「苦節」の意味とは・語源・「苦節」と「苦渋」の違い・類語・読み方・英語【使い方や例文】
「苦節」という言葉の意味や読み方を紹介します。
また「苦節」の英語や、「苦節」の類語を紹介します。
さらに「苦節」を使った言葉や例文を紹介して行きます。
目次
- 「苦節」の意味とは?
- 「苦節」の読み方?
- 「苦節」の英語
- 「苦節」の類語や類義表現
- 「苦節」の言葉の使い方
- 「苦節」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「苦節」を使った例文や短文など
- 「苦節」と「苦渋」の違い
「苦節」の意味とは?
「苦節」という言葉を知っているでしょうか。
「苦節○○年」などという言い回しを聞いた事があるかもしれません。
一方で「苦節」という言葉を、今回初めて耳にした人もいるでしょう。
そこで「苦節」の意味を紹介します。
「苦節」には、「苦しみに負けず、初志を貫く事」という意味があります。
「苦節○○」年」には、○○年もの間、苦しみに負けず初志を貫いたという意味があります。
このように「苦節」には、苦しい出来事を乗り越えながら、初志を貫く事という意味があります。
「苦節」の読み方?
「苦節」という言葉をどのように読めばいいでしょうか。
「苦節」は「くせつ」と読みます。
「にがぶし」「くぶし」などと読み間違えないように気を付けましょう。
これを機会に「苦節」は「くせつ」と読む事を覚えておきましょう。
「苦節」の英語
「苦節」という言葉を英語にする時、どのような表現を選べばいいでしょうか。
「苦節」は英語にすると、“unremitting effort”(アンリミティングエフォート)になります。
“unremitting effort”には「絶え間ない努力」という意味があり、転じて「苦節」になります。
このように「苦節」を英語にすると、“unremitting effort”になりますので、英語を使う機会のために覚えておきましょう。
「苦節」の類語や類義表現
「苦節」の類語や類義表現を紹介します。
「苦節」という言葉とよく似た意味の言葉には、どのような言葉があるでしょうか。
- 「徳操」【とくそう】
- 「大節」【だいふし】
- 「操」【みさお】
- 「艱難辛苦」【かんなんしんく】
「徳操」【とくそう】
「徳操」という言葉があります。
この言葉には、「固く守って、変わらない節操」という意味があります。
ちなみに「節操」には、「自分の主義や道徳を固く守って変えない事」という意味があります。
「苦節」の「節」にも「節操」という意味があり、「節操」を使った兄弟のような言葉と言えます。
「大節」【だいふし】
「大節」には、「大切な節操」という意味があります。
主君や国家などに対する節操の事で、「大節を守る」などという言い回しをします。
江戸時代などの封建時代には、このような「大節」を守る事が尊ばれていました。
「操」【みさお】
「操」には、「志を守って変えない事」という意味があります。
例えば政治家を志す時に、「操を守る」事を誓います。
初志を忘れずに貫く事を自分に誓うためです。
「艱難辛苦」【かんなんしんく】
「艱難辛苦」には、人生で起こる困難、そして苦悩という意味があります。
「苦節の末」という言葉と「艱難辛苦を乗り越えて」という言葉は、ほとんど同じ意味があります。
「苦節」の言葉の使い方
「苦節」という言葉をどのような場面で使えばいいでしょうか。
「苦節」には、苦しみに負けず初志を貫き通す、という意味があるため、そのように頑張った人に対して使いましょう。
例えばテレビを見ていると、デビューして数十年後に、ようやくヒットを出した歌手が登場する事があります。
このような人を紹介する時、「苦節○○年、努力がようやく花を結びました」などと言います。
身の回りの人たちが、長年の努力の末に何かしらの大きな成果を出した時などに、「苦節」という言葉を使い、褒め称える事ができそうです。
「苦節」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
「苦節」を使った言葉や慣用句を紹介します。
「苦節」という言葉を使った定型句のような言葉が登場します。
- 「苦節を経て」【くせつをへて】
- 「苦節十年」【くせつじゅうねん】
「苦節を経て」【くせつをへて】
「苦節を経て」には「長い間、絶え間ない努力を続けた結果」、「初志を貫き通して」などの意味があります。
長年の努力が実った人に対して「苦節を経て」という表現をします。
数年の努力では「苦節を経て」という言葉は使わないため、注意しましょう。
「苦節十年」【くせつじゅうねん】
「苦節十年」は、「逆境に負けず、長い間努力を続けて、初志貫徹した人」に対して贈られる言葉です。
この場合の「十年」には「長い間」という意味があり、正確に十年間というわけではありません。
「苦節」を使った例文や短文など
「苦節」という言葉を使った例文や短文などを見て行きましょう。
「苦節」をどのように文章に組み入れればいいか、そのコツを覚えましょう。
- 「苦節」を使った例文1
- 「苦節」を使った例文2
「苦節」を使った例文1
「A君は『苦節十年』ついに弁護士になった」
この例文のように、弁護士などの難しい国家試験に合格するのは難しいものです。
長い間の勉強期間が実って、ついに合格するような苦労人も多いでしょう。
また東大に合格する学生は、高校生とはいえ、小さな頃から勉強を頑張っているため、「苦節十年」という言葉に恥じないほど努力していると言えそうです。
「苦節」を使った例文2
「長い『苦節』を経て、彼は今の地位を築いた」
この例文のように、長い間の苦労を経て、立派な立場になった人は多いでしょう。
初志貫徹をする事は難しく、ほとんどの人がどこかの段階で大きな目標や夢をあきらめてしまいがちです。
しかし、苦しい時代も負けずにあきらめず、最後までやり通した人だけが、大きな成果を手に入れられるのかもしれません。
「苦節」と「苦渋」の違い
「苦節」という言葉とよく似た言葉に「苦渋」があります。
「苦渋」は「くじゅう」と読みます。
この二つの言葉にはどのような違いがあるでしょうか。
「苦渋」には、「苦しみ悩む事」という意味があります。
例えば「苦渋」を使った定型句に「苦渋の選択」「苦渋の決断」などがあります。
この言葉には苦しみ悩んだすえの選択や決断という意味があります。
一方「苦節」には、苦しみに負けず初志を貫き通す事という意味があります。
このように「苦節」には、苦しみ悩むだけでなく、初志を貫き通す、という意味が含まれています。
この点が二つの言葉の大きな違いと言えるでしょう。
「苦節」という言葉の意味や使い方を見てきました。
みなさんの中にも「苦節十年」、何かの大きな目標や夢を叶えるために努力している人がいるかもしれません。
またここ数年の間に、「苦節」を経て、夢を叶えた人もいるでしょう。
初志貫徹する事は大変ですが、その先には最高の幸せが待っているかもしれません。