「提言」の意味とは?「提言」と「助言」「進言」「諫言」の違い・読み方・英語・類語
提言は、似た言葉と使い方の区別を付けるのが難しい言葉です。
それらとの違いも含めて、詳しく意味や使い方を見ていきましょう。
目次
- 「提言」の意味とは?
- 「提言」の読み方?
- 「提言」の英語(解釈)
- 「提言」と「助言」の違い
- 「提言」の言葉の使い方
- 「提言」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「提言」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「提言」の類語や類義表現
- 「提言」と「進言」の違い
- 「提言」と「諫言」の違い
「提言」の意味とは?
提言とは、「意見を分かるように出す」ことです。
その内容自体を指して使われることもあります。
この「分かるように」とは、口に出す場合と文章にして提出する場合があり、考えているだけのうちは「提言」とはいいません。
「〜に提言した」と使うと、何かしらの意見を〜に該当する人物や団体どに分かるように出したという意味になり、「市民からの提言によると〜」の場合は、市民から出されたそのような意見自体のことだと考えていいでしょう。
「提言」の読み方?
「提言」は、「ていげん」と読む言葉です。
「提言」として出される意見は「提案」(ていあん)と呼ばれることがあり、共に「提」という漢字が使われています。
この「提」には、「差し出す」という意味があり、そのどちらの言葉もこの意味を含んでいるのが分かります。
読み方は特に問題ないと思いますが、記述する時に「提」の字を「堤」としないように注意してください。
「堤」はつちへんで、一文字では「つつみ」という苗字でお馴染みの漢字です。
これらはとても混同してしまいやすい漢字同士です。
「提言」の英語(解釈)
提言は、英語では“suggest”と表現します。
“I suggest that 〜”で、「〜を提言する」という意味になり、“suggested”と過去形にすれば、「提言した」となります。
また、“propose”も使えなくもありませんが、見たまま「プロポーズ」と発音する言葉で、カタカナ語で使う場合と同様に「求婚する」という意味も持っているので、こちらの場合は使う場面などに気を付けないといけません。
「提言」と「助言」の違い
「助言」(じょげん)は、いわゆる「アドバイス」のことです。
主題として伝えることではなく、「ちょっとしたこと」というニュアンスの強い「提言」だと考えていいでしょう。
また、文章にすることは少なく、口頭で伝えられることがほとんどで、その重さが「提言」とは違います。
文字通り、軽い(責任的にも)「提言」がこの「助言」だと考えておけば間違いはありません。
「提言」の言葉の使い方
提言は、何かをはっきりと表すという意味の言葉です。
もしくはその内容自体のことですが、この意味の見分け方は、「提言」の後に「する」、「した」のような動詞が付くかどうかで分かります。
先に挙げた「市民からの提言によると〜」のような形の場合は、その内容自体のことを指しています。
「提言したが〜」や「提言するつもりだ」といった使われ方の時には、内容に当たる意見を出す(伝える)ことだと解釈してください。
「提言」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
提言を使っている、よく見聞きする言葉や表現です。
これらの意味を見ていきたいと思います。
- 「政策提言」
- 「会社への提言」
- 「提言 JAPAN 2050」
「政策提言」
この「政策提言」とは、政府に対する政策への意見のことです。
内容は、消費税についてなどの身近なことから、子育てへの支援について、海外の国との関係などまで、どんなことでも構いません。
その内容は、意見書として政府に提出されることもありますが、発表するだけという場合も多いです。
尚、各議会においてこの名前で意見書が作成された時には、その後にきちんと政府宛に提出されます。
個人的に、または団体として発表しているような場合はその限りではありません。
「会社への提言」
会社に不満な点などを伝えることです。
必ずしも聞いてもらえるとは限りませんが、黙っていては分からないことも多いのは事実です。
しかし、あまり積極的にこれを行い過ぎると、文句ばかりだと思われてしまうかも知れないので注意が必要です。
「提言 JAPAN 2050」
「提言 JAPAN 2050」とは、「2050年の日本を考える」というテーマで、2018年9月9日に幕張メッセで開催された有志イベントのことです。
若者を中心に1万人規模の参加者で行われ、2050年になった時の環境や医療の問題、AI技術に関してなど、人間の生活に直結した課題について、大いに意見が交わされました。
そのような様々な課題をまとめて「2050年問題」と称していましたが、かつての「2000年問題」のようなコンピューターなどが絡む大きな問題のことではなく、名目上そのように呼んでいただけです。
「提言」を使った例文や短文など(意味を解釈)
提言を使った例文や短文です。
この言葉のもっている、2つの違う意味で使っている例になります。
- 「提言」を使った例文1
- 「提言」を使った例文2
「提言」を使った例文1
「自分が提言した内容は、残念ながら取り入れてもらえなかった」
「提言」は、あくまで意見を出すというだけなので、取り入れてもらえるかどうかは相手次第ということになります。
こればかりはどうしようもありません。
「提言」を使った例文2
「社員からの提言にあったように、自動販売機を設置することにした」
先の「会社への提言」のようなものの中に、どこかに自動販売機を設置して欲しいといったものがあったのでしょう。
会社の経営や仕事内容などについてだけでなく、このような「提言」も中にはあるものです。
「提言」の類語や類義表現
提言と似た意味の言葉や表現です。
先に紹介した「助言」や、下記に挙げる言葉は含めていません。
- 「苦言」【くげん】
- 「忠言」【ちゅうげん】
「苦言」【くげん】
遭えて、悪い点や否定するようなことを「提言」すること、またはその内容自体に使います。
相手の悪い点などを指摘することになるので、誰でもこのようなことは言いたくありませんが、そうでもしないと分かってもらえないといった時に、この「苦言」が「提言」されると考えていいでしょう。
「忠言」【ちゅうげん】
上の「苦言」と似た意味の言葉で、「苦言」の中でも「相手の為になる」ものがこのように呼ばれます。
受け取る側がどちらと捉えるかは分かりませんが、本人としては「忠言として伝えた」といったように使われる言葉です。
「提言」と「進言」の違い
「進言」(しんげん)は、自分より上の立場の人に対して「提言」することを指す言葉です。
「提言」は、とくに相手を問わずに使える表現ですが、そのような立場の人への「提言」となると、この「進言」とした方が日本語として相応しい言葉です。
「提言」と「諫言」の違い
この「諫言」(かんげん)は、先の「忠言」と同じ意味の言葉です。
どちらも相手の為を思った「提言」のことで、目上の人に対しても使える表現です。
「上司に諫言した」という使い方をしても全く問題ありません。
提言は、ここで紹介した様々な類語の元となっていると考えてもいい言葉だと言えるでしょう。
どのような「提言」がその言葉なのかという覚え方をすると、それぞれの言葉の意味が分かりやすいと思います。