「恣意的」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
人が何か行動を起こす時には色々な思考が働いているものですが、その中には、論理的な思考に基づく行動があれば、その時の流れや雰囲気で動くこともあるでしょう。
しかし、その行動によって周囲の人は納得してついていくこともありますし、予想外の動きとして戸惑いを隠せない場合もありますが、そのような時に出てくる言葉が「恣意的」というものです。
普段の生活や仕事の場面でも、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、場面によっては文章の中で使われていることもあります。
ここでは、この「恣意的」という言葉の意味や使い方を説明していくことにします。
目次
- 「恣意的」の意味とは?
- 「恣意的」の読み方
- 「恣意的」の言葉の使い方
- 「恣意的」を使った例文(言葉と意味を解釈)
- 「恣意的」の英語と解釈
- 「恣意的」の類語や類義表現
「恣意的」の意味とは?
「恣意的」という言葉は、「気ままで自分勝手なさま」、あるいは「論理的な必然性がなく思うままにふるまうさま」という意味があります。
「恣意的な判断」や「規則を恣意的に運用する」といったような使い方で見ることがあります。
「恣意的」の読み方
「恣意的」は「しいてき」という読み方になりますが、「恣意」という漢字を目にする機会が少ないために、この漢字を正確に読める人はかなり少ないことと思います。
ここでしっかりとチェックして憶えるようにしましょう。
「恣意的」の言葉の使い方
「恣意的」は、「気ままで自分勝手」、「論理的な必然性がなく思うままにふるまうさま」という意味なので、その時々の思いつきや雰囲気で物事を判断するような気まぐれ的な行動をする人を指して使うことになります。
一見、無邪気なタイプの人に見えるのですが、ビジネスシーンでは、論理的な思考に基づき活動することになるので、一緒に仕事をすると結構、面倒で振り回されやすいタイプかもしれません。
「恣意的な判断」をする人は、思いつくままの判断となりますし、「規則を恣意的に運用する」となると、その場の流れで勝手に規則を自分勝手な解釈で運用してしまう可能性があるので、面倒なのです。
身近な表現で言うと、「あんまり考えてなかった」とか、「なんとなくそうしました」と、論理的な必然性が感じられずに思うままにふるまってしまうような感じです。
「恣意的」を使った例文(言葉と意味を解釈)
では、ここで「恣意的」を遣った例文を見てみることで、具体的な活用シーンをイメージしてみてください。
- 「恣意的」の例文1
- 「恣意的」の例文2
- 「恣意的」の例文3
「恣意的」の例文1
「今回の採用試験の採否は、担当者の恣意的判断に依存しているところが大きいために、その結果には疑問が残る」
企業の採用試験では、多くの学生が面接を受けていますが、採用基準には色々な観点があり、その基準を参考に採用可否がなされることになるはずです。
しかし、時として採用の担当者の個人的な感性や思いで可否を決めるようなこともあるかもしれません。
ただ、これで採用不合格になった人は納得がいかないでしょう。
「恣意的」の例文2
「どんな教師でも、生徒に対して恣意的に振る舞うことをしてはならない」
今の学校現場では、生徒に対する教師の接し方は、非常に厳しいことが要求されています。
昔は、鉄拳制裁というシーンもあったのですが、今では校内暴力として、メディアでも取り上げられるくらいです。
確かに、思いつきで生徒に接することが許されないことではありますが、過度な接し方も考えものです。
「恣意的」の例文3
「親のその場その場の恣意的な接し方は、子どもの価値観や自尊心を歪んでしまうことになる危険性があります」
前項の例文と同じように、親も教師と同様に、子供達に対する接し方は、「恣意的」なことではいけません。
「恣意的」の英語と解釈
「恣意的」は、英語に訳すと“arbitrary”という表現になります。
「恣意的」の類語や類義表現
では、「恣意的」を他の言葉で言い換えると、どのような言葉で表現することができるでしょうか?
- 「自由気まま」
- 「気の向くまま」
- 「思いつくまま」
「自由気まま」
「恣意的」と似たような言葉の1つに「自由気まま」という表現があります。
「自由気まま」とは、「周りのことを一切気にせずに自由に行動する」という意味があります。
「自由」なので、何事にも縛られことがなく、自分の思ったように行動することができるので、ガチガチのルールに縛られたビジネスマンにとっては、とても羨ましい感じがするかもしれません。
確かに、現代の企業では既成概念や過去の慣習から脱却して、思いきった行動が求められますが、それは必要最低限のルールを守りながらのことが条件です。
「自由気ままな方針で周りを混乱させる」ような行動をする人は、やはり企業では不必要な人材という評価になってしまうことでしょう。
「気の向くまま」
「気の向くまま」も「恣意的」の類義語として挙げることができるでしょう。
「気の向くまま」とは、「その時々の気分によって進む方向や方針をコロコロと変えるなど気楽に構えているさま」を意味している言葉で、何か自由でオープンなニュアンスがあるので、「気の向くままに行動して最終的には成功をおさめた」という使い方になると好意的な感じがします。
しかし、「うちの社長はいつも気の向くままに行動してしまうので、事業が成功することがないのです」となると、「気の向くまま」は「何事にも縛られない自由な発想」というより、単なる「思いつき」という悪い印象を覚えてしまいます。
「思いつくまま」
前項でも少し触れた「思いつくまま」ですが、これも「恣意的」と似た言葉で、「ひらめき」的な意味合いはあります。
「思いつくままにアイデアなどが出る」というような形で使われますが、芸術家やクリエーターなどの職業の人は、「思いつくまま」という言葉はいい意味で使われることが多いのですが、ビジネスの世界では「思いつくまま」の言動はあまり好まれることはないでしょう。
「恣意的」とは、受け止め方によっては、「自由で束縛されることがない」といいたような印象があり、今まで凝り固まった既成概念を打ち破る場合にはいい意味として理解することもできるでしょうが、仕事を進めていく上では、やはり論理的な思考が求められて生きます。
そのような意味では、この言葉はあまり歓迎される言葉ではないかもしれません。
私達は何事においても、ロジックな考え方に基づきプランニングしたり、スケジューリングすることが大切です。
その一方でフレキシブルな思考も求められるので、そのバランスをどのように取るかが難しいところでしょう。