてしまうこと」という意味があります。
喧嘩のことで言えば、「喧嘩になった原因をとことんつきとめて、根本的に喧嘩の問題を解決する方法を取る」ということです。
そのために、恨みを残す火種を完全に消し去ることができるわけです。
「禍根」を使った例文
では、「禍根」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「禍根」の例文1
- 「禍根」の例文2
- 「禍根」の例文3
「禍根」の例文1
「あの時の両者のトラブルが禍根となってしまい、その後2人が共同で仕事を勧めることはなかったのです」
仕事では、いくら社内の同期であろうが、同じチームのメンバーであっても、行き違いやちょっとしたことで、大きな喧嘩になったり、揉め事になることが少なくありません。
後で冷静になって十分に反省して、謝れることができればいいのですが、感情的なしこりが残ったために、それ以降は共同で仕事をすることができなくなってしまったのです。
このようなことは、本当に珍しいことではないのですが、企業の人材としては、大きな損失です。
「禍根」の例文2
「このままでは後に禍根を残すことになるが、それはもう避けることができない」
後々まで、トラブルの元を引きずることになるのが予想されていても、もう引き下がることができない場合もあります。
「禍根」の例文3
「両国の間の話し合いが早急に行われなければ、将来的に禍根を残すことになります」
お互いの国益を最優先にしたために、2国間協議ができないことで、将来的に禍根を残してしまうことは、世界のあちらこちらで起きています。
「禍根」を使った言葉を解釈
- 「禍根が残す」
- 「禍根を断つ」
- 「禍根がなくなる」
「禍根が残す」
「禍根が残す」とは、「災いの元を消すことができずに残してしまうこと」ですね。
言い換えると、「トラブルの火種がずっと残っている状態」とも言えるでしょう。
「禍根を断つ」
「禍根を断つ」とは、「トラブルの火種を完全に消し去ること」となります。
これこそが、トラブルの後の理想的な結果です。
「恨みっこなしね」
と言った感じでしょうか。
「禍根がなくなる」
「禍根がなくなる」も「問題の原因を完全消去」ということになります。
しかし、「禍根がなくなる」ことは、そう簡単にできるものではありません。
喧嘩やトラブルの渦中にある人達が真摯に向き合い、じっくりと話し合って解決していくことが大切です。
「遺恨」と「禍根」の違い
「禍根」とよく似ている言葉に「遺恨」がありますが、「禍根」とは、全く異なる意味を持っていますので、使い方に十分、注意することが必要です。
「遺恨」は、「深い恨みや後悔が残っていること」となり、「禍根」は、「災いに繋がる原因のこと」という意味があります。
それぞれ意味が異なるために、使い方も違ってきます。
「遺恨」とはと、「晴らすもの」、「禍根」は「断つもの」と理解するといいでしょう。
「遺恨」とは、「忘れがたい深い恨み」や、「残念に思うこと」となっています。
「遺」という文字には「残る」や「置き忘れる」という意味が込められており、「遺産」や「遺言」というような場合で使われています。
「遺産」は「財産を残すこと」、「遺言」は「言葉を残すこと」なので、「遺」の意味合いがじっかりと機能しています。
「遺」は、「残」という漢字よりも、さらに意味合いが強くなってきて、「簡単には戻ることができない」というニュアンスが強く響いてきます。
また、「恨」は「恨み」のことを指していますので、「遺恨」という言葉になると、「後悔や恨みが忘れられず、後々まで残ってしまう」ことになるのです。
「10年前の遺恨を晴らす機会を待っていた」
「あの時の事故のことを、ずっと遺恨に思っている」
こんな使われ方になります。
「禍根」は、私達の身近なところにたくさんあるはずです。
その事に全く気付いていないだけかもしれません。
そのために、日々の生活の中では、トラブルの原因となりそうなことをすぐに消し去る努力をしなければならないでしょう。