「昔取った杵柄」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「昔取った杵柄」という言葉が出てきた時、きちんとその意味を理解していますか。
何となく分かった気になっていると、自分で使用する際に誤った使い方をしてしまう可能性があります。
「昔取った杵柄」の意味や本来の使い方などをしっかりと身に付けておきましょう。
目次
- 「昔取った杵柄」の意味とは?
- 「昔取った杵柄」の類語や言い換え・似た言葉
- 「昔取った杵柄」の言葉の使い方
- 「昔取った杵柄」を使った例文や短文・解釈
- 「昔取った杵柄」の由来・語源
- 「昔取った杵柄」はいい意味?悪い意味?
- 「昔取った杵柄」の対義語
「昔取った杵柄」の意味とは?
「昔取った杵柄」は、若い頃もしくは過去に身に付けた技量や技術、能力の意味を持っています。
特にその技量や能力の内容に条件などはありません。
また「昔取った杵柄」には、そうして若い頃に取得した技量や技術、能力が年月を経ても今もなお衰えていない事を意味する場合もあります。
世の中には、年月と共に失われてしまう能力もありますが、一方で「昔取った杵柄」の意味するように一度身に付けると一生忘れたり衰える事のないモノもあるという事です。
「昔取った杵柄」の類語や言い換え・似た言葉
「昔取った杵柄」のように、若い頃に身に付けた技量や能力、またそれが衰えない様を意味する言葉は他にあるのでしょうか。
同じような意味として使われている言葉を探してみました。
しかし「昔取った杵柄」に対応する類語や熟語は、辞典などで正式に紹介されている言葉はありません。
そこで割りと近い意味合いのある言葉を紹介します。
- 老いたる馬は路を忘れず
- 老練
- 昔の勘を取り戻す
老いたる馬は路を忘れず
「老いたる馬は路を忘れず」とは、年をとった老馬はよく道を覚えていて迷うことがない事から老人の知恵や経験はあなどれず、進むべき道が分かっているという意味で使われます。
「昔取った杵柄」と全く同じ意味ではありませんし、言い換えに使用出来るとも限りません。
しかし、昔の経験や若い頃に培ったものが、年をとってからも生きているという意味では近しい言葉だと言えるでしょう。
老練
経験をたくさん積みかさね、物事に慣れ巧みであることを老練と言います。
老練の技術などの様に使うと、今でもその技術は衰えを知らないどころか、より研ぎ澄まされ熟練されているという意味になるでしょう。
年をとってもその技量や能力が衰えていない、という点では「昔取った杵柄」と似ている言葉だと言えます。
昔の勘を取り戻す
「昔の勘を取り戻す」とは、昔は上手く出来た事を忘れてしまっていたが、昔の感覚を思いだし上手く出来るようになってきたという意味です。
「昔取った杵柄」は、上記の様な昔の感覚を取戻すという意味ではありません。
しかし、どちらも「若い頃(過去)に身に付いた技量が、身体に染みついている」という意味が根底にあると言えるでしょう。
「昔取った杵柄」の言葉の使い方
「昔取った杵柄」は、その意味からして、子供や若者が使うに相応しい言葉ではありません。
ある程度、年齢のいった人が使う方がしっくりくる言葉だと言えるでしょう。
会話の中で使用する事が可能で、主に昔に習得した技量が今になっても役立った際に使われます。
他人の衰えない技量を指して「昔取った杵柄」と表現するだけではなく、その対象は自分である場合も多いものです。
一見すると自慢をする際に用いられる言葉の様にも思えますが、実際は謙遜の意味を込めて「昔取った杵柄」と表現する方が多いでしょう。
「昔取った杵柄」を使った例文や短文・解釈
「昔取った杵柄」を使用した例文をいくつか見ていくと、よりその使い方を理解する事が出来ます。
昔身に付けた技量が思わぬところで役立ったような経験は、誰にでもあるでしょう。
だからこそ「昔取った杵柄」の例文を見て、その解釈を深めれば、実際に上手く使えるようになるはずです。
- 「昔取った杵柄」の例文1
- 「昔取った杵柄」の例文2
