「無念」とは?意味・類語・英語【使い方や例文】
「無念」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
何か残念なことが起こったときなど、「それは無念だ」という表現を聞いたことがあるという人もいるかもしれませんね。
それならば「無念」とは一体どういう意味なのでしょうか。
ここでは「無念」という言葉の意味や類義語、英語表現について紹介します。
目次
- 「無念」の意味とは?
- 「無念」の読み方
- 「無念」の英語(解釈)
- 「無念」の言葉の使い方
- 「無念」の例文・短文(解釈)
- 「無念」の対義語
- 「無念」の類語や類義表現
「無念」の意味とは?
「無念」という言葉はもともと仏教用語であり、妄念がないこと、煩悩がないこと、を指しています。
迷いの心を離れ、無我の境地に入り、何事も感じないことを「無念」というのです。
一般的には悔しいことや悔しい様子を指す場合に使われます。
例えば「無念な結果に終わった」などといった使われ方があります。
仏教用語としての「無念」という表現は日常的にはあまり使われません。
「無念」の読み方
「無念」という表現は「むねん」と読みます。
「ぶねん」ではありませんので注意しましょう。
「無念」の英語(解釈)
「無念」という表現を英語にすると“regret”や“feel sorry”などが挙げられます。
「無念」という言葉には後悔、残念、悔い、心残りなどといった意味合いがありますので、“resentment”、“mortification”などという表現でも問題ありません。
「無念を晴らす」という表現ならば“revenge”という単語が使えます。
「無念」の言葉の使い方
江戸時代のドラマなどで、侍たちが「無念!」と言いながら倒れていく様子を見たことがあるという人もいるのではないでしょうか。
この場合は無心という意味ではなく、残念、という意味を指しています。
先ほども述べた通り、「無念」という言葉には2つの意味があり、その2つは全く異なる意味合いになります。
仏教用語としての「無念」は邪念がないことを指しますが、一般的な「無念」という表現は残念、後悔、などという意味がありますので、文脈に応じて考えていかなければいけません。
「無念」の例文・短文(解釈)
それならば、「無念」という言葉を使った文章にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは「無念」という言葉の例文をいくつか紹介します。
- 「無念」の例文1
- 「無念」の例文2
- 「無念」の例文3
「無念」の例文1
「このたびは突然の訃報で、ご家族の皆様におかれましてはさぞかし無念であるとお察しいたします」
誰かが亡くなった時、お葬式を執り行いますよね。
お葬式を執り行うときは「ご家族の皆様におかれましてはさぞかし無念であると」という表現が使えます。
これは一般的なお悔やみ分ですから、ぜひ覚えておきたいものです。
お葬式などにおいてはお悔やみを伝えるときに残念という言葉を使いますが、より深い悲しみを感じている遺族に対しては「無念」という言葉を使い、悲しみを理解しようとするのです。
残念という表現よりもより悲しみが強ということを表します。
「無念」の例文2
「残念と無念は意味が違うから気をつけなければいけない」
「無念」という言葉には残念という意味が含まれますが、「残念」と「無念」という表現はきちんと使い分けなければいけません。
例えばお悔やみを遺族に伝える時、「ご家族の皆様におかれましてはさぞかし残念であると」と言ってしまうと少々配慮が足りない表現になってしまいます。
家族に対しては深い悲しみを表さなければいけませんので、残念という表現では少し物足りなくなってしまうのです。
そのため、TPOに応じて使い分けなければいけません。
残念という表現は軽く聞こえてしまいます。
「無念」の例文3
「彼女は乳がんになって30歳前に亡くなった。さぞかし無念だっただろう」
大往生した人に対しては人生を生き抜いたということを褒めたたえますが、あまりにも若くして誰かがなくなった場合、その年齢から、悔やんでも悔やみ切れないということがあるかもしれません。
最近は女性でも乳がんにかかる人が増えていると言われており、若ければ若いほど進行が早いとも言われています。
そのため、20代や30代でも乳がんなどで命を落とす女性が少なくありません。
しかしそのような年齢と言えばやはり結婚したばかりであったり、子供が生まれたばかりであったり、幸せに満たされているはずの年代でもあります。
もしも子供が小さい状態で乳がんなどにかかり、このよう旅立たなければならないとなれば、本人も子供の成長みたかっただろう、子供も母親を失ってしまった、まだまだ本人もやりたいことがたくさんあっただろうに、などと悔やまれますよね。
そのような時に「無念」という表現を使うときができます。
「無念」の対義語
「無念」という表現の対義語は有念になります。
「無念」というのは仏教用語で雑念を持たないことを指していますから、雑念を持つことを有念というのです。
深い悲しみを表すときの「無念」の場合、その対義語は存在しません。
ただし、よく似た意味合いの対義語としては満足、嬉しい、などといった表現が考えられます。
「無念」の類語や類義表現
「無念」という言葉にはどのような類義語があるのでしょうか。
状況に応じていろいろな単語を使い分ける必要がある場合、「無念」以外の言葉も知っておきたいですよね。
ここでは「無念」という表現の類義語をいくつか紹介します。
- お気の毒【おきのどく】
- 申し訳ない【もうしわけない】
お気の毒【おきのどく】
人に対して「無念」という表現を使う時、「お気の毒」という表現が使えます。
誰かがなくなって「気の毒に思う」、遺族に対して「気の毒に思う」、などといった表現ができるのです。
「悔しい」、「心残り」、「かわいそう」、「遺憾」、などといった類義語もあります。
申し訳ない【もうしわけない】
何かをしたり、しなかったことに対して後悔の気持ちを表すとき、「申し訳ない」という表現を使うこともできます。
喪失感や責任感、悲しみを感じるときには「申し訳ない」、「すまない」、「口惜しい」、などといった表現が可能です。
それ以外にも「悔やんでも悔やみ切れない」、「死んでも死に切れない」、「残念無念」、「無念至極」、「心残り」、「痛恨の極み」、などといった表現を使うこともできます。
無念という表現には様々な意味合いがありますが、仏教用語としての無念と一般的な意味の無念は意味が逆になりますので気をつけましょう。
仏教用語としての無念という言葉が使われる事はあまりありませんが、雑念を持たないという意味で知っておく必要があります。
また、お葬式の時などには無念という言葉を使い、遺族に対して深い悲しみを言い表せるようにしておきましょう。
このような時は単語のチョイスを間違えないことが何よりも大切です。