「寂寞感」とは?意味と語源!ビジネスでの使い方
小説や詩の中で「寂寞感」という言葉を見ることがあります。
いったいどの様な意味なのでしょうか、読み方や使い方についても紹介します。
目次
- 「寂寞感」とは?意味
- 「寂寞感」の使い方
- 「寂寞感」を使った言葉と意味を解釈
- 「寂寞感」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「寂寞感」の類語や類義語・言い換え
- 「寂寞感」の英語と解釈
「寂寞感」とは?意味
「寂寞感」の読み方や意味などについて紹介します。
- 「寂寞感」の読み方
- 「寂寞感」の意味
- 「寂寞感」の言葉の成り立ち
「寂寞感」の読み方
「寂寞感」は「せきばくかん」と読みます。
「寂寞」は昔「じゃくまく」と読み、現在でも文章中でその様に表現する人もいます。
また、当て字として「寂寞り=ひっそり」と読ませる文章もあります。
「寂寞感」の意味
「寂寞感」の意味は、「ひっそりとしてものさびしいという気持ちが湧いてくること」です。
周囲の様子があまりにも静かでひっそりとしているのに共感して、自分の中で「ものさびしい」という気持ちがこみ上げてくることを言います。
今までにぎやかに電車やバスで旅行をしていて、人気のない村やお寺などを訪れた時に雰囲気のギャップからその様に感じることがあります。
また、廃村や廃寺などを見た時にかつて人が大勢いた状態をイメージしながら現状と比較して、さびしさを感じる時にも使われます。
ものさびしい気持ちはありますが、決して落ち込んだりネガティブな気持ちになっている訳ではありません。
「寂寞感」の言葉の成り立ち
「寂寞感」の意味をより理解する為に言葉の成り立ちについて紹介します。
「寂」は「寂しい」と読み、「ひっそりと静かなさま」を意味します。
「寞」は辞書により訓読みとして「さみしい」と記載されていて、「ひっそりしている」という意味があります。
つまり、「寂寞」で「さびしい」という意味を強調していることになるのです。
「感」は「深く心が動くこと」「ものごとに接して心の動きが生じること」という意味があります。
これらの漢字が組み合わさり「何とも言い難いさびしい気持ちが心に生じること」という意味で使われる様になりました。
「寂寞感」の使い方
「寂寞感」の使い方には以下のポイントがあります。
- 『寂寥』と『寂寞』の意味の違い・使い分け
- 文章の中で使う言葉である
『寂寥』と『寂寞』の意味の違い・使い分け
「寂寞」とよく似た言葉に「寂寥」があります。
この2つは「何とも言い難い寂しさ」を表す言葉ですが、違う点は「空気の流れがあるかどうか」という点です。
「寂寞」は、「何とも寂しい雰囲気がそこら中を漂っていること」という意味です。
「寂寥」は、「何とも寂しい雰囲気にすっぽりと包まれていること」という意味です。
この僅かな雰囲気の流れを身に感じたときが「寂寞感」で、その場に行った瞬間自分がその雰囲気にのみ込まれている様に感じるのが「寂寥感」なのです。
「寂寞」は文学的な表現ですので、厳密に違いを理解する為には芸術家ならではの繊細なフィーリングが必要と言えます。
文章の中で使う言葉である
「寂寞感」は詩や小説など文学作品で見られる言葉です。
日常会話で口にしても一瞬他の人が理解しにくく、「風流過ぎて話しにくい人」と思われてしまいます。
ビジネスやカジュアルな会話には向いていませんので、言い換える様にした方がいいでしょう。
「寂寞感」を使った言葉と意味を解釈
「寂寞感」を使った言葉と意味を解釈します。
- 「寂寞感に侵される」
「寂寞感に侵される」
先ほど「寂寞」と「寂寥」の違いの章で、「寂寞」は「寂しい雰囲気がそこら中を漂っていること」と説明しました。
「侵される」が使われるのは正にその意味を表現していると言えます。
「侵される」には「他人の領域に不法に立ち入る」「権利をそこなう」「尊厳を汚す」という意味があります。
自分がそうとは思っていないのに無理やり他人や他のものが入り込んで荒らすことを表しているのです。
「寂寞感に侵される」は、えも言われぬさみしい雰囲気が漂って来て自分の身にまとわりつき、離れなくなってしまうことを意味します。
しばらくこのさみしさは自分から離れず、うつうつとした状態が続くことでしょう。
「寂寞感」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「寂寞感」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「寂寞感」を使った例文1
- 「寂寞感」を使った例文2
- 「寂寞感」を使った例文3
「寂寞感」を使った例文1
「夕暮れと共に寂寞感がこみあげてきた」
夕暮れ時は皆がさみしくなり、帰巣本能が刺激されて家に帰りたくなります。
外出していて夕暮れ時に「帰りたい」と強く感じたことを表しています。
「寂寞感」を使った例文2
「同僚の女性が皆結婚退職してしまい、心が寂寞感に溢れている」
職場の独身女性が次々と結婚退職してしまい、一人残された女性が何ともさびしくて居心地が悪い様子を表しています。
「寂寞感」を使った例文3
「皆が返った途端に寂寞感に襲われた」
自宅でパーティーをした後、皆が一斉に帰ると部屋がシーンとして非常に寂しく感じるものです。
ホスト役の人が残って後片付けをしながら楽しかった時間を名残惜しんでいる様子を表しています。
「寂寞感」の類語や類義語・言い換え
「寂寞感」の類語を紹介します。
- 「空しい」【むなしい】
- 「ものさびしい」【ものさびしい】
- 「わびしい」【わびしい】
「空しい」【むなしい】
意味は「形だけで中身がなく、うつろな様子」です。
ものごとの状態だけではなく、心がすっかり抜けてしまいやるせないという感情も含まれています。
「ものさびしい」【ものさびしい】
「何故かあらゆるものごとに対してさびしさを感じてしまうこと」で、「寂寞」の言い換えとして使われています。
精神的に弱っていると、空を見上げてもテレビを見てもさびしいと感じてしまいます。
何かにつけてさびしさと結びつけてしまう時の気持ちです。
「わびしい」【わびしい】
「活気がなくて孤独を感じること」です。
「さびしい」という気持ちに加えて「みじめさを感じる気持ち」が含まれています。
一人暮らしの人が部屋で独りぼっちで食事をしていて、しかもそれがカップラーメンだったりすると、「さびしい」を通り越して「わびしい」という気持ちになるのです。
「寂寞感」の英語と解釈
“I feel lonely in my room.”
「部屋にいて寂寞感がある」となります。
一人暮らしの人が夜にこの様につぶやくことが多くあるでしょう。
「寂寞感」は「ひっそりとしていてものさびしいと思う気持ち」のことです。
文学的な表現ですので、ビジネスや日常会話ではなく文章で使う様にしましょう。
寂しい気持ちが周囲を漂っているという状況を表現する時に使ってみましょう。