「有無を言わさぬ」とは?意味と類語!例文と使い方!
有無を言わさぬ、という言い回しを聞いたことがあるでしょうか。
職場などで何か重大な決断をした時、相手に対して反論できなかった、反論するような機会をもらわなかった、そもそも意見を言う場所が設けられていなかった、などという場合、それはまさに「有無を言わさぬ」という表現が使える環境だと言えます。
それならば、「有無を言わさぬ」、という表現はどのような意味を持っているのでしょうか。
ここでは「有無を言わさぬ」、という言い回しについて紹介します。
目次
- 「有無を言わさぬ」とは?
- 「有無を言わさぬ」を分解して解釈
- 「有無を言わさぬ」を使った言葉と意味を解釈
- 「有無を言わさぬ」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「有無を言わさぬ」の類語や言い換え
- 「有無を言わさぬ」の英語(解釈)など
「有無を言わさぬ」とは?
「有無を言わさぬ」、という表現には相手の好むと好まざるとにかかわらず、物事を強いる、反論の機会を与えずに物事を決める、という意味があります。
何かを実行する時、相手の意見を聴かなければいけないことがありますよね。
あるいは、何かを実行するときには過半数の承諾が必要、受け入れてもらえないと協力してもらえない、などという状態もあるのではないでしょうか。
そのような時に相手に反論させない、反対意見を言わせない、などといった状態を「有無を言わさぬ」と表現します。
- 読み方
- 「有無を言わさぬ」と「有無を言わせず」は同じ意味
読み方
「有無を言わさぬ」、という言い回しは「うむをいわさぬ」と読みます。
日常的にも使われる表現ですので、ぜひ覚えておきましょう。
「有無を言わさぬ」と「有無を言わせず」は同じ意味
「有無を言わさぬ」、という言い回しに近い表現で有無を言わせず、というものがあります。
「言わさぬ」という言い回しと「言わせず」という言い回しは意味が違うと思う人もいるかもしれません。
しかし、有無を言わせず、という言い回しには相手の承知や不承知に関係なく、無理やり、という意味がありますので、「有無を言わさぬ」と「有無を言わせず」は同じ意味を持っていることがわかります。
「有無を言わさぬ」を分解して解釈
ここでは、「有無を言わさぬ」、という言い回しを分解して解釈していきましょう。
- 「有無」
- 「言わさぬ」
「有無」
有無という表現には承諾することと断ること、という意味があります。
有無という言葉だけの場合物の有り無しを指す場合もありますが、「有無を言わさぬ」、という表現の「有無」は承知と不承知などといった意味を持ちます。
「言わさぬ」
言わさぬ、というのは言わさない、ということです。
サ行5段活用の動詞「言わす」の未然形である「言わさ」に、打ち消しの助動詞である「ぬ」をつけた形になります。
耳を貸さない、反論する隙を与えない、などという意味もあり、「有無を言わさぬ」、という表現で相手に何も言わせないでただ従わせる、という意味になります。
「有無を言わさぬ」を使った言葉と意味を解釈
ここでは、「有無を言わさぬ」という表現を使った言い回しを紹介します。
- 「有無を言わさぬ勢い」
「有無を言わさぬ勢い」
「有無を言わさぬ勢い」、というのは相手に何も言わせないほどの圧力がある、まるで相手に反論させないような勢いがある、という意味になります。
何も言わせない、反論させないほどの口調、反応させないような話し方、という表現と同義だと言えるでしょう。
例えば早口でまくしたてたり、大きな声でまくしたてたりされた場合、萎縮してしまって反論できないということがあるのではないでしょうか。
それはまさに「有無を言わさぬ勢い」だといえます。
「有無を言わさぬ」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは、「有無を言わさぬ」という表現を使った例文を紹介します。
- 「有無を言わさぬ」を使った例文1
- 「有無を言わさぬ」を使った例文2
「有無を言わさぬ」を使った例文1
「ライバル会社に出し抜かれたということもあり、部長の勢いには有無を言わさぬものがあった」
ビジネスにおいては、どうしても他の会社の方が良い条件を提示した場合など、自分たちの企画が選んでもらえないこともあります。
全てがうまくいくとは限りませんし、自分が立てたプロジェクト案が通過しないということもあるでしょう。
そのような経験があると、「今度こそ絶対に!」と強い意志を持つのではないでしょうか。
特に上司がそのような経験をした場合、どうしても力がこもることもあるかもしれません。
次は負けたくないという意識から、部下たちに対して有無を言わさず勢いを持ってしまう人もいるのではないでしょうか。
「有無を言わさぬ」を使った例文2
「あの先生にはどうしても有無を言わさぬ勢いがあり、保護者たちから嫌がられている」
教員に勢いがあるのは良いことですが、あまりにも相手を圧倒してしまったり、あまりにも相手の意見を聞こうとしていない雰囲気を出してしまったりすると、相手から嫌がられてしまうこともあるかもしれません。
特に教員は生徒や保護者からの意見を聴かなければいけないこともありますし、最近はモンスターペアレンツも増えているなどと言われていますので、保護者とのやりとりは非常に大変です。
そのような中で、保護者からの反論を受け入れないような教師がいれば、どうしても保護者から懸念されてしまうこともあるのではないでしょうか。
「有無を言わさぬ」の類語や言い換え
ここでは「有無を言わさぬ」、という表現の類義語を紹介します。
- 「否応なしに」
- 「反論の機会を与えない」
- 「威圧的な」
「否応なしに」
否応なしに、という言い回しは良いとも悪いとも言わせないこと、という意味を持ちます。
「いやおうなしに」と読み、相手に選択権がない、承知も不承知も言わせない、という意味になります。
誰かに何かをお願いする時、相手にはそれを断る権利がありますよね。
しかし、強引に推し進めて相手に断らせない、という状態はまさに否応なしに、という状態だといえます。
「反論の機会を与えない」
反論の機会を与えないというのは、文字通り相手に反応させないということです。
時と場合によって、人間は相手の意見を聞かなければいけません。
たとえ相手が部下であったとしても、部下の意見を無視して良いというわけでは無いのです。
しかし、相手にそもそも反論させない、強制的に合意させる、などという場合には反論の機会を与えない、という言い回しが使えます。
反対意見を言わせない、意見を聞かない、といった意味も持ち合わせています。
「威圧的な」
威圧的な、というのは他人に対して脅しつけるような態度をとるということです。
態度が大きくて反抗できない状態にする、相手を見下したような、強気な、などという意味があり、相手に反論させることがない雰囲気を醸し出す態度を指します。
威力で相手を押さえつけようとする、などという意味もあり、「威圧的なものいい」などと使われます。
「有無を言わさぬ」の英語(解釈)など
有無を言わさず、という表現を英語にすると“peremptorily”、“willy-nilly”や“forcibly”という表現が使えます。
選択権がない、という意味でもあり、“without having a choice”と言い換えることもできます。
例えば、「彼は有無を言わさぬ態度で自分の意見を押し付けた」ということであれば、“He forced us agree with his own ideas without giving us any choice.”と表現できます。
「有無を言わさぬ」、という表現は自分の意見を押し付ける、相手の反応を聞かない、という事ですから、決して良い意味は持ち合わせていません。
しかし、場合によってはどうしてもこのような人に出会うこともありますし、状況によってはどうしても有無も言わさぬ態度をとってしまうこともあるでしょう。
常に客観的に行動できるよう、心に余裕を持つ必要があります。
もしもそのような態度を取ってしまった場合、後から一声かけることも思いやりの1つです。