「邂逅」の意味とは?類語や英語、使い方や例文を紹介!
聞いたことはあるけど意味がよくわからない、聞いたこともない、なんと読むのかもわからない、という方も多い「邂逅」という言葉ですが、この機会に知っておかれると便利な場面もあるかと思います。
ぜひ一読ください。
目次
- 「邂逅」の意味とは?
- 「邂逅」の読み方
- 「邂逅」の英語
- 「邂逅」の使い方
- 「邂逅」を使った例文・短文
- 「邂逅」を使った言葉
- 「邂逅」の類語や類義表現
「邂逅」の意味とは?
「邂逅」とは、思いがけず出会うこと、偶然の出会いを意味する言葉です。
この出会いには人間との出会いだけでなく、新たな発想や芸術作品、これまでなかったものとの出会いなども含まれますので、まずは枠にはめず、思いがけず出会うことを「邂逅」と呼ぶのだ、ということを覚えてみてください。
「邂逅」の読み方
「邂逅」は「かいこう」と読みます。
「邂」には「解説」などの「解」という漢字を含み、「カイ」という読みのもとになっていると考えられ、ほかに、「あ-う」という読みを、あう、めぐりあい、という意味を持ちます。
「逅」は、「皇后様」の「ゴウ」の字が入っていることから、「コウ」という読みも連想されます。
「逅」という漢字はほかに、「あ-う」という読みを持ち、こちらもあう、めぐりあい、という意味の文字になります。
「邂逅」は、同じ意味を持つ漢字を重ねることで、偶然性や意外性といった意味を強調しているものとなります。
「邂逅」の英語
英語で「邂逅」を表現したいときには、“encounter”という単語を知っておくといいでしょう。
出会う、出くわすなど、偶発性を含んだ英語とされますので、「邂逅」とかなり似た意味で使われます。
また、“a chance meeting”も「邂逅」を表す英語として問題ないでしょう。
日本語でも「出会い」という場合と「邂逅」という場合とで、前後の文脈や言い回しのちがいがあるのと同じように、英語でもどの場面でどの単語を使うといいか、ということが変わってきますので、そのあたりのニュアンスをおさえていくようにしてみてください。
「邂逅」の使い方
「邂逅」は、「〇〇との邂逅」などのように、名詞的に使われる場合と、「邂逅する」というように動詞的に扱われる場合とがあります。
基本的に会話の中で使う口語的な言葉ではなく、文語の中で使われる言葉でもありますので、小説などの文章の中で「邂逅」が出てきたら、出会いのことだな、と変換できるようになれば、あまり使い方にとらわれることがありません。
「邂逅」を使った例文・短文
ではここで、「邂逅」を使った具体的な例文をいくつか見ておきましょう。
これまで読みもわからなかった、という方は、「邂逅」という言葉に慣れ親しんでいってください。
- 「邂逅」の例文1
- 「邂逅」の例文2
- 「邂逅」の例文3
「邂逅」の例文1
「小五のときに引っ越して以来、音信不通になっていた幼馴染との邂逅が、それからの人生をがらりと変えた」
ここでは人との「邂逅」についての例文を挙げました。
偶然で思いがけない出会いというのは、本当にいつどこで起こるかわからないものです。
しかしそのような「邂逅」はドラマや漫画の中だけでなく、現実世界でもしばしば起こりうるところが、人生の面白みかもしれません。
「邂逅」の例文2
「この映画作品との邂逅は、僕の視野をぐっと広げてくれた」
小さなコミュニティの中で生活していると、世界の広さがわからなくなるものですが、たまたま借りたDVDが世界の広さを教えてくれる、ということはままあるのではないでしょうか。
世界には自分の知らない文化や風習で生きている人種がいることや、自然界にあるものの美しさなど、大きくとらえると「世界」や「未知」、「宇宙」などとの「邂逅」を例文にしました。
「邂逅」の例文3
「あのときの邂逅が悪夢のはじまりだと、そのときは気づかなかったのです」
偶然の出会い、思いがけない出会いが、いつも出会った人にとっていい出会いとは限りません。
不倫や犯罪の引き金は、だれかとだれかの出会いから引かれるものも多いのではないでしょうか。
あとになって後悔しても仕方がありませんが、出会い、「邂逅」がいつも素晴らしいものであるとは思わない方がいいこともあるようです。
「邂逅」を使った言葉
ではつぎに、「邂逅」を使った言葉、四字熟語を見ておきます。
ただでさえごちゃごちゃした熟語なので、四字熟語になると余計に複雑に感じられますが、漢字を一つずつ見ていくと思ったほどむずかしい言葉ではない、とわかります。
- 「邂逅相遇」
「邂逅相遇」
「かいこうそうぐう」と読みます。
「邂逅」の意味については上述したとおりですが、「相遇」という言葉も、ぱったりと出会う、といった意味あいを持つ言葉になります。
「邂逅」と「相遇」という、よく似た二字熟語を重ねてできた四字熟語が「邂逅相遇」という言葉といえます。
「邂逅」の類語や類義表現
最後に「邂逅」の類語表現について見ておきましょう。
「邂逅」は文語的すぎる、読めるが書けない、という方は、よく似た意味の言葉をあわせて覚えておくことで応用がきくようになりますよ。
- 「鉢合わせ」【はちあわせ】
- 「遭遇」【そうぐう】
- 「逢着」【ほうちゃく】
「鉢合わせ」【はちあわせ】
偶然に出会うことを意味する言葉です。
「鉢」とは「頭」という意味でも使われることがあり、出合い頭に頭と頭をぶつける、というような状況から、「鉢合わせ」という言葉が使われています。
「門口のところで帰宅した弟と鉢合わせた」
「遭遇」【そうぐう】
偶然に出会うことを意味する言葉です。
しかし、「遭遇」という言葉が使われる場合の出会いは、その多くが危機的状況や悲しみを伴うものなど、よくない状況や自分に対して敵対心、加害意識を持っている場合となっています。
「邂逅」では、いい意味でも悪い意味でも使われる言葉、と紹介しましたので、意味の幅が「遭遇」では「邂逅」よりも狭くなる、と考えるといいでしょう。
「タバコ屋の近くの四つ辻で遭遇したのが空き巣の犯人だったとあとから知った」
「逢着」【ほうちゃく】
耳慣れない言葉かもしれませんが、「ほうちゃく」と読み、出くわすこと、出会うこと、行き当たること、といった意味で使われます。
「難問に逢着する」「どうにも説明のつかない矛盾に逢着してしまった」などのように使われています。
「邂逅」とは、偶然に出会うこと、思いがけず出会うこと、という意味の言葉だとわかりました。
人は生きているうちに多くの新たなものと出会い、また既知のものと出会い直していく場面が何度もありますが、どんな「邂逅」もむだと思わず、糧にしていくことができれば素敵です。