「軋轢」の意味・読み方・類語【使い方や例文】「軋轢」と確執との違い
「軋轢」とは、「人間関係において仲が悪くなること」や「他者との間に不和・葛藤が生じること」です。
「軋轢」の「意味・読み方・類語・言い換え・使い方・例文と解釈・英語・対義語・軋轢を使った言葉・軋轢と確執の違い」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「軋轢」の意味とは?
- 「軋轢(軋轢が生じる)」の類語や言い換え・似た言葉
- 「軋轢」の言葉の使い方
- 「軋轢」を使った例文や短文(解釈)
- 「軋轢」の英語
- 「軋轢」の対義語
- 「軋轢」を使った言葉と意味を解釈
- 「軋轢」と「確執」との違い
「軋轢」の意味とは?
「軋轢」の意味は、「人間関係(社会関係)において両者の仲が悪くなること」や「他者との間に不和・葛藤が生じること」になります。
「軋轢」というのは、人間関係でお互いの意見・価値観がぶつかり合って関係が悪化することであり、相手との間に摩擦・対立が生じて折り合いが悪くなることなのです。
友人知人との間で不仲になったり不和が生じたりするという意味の「軋轢」は、一般的に「軋轢が生じる」という言い方で用いられています。
「軋轢」という漢字は「軋る(きしる)+轢む(きしむ)・轢く(ひく)」で構成されていて、「軋轢」の語源・原義は「固い木製の車輪がこすれてキーキーと嫌な音を出すこと」にあります。
「車輪がこすれてぶつかること」から「人と人がぶつかり合って険悪になること」という現在の軋轢の意味が生まれたのです。
- 「軋轢」の読み方
「軋轢」の読み方
「軋轢」の読み方は、「あつれき」になります。
「軋轢(軋轢が生じる)」の類語や言い換え・似た言葉
「軋轢(軋轢が生じる)」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「軋轢(軋轢が生じる)」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「不和」【ふわ】
- 「折り合いが悪い」【おりあいがわるい】
- 「摩擦」【まさつ】
「不和」【ふわ】
「軋轢(軋轢が生じる)」の類語・言い換えとして、「不和(ふわ)・不仲(ふなか)」があります。
「不和」という言葉の意味は、「仲が悪いこと・不仲・関係が悪いこと」です。
「不仲」の意味も、「仲が悪いこと・相手と合わないこと」になります。
「軋轢」の意味は「仲が悪くなること・相手との間に摩擦があること」ですから、「不和・不仲」は「軋轢」の類語と言えます。
「折り合いが悪い」【おりあいがわるい】
「軋轢(軋轢が生じる)」の類語・似た言葉として、「折り合いが悪い・ギクシャクする」があります。
「折り合いが悪い」という言葉の意味は、「人間関係の相性が悪い・その相手とは合わない」になります。
ギクシャクするというのは、「二人の関係や会話が噛み合わなくなること」や「人間関係がスムーズでなくなること」を意味しています。
そのことから、人間関係が悪化する「軋轢が生じる」に似た言葉として、「折り合いが悪い・ギクシャクする」を指摘することができます。
「摩擦」【まさつ】
「軋轢(軋轢が生じる)」の類語・言い換えとして、「摩擦・衝突」があります。
「摩擦」という言葉の意味は、「擦れ合ってスムーズに行かないこと」や「人間関係の思惑・利害がぶつかること」になります。
「衝突」は「二つのものや人がぶつかり合うこと」を意味しています。
そのことから、「軋轢」の類語として「摩擦・衝突」を上げることができます。
「軋轢」の言葉の使い方
「軋轢」の言葉の使い方は、「相手と折り合いが悪くなって不和・不仲になっている時」や「人間関係が険悪になって対立が増えている時」に使うというものです。
「軋轢」という言葉の語源・原義は、「固い木製の車輪がこすれ合ってギシギシと嫌な音を出すこと」にあり、「他者との間に摩擦・対立が生じて仲が悪くなること」を意味するようになっていきました。
そのため、他者との間にぎくしゃくした噛み合わない感覚や折り合いの悪さがある時に、「彼と軋轢が生じた」や「彼女との関係には軋轢がある」といった使い方をすることができるのです。
「軋轢」を使った例文や短文(解釈)
「軋轢」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「軋轢」の例文1
- 「軋轢」の例文2
- 「軋轢」の例文3
「軋轢」の例文1
「この会社には複数の派閥があり、派閥の間にある軋轢が社内の団結を難しくしている」
この例文における「軋轢」は、会社内部にある派閥間の「不和・不仲・対立」を意味しています。
そして、社内にある派閥の軋轢を解消しないと一致団結することができないという問題を指摘しています。
「軋轢」の例文2
「相手の気持ちを考えない傲慢不遜な彼のやり方では、部下との間に軋轢を生むだけである」