- 「昔取った杵柄」の例文3
「昔取った杵柄」の例文1
「学生の頃に陸上部だったので、昔取った杵柄のおかげで子供の運動会で大活躍出来た」
昔取った杵柄とは、何も仕事や勉強面だけの技量に限ったことではありません。
この例文のように、スポーツ面で若い頃に得た技能や能力についても「昔取った杵柄」と表現する事が出来るのです。
大人になり子供のいる年齢になっても、学生時代の部活で身に付いたもののお陰で、他の父兄よりも活躍が出来たという事になります。
「昔取った杵柄」の例文2
「彼はその昔、教師だった。その分かりやすい教え方は、昔取った杵柄によるものに違いない」
今は教師ではないものの、過去の教師であった経験から他人に教えるスキルが未だに高いという意味の例文です。
このように「昔取った杵柄」は、過去の仕事や職業に紐づけられて使われる事も多くなります。
やはり、仕事から身に付くものは多く、一生ものの価値があるのでしょう。
「昔取った杵柄」の例文3
「昔取った杵柄がここにきて生きてくるなんて、真面目に勉強をしていて本当に良かった」
その時は、特に役立つと思っていなかった事でも、後々人生において真価を発揮する事もあります。
そんな時「昔取った杵柄」に感謝することでしょう。
上記の例文でも昔一生懸命学んで得た知識などが、時間がたった今、活躍をしているという事柄が表現されています。
「昔取った杵柄」の由来・語源
「昔取った杵柄」の意味を知ると、逆になぜこの言葉が「若い頃に身に付けた技量」や「それが衰えない様」を表すのか疑問が深まる人もいるでしょう。
ですが「昔取った杵柄」の由来を知れば、納得が出来るはずです。
杵といえば、お餅を臼でつく際に使用するアイテムになります。
旨いお餅を作る為に杵でつく事は想像以上に大変で技術がいる事です。
しかし、そんな大変な作業だからこそ一度習得してしまえば、時間が経っても簡単に忘れる事はありません。
ですから「昔身に付けた杵柄の操り方の腕は衰えない」ことから、今のような意味になっているのです。
「昔取った杵柄」はいい意味?悪い意味?
「昔取った杵柄」は、良い意味で使用をする言葉になります。
ですから、昔覚えた悪い事を今もそのまま引きずっているという様な意味は、一切ありません。
確かに若い頃の経験は、良いものだけではなく、悪い事も身体に刻み込まれる場合があるものです。
ですが「昔取った杵柄」に関しては、良い意味で使われます。
ですから昔の経験や学びから習得をした技量が、今も良い意味で活きている場合に使用する様にしましょう。
「昔取った杵柄」の対義語
「昔取った杵柄」は、良い意味が込められている言葉である事が分かりました。
では、その反対になる意味と言えば「若い頃に身に付いてしまった悪習や悪行」や「昔得た技量が失われてしまってている様」になります。
上記のような意味を持つ、いわゆる「昔取った杵柄」の反対にあたる言葉を探してみましょう。
「昔取った杵柄」とは違い、悪い意味で使われる言葉になるはずです。
- 雀百まで踊り忘れず
- 腕が鈍る
雀百まで踊り忘れず
幼い頃、若い頃に身に付いた習慣や癖などは、大人になっても変わることがないという意味の慣用句になります。
この慣用句で表す習慣や癖とは、決して良いものではありません。
そのため「雀百まで踊り忘れず」は、悪い例えとして使われます。
例えば子供の頃に身に付いた怠け癖が、大人になっても続いているといった場合などに使われるでしょう。
腕が鈍る
腕が鈍るとは、これまで十分に技量があり、満足出来ていた事が出来なくなってしまったり、以前と同じような結果を残せなくなってしまった時に使用される言葉です。
当然、良い意味ではなく悪い意味で使われる事になります。
「昔取った杵柄」とは、若い頃に身に付いた技量やそれが衰えない様を意味している事が分かりました。
また、悪い意味ではなく良い意味で使用されるのが「昔取った杵柄」ですから、誤った使い方をしないように注意をしましょう。
第三者の能力や技量に対して使う事も出来ますし、主語を自分にして謙遜のニュアンスで使用する事も可能な言葉です。