「頭が下がる思い」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
社会人となると、敬語を使った会話の場面が数多く訪れることがありますが、普段あまり使わないような敬語が間違っていたとしても、その場で指摘されたり、叱られることはないかもしれません。
しかし、社会人として常識を疑われたり、信頼を失うことや取引先との関係が悪化するなどの影響が出てくる可能性があるかもしれませんので、社会人になったなら、正しい敬語を使いこなせるようにしなくてはなりません。
これらの敬語の中には、正しい使い方を覚えておくことで便利な言い回しで頻繁に使う必要がある場面でも戸惑うことがないでしょう。
その中で「頭が下がる思い」といったような表現もビジネスシーンではよく耳にする言葉の1つです。
ここでは、聞くことがあったり、実際に使う機会が多い「頭が下がる思い」という言葉の意味や正しい使い方について見ていくことにします。
目次
- 「頭が下がる思い」の意味とは?
- 「頭が下がる思い」を分解して解釈
- 「頭が下がる思い」の使い方
- 「頭が下がる思い」を使った例文・短文(解釈)
- 「頭が下がる思い」の英語
- 「頭が下がる思い」の類語や言い換え
「頭が下がる思い」の意味とは?
「頭が下がる思い」とは、「敬服しないではいられないような思い」という意味があります。
- 「頭が下がる思い」の読み方
「頭が下がる思い」の読み方
「頭が下がる思い」の読み方は、「あたまがさがるおもい」となります。
「頭が下がる思い」を分解して解釈
では、「頭が下がる思い」を「頭が下がる」と「思い」の2つの言葉に分けて、それぞれにどのような意味があるのかを見ていくことにしましょう。
- 「頭が下がる」
- 「頭が上がらない」との混同に注意
- 「思い」
「頭が下がる」
「頭が下がる」という言葉は、「敬服する」や「感服する」といった意味を持っている言葉で、相手に対して尊敬する場合や感心している様子を表す際に使われることになります。
仕事を一生懸命に頑張っている相手に尊敬の気持ちを伝えたい時であれば、「山田さんの仕事への姿勢には、本当に頭が下がるね」というような使い方になりますが、「頭が下がる」という言葉はビジネスシーンのみならず。
日常会話の中でも幅広く使われている言葉です。
「頭が上がらない」との混同に注意
ここで注意したいことは、「頭が下がる」と似たような言葉で「頭が上がらない」という言葉との使い分けです。
この2つの言葉の意味は全く異なっており、場面によって使い分ける必要が出てきます。
「頭が上がらない」には、「敬服しないではいられない」、あるいは「(尊敬の念を抱いて従う意味の)感服する」、「感心する」といったニュアンスが含まれているので、間違った使い方にならないよう注意しましょう。
「思い」
「思い」とは、「心がその対象に向かって働くこと」や「その内容」という意味があり、「心に秘めた気持ち」という理解ができます。
このようなことから、「頭が下がる思い」となると、「相手を尊敬している思いや、相手の言動に対して尊敬の念を抱いていること」を表現する言い回しになってくるのです。
「頭が下がる思い」の使い方
「頭が下がる思い」という言葉は、「尊敬や感心する思いのこと」を表していることから「坂本さんの仕事に対する熱心な姿勢には、頭が下がる思いでいっぱいです」というように使います。
「頭が下がる思い」を使った例文・短文(解釈)
では、ここから「頭が下がる思い」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「頭が下がる思い」の例文1
- 「頭が下がる思い」の例文2
- 「頭が下がる思い」の例文3
「頭が下がる思い」の例文1
「寝る間も惜しんで、自分の理想を追求すべく夢のために努力している彼の姿勢には頭が下がる思いです」
何か自分の目的のために努力をしている人を尊敬する場合に、このような表現をすることがあります。
常に理想のために努力を惜しまない人に対する敬意の表れですが、ひたむきな彼の姿勢が誰からの目で見ても、このような印象を与えるのでしょう。
「頭が下がる思い」の例文2
「山本さんは常に自分の技術を高めるために、仕事が終わっても、いつも勉強しているので、頭が下がる思いでいっぱいです」
この時も「山本さん」に対する尊敬や感心する思いのことを表しています。
「頭が下がる思い」の例文3
「彼は教師の中でも特に児童への深い愛情を注いでいるので、周りの誰よりも余計に頭が下がる思いになります」
教師という仕事で、生徒のことに深い愛情を注ぐことができる人が少なくなってきましたが、このような先生がいると、思わず「頭が下がる思い」になっていきますね。
「頭が下がる人」という表現は「尊敬できる人」という意味も表すことができる言葉です。
「周りの人達よりも余計に頭が下がる人です」というように使うことで、「周りの教師よりも、より一層尊敬できる人」という意味が込められています。
「頭が下がる思い」の英語
「頭が下がる思い」を英語で表現するのであれば、“I think the head is lowered”や“take my hat off”というフレーズを使うことになります。
「頭が下がる思い」の類語や言い換え
では、「頭が下がる思い」の類語にどのような言葉があるのか、見ていくことにしましょう。
- 「恐れ入る」
- 「尊敬する」
- 「一目置く」
「恐れ入る」
「恐れ入る」とは、「自分の悪かったことについて、また相手の好意に対して恐縮すること」や「相手の力量・実力に圧倒されて参る」という意味になります。
「尊敬する」
「尊敬する」は、「その人の人格を認めて敬うこと」、あるいは「その人の行為や業績などを優れたのと認めてその人を敬うこと」という意味になります。
「一目置く」
「一目置く」とは、「相手の能力を認めて敬意を払うこと」や「優れていることを認めて一歩譲って遠慮すること」ということを指しています。
「頭が下がる思い」は、心の底から感謝している様子や感心している気持ちを表現するフレーズですが、目上の人に対して使う敬語としては、「頭が下がる思い」は、あまり適した言葉とは言えません。
もし、上司や先輩などの目上の人に対して敬意を払う時に使うのであれば、「心より感謝しております」「感服しております」といったような表現した方が無難な言い方と言えます。
これが「課長のご指導には、いつも頭が下がる思いです」などという表現してしまうと、「指導することだけが、感謝の意味なのか?」とそれ以外の課長の言動に対しては、「感心や敬服をしていない」と変な受け止め方をされてしまう可能性がありますので、注意が必要です。
一方で「頭が下がる思い」という言葉を聞いて、どのような感覚で受け止めるかは、人それぞれの考えなので、上司に「頭が下がる思い」という表現を使っても、変な理解にならない人もいるかもしれません。
しかし、相手がどんなふうにこの言葉を受け取るか分からない以上は、失礼な印象を与えてしまわないように、言い方には配慮しなくてはなりません。