この例文における「軋轢」は、「上司と部下の関係が不仲になること」や「部下の内面心理に葛藤・不満が生じること」を意味しています。
上司の傲慢不遜なやり方は、部下の不信や反発を煽って、関係が悪化していくだけの恐れがあるのです。
「軋轢」の例文3
「米国と中国の間で「貿易戦争」と呼ばれている貿易の利害衝突では、軋轢を避けるための外交努力が求められている」
この例文における「軋轢」は、米国と中国の外交関係にある「対立・利害の衝突」を意味しています。
「軋轢を避ける」というのは、米中間の対立や衝突のリスクを避けること(外交努力で貿易戦争という異常事態を緩和すること)を意味しているのです。
「軋轢」の英語
「軋轢」の英語は、“friction(摩擦)”や“conflict(衝突・対立)”、“discord(不和)”、“be at odds(不仲である)”などになります。
“There has been a affective conflict between the couple. ”(カップルの間には、感情の軋轢があった。)
“I avoided friction for my company. ”(私は会社のために軋轢を避けた。)
“She was in discord with her teacher. ”(彼女は先生との間に軋轢があった。)
「軋轢」の対義語
「軋轢」の対義語として、「懇意(こんい)」や「昵懇・入魂(じっこん)」「親密」「誼(よしみ)」などが上げられます。
「懇意」というのは、「相手に心を許して親しく交流していること」を意味しています。
「昵懇・入魂」というのは、「親しい付き合いをしていて、お互いに遠慮や距離感がないこと」を意味しています。
「親密」とは、「親しくて近しい様子」や「親しみの気持ちが深くて仲が良いこと」を意味しています。
「誼」というのは、「親密な付き合い・交流ができるような関係性」や「親しい付き合いができるだけの前提条件・とっかかり」のことです。
「軋轢」の言葉の意味は、「人間関係で不和・不仲になること」や「他者との間に対立・葛藤が生じること」になっています。
そのことから、「軋轢」と反対の意味を持つ対義語として、「懇意・昵懇・入魂・親密・誼」などを指摘できるのです。
「軋轢」を使った言葉と意味を解釈
「軋轢」を使った言葉とその意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「無用な軋轢」【むようなあつれき】
- 「軋轢音」【あつれきおん】
「無用な軋轢」【むようなあつれき】
「無用な軋轢」という言葉は、「本来であれば起こす必要がない人間関係の摩擦・対立・衝突」のことを意味しています。
「無用」という言葉の意味は、「必要性がないこと・不要であること」や「役に立たないこと・使い道がないこと」になります。
そのことから、「無用な軋轢」というのは「不要で無益な他者との対立(何の得にもならないいたずらな人間関係の対立)」や「必要性のない他者との感情・利害の摩擦」のことを意味しているのです。
「軋轢音」【あつれきおん】
「軋轢音(あつれきおん)」というのは、二つの固いものが擦れ合って出す独特な音のことですが、現在では「医学用語」として用いられることが多くなっています。
医学用語としての「軋轢音」は、骨折したり各部に損傷が生じたりした時の独特の雑音、あるいは呼吸の異常音のことを意味しています。
医学用語の「軋轢音」は、骨折した骨同士が擦れ合って出す音のことであり、骨折した部位を押すと「ギシギシ・ボキボキ・グズグズ」といった音を耳と指先から感じ取ることができます。
「軋轢」と「確執」との違い
「軋轢」と「確執(かくしつ)」の意味の違いはどこにあるのでしょうか?「確執」という言葉の意味は、「お互いに自分の意見を強く主張して譲らないこと」や「お互いが自分の考えに執着することで不和・不仲になること」です。
「軋轢」という言葉の方は「意見・価値観の対立」については明確に示されておらず、「関係のきしみ・折り合いの悪さによって、人間関係がぎくしゃくすること」の意味合いが強くなっています。
「軋轢」と「確執」を比較した場合に、「確執」の方が「関係悪化の原因」として「意見・価値観の対立」が明確に示されています。
また、「軋轢」よりも「確執」の方が「意見がぶつかり合って不仲・不和の程度が深刻である」という意味合い(ニュアンス)があるのです。
「軋轢」という言葉について徹底的に解説しましたが、軋轢には「人間関係において仲が悪くなること」や「他者との間に不和・葛藤が生じること」などの意味があります。
軋轢の類語・言い換え・似た言葉としては「不和・不仲」「折り合いが悪い・ギクシャクする」「摩擦・衝突」などがあります。
「軋轢」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。