「有終の美」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「有終の美」の意味や類語を紹介します。
さらに「有終の美」の使い方や、「有終の美」の例文を紹介して行きます。
目次
- 「有終の美」の意味とは?
- 「有終の美」の類語や言い換え・似た言葉
- 「有終の美」の言葉の使い方
- 「有終の美」を使った例文
- 「有終の美」の対義語
「有終の美」の意味とは?
みなさんは「有終の美」という言葉をご存知でしょうか。
スポーツ観戦が趣味という人、実際に部活動などの経験がある人は「有終の美」という言葉を知っているかもしれません。
また実際に「有終の美を飾ろう」などという言葉を使った事があるかもしれません。
もちろん「有終の美」という言葉を知らない人もいるでしょう。
特に若い世代の方は「有終の美」と言う言葉になじみがないかもしれません。
そこで、いつかは迎える事になるかもしれない、「有終の美」という言葉の読み方と意味を紹介します。
- 「有終の美」の読み方
- 「有終の美」の意味
「有終の美」の読み方
「有終の美」は「ゆうしゅうのび」と読みます。
「有終」は「ゆうしゅう」、「美」は「び」と読みます。
それほど難しい漢字が使われているわけではありませんので、読み間違える事は少ないと思います。
しかし、「有終」を「優秀」という漢字で覚えてしまうという間違えは多くなっています。
「有終の美」の「ゆうしゅう」は、「有終」と書く事を覚えておきましょう。
「有終の美」の意味
「有終の美」には、どのような意味があるでしょうか。
「有終の美」には、「物事を終わるまでやり続け、最後には成し遂げる事」という意味があります。
途中で投げ出さず、さらに終わり方も美しい場合に「有終の美」と言われます。
例えば、子供の頃からスポーツを頑張った結果、大きな成果を成し遂げる人がいます。
「すべてを出し切った」と思い、最後の大会として選んだオリンピックで、金メダルを勝ち取ったとしたら、これは「有終の美」以外の何物でもないでしょう。
ここまで華やかでなくても、「有終の美」はあります。
サラリーマン人生をまっとうし、定年の日を健康で迎える事ができれば、それは「有終の美」と言えるはずです。
このように「有終の美」には、最後までやり通し、立派に成し遂げるという意味があります。
「有終の美」の類語や言い換え・似た言葉
次に「有終の美」の類語や、言い換えられるような似た意味の言葉を紹介します。
「有終の美」と言い換えられる言葉を知ると、ボキャブラリーが増えて、コミュニケーション能力が上がるかもしれません。
- 「花道を飾る」【はなみちをかざる】
- 「ハッピーエンド」【はっぴーえんど】
- 「大団円」【だいだんえん】
「花道を飾る」【はなみちをかざる】
「花道を飾る」という言葉があります。
「花道」は歌舞伎劇場の舞台設備のひとつで、観客席を縦に貫いて舞台に至る道の事を言います。
この事から「花道」は、誰もが主役になれる舞台を意味します。
人生の最後も、花道を華やかに彩るような活躍をする人は、「有終の美を飾る」と言って過言ではない人です。
このように「花道を飾る」は、最後まで大活躍をして惜しまれつつ引退する様子をイメージする事ができる言葉です。
「ハッピーエンド」【はっぴーえんど】
誰もが知っているカタカナ語が「ハッピーエンド」です。
幸せな結末という意味で、物語の主人公が幸せになって、映画や小説が終わります。
人生の「ハッピーエンド」は、どのタイミングでしょうか。
それは、それぞれの人が決めればいいことかもしれません。
仕事人生を素晴らしい終わり方で締め括れば「ハッピーエンド」かもしれませんし、死ぬ寸前に「素晴らしい人生だった」と思えれば、それも「ハッピーエンド」と言えるでしょう。
いずれにせよ、他の人の意見ではなく、主観で「ハッピーエンド」だと思える事が大切です。
「大団円」【だいだんえん】
「大団円」は、演劇用語で最後の場面の事をいいます。
今では演劇以外でも、小説や映画、個人の人生においても「大団円」という言葉を使う事があります。
「大団円」はすべてが丸く収まる、めでたい結末という意味があります。
「有終の美」も「大団円」のひとつの形と言えるかもしれません。
「有終の美」の言葉の使い方
「有終の美」という言葉は、どのような場面で、どのように使えばいいでしょうか。
「有終の美」には、最後までやり通し、立派に成し遂げるという意味があります。
何か一つの事を「最後までやり通す」さらには、「立派に成し遂げる」事ができた場合、「有終の美」と呼ぶ事ができます。
身近な所では部活動があるでしょう。
3年間の部活動を最後までやり通し、全国大会に出場するなど、立派な成果を成し遂げられれば、それは「有終の美」と呼べるでしょう。
また「有終の美」と決めるのは、第三者だけでなく、自分自身でもあります。
誰に何を言われても、自分が「やり遂げた」「成し遂げた」と思えれば、それは「有終の美」です。
このように「有終の美」は、自分や誰かが「最後までやり通し、立派に成し遂げた」時に使いましょう。
「有終の美」を使った例文
「有終の美」という言葉を使った、例文を紹介して行きます。
様々な場面における、「有終の美」を使った例文を見て、「有終の美」の使い方のコツを知りましょう。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける「有終の美」を使った、例文を紹介します。
「○○課長は、今日、定年を迎えた。課長の去り際には、誰もが拍手をして涙を流した。会社員のこれほどの『有終の美』を私は知らない」、「すでに60歳近くになり、会社員生活も数えるほどになった。『有終の美』を飾れるように、あとひと踏ん張りしよう」などです。
会社員の「有終の美」は、有名人に比べると地味かもしれませんが、それでも同じ価値があります。
例文2
スポーツの世界における「有終の美」を使った例文を紹介します。
「最後の試合で、世界タイトルを奪取した。チャンピオンのまま引退するという『有終の美』を飾った」、「思えば、彼の最後の登板は、メジャーリーグのワールドシリーズの最終戦だった。『有終の美』とはこういうものだと、彼は世界の野球ファンに教えてくれた」という感じです。
スポーツの世界の「有終の美」は、誰もが感動する美しい景色を見せてくれます。
「有終の美」の対義語
最後に「有終の美」の対義語を紹介します。
「有終の美」と真逆に位置するような言葉には、どのような言葉があるでしょうか。
- 「バッドエンド」
- 「晩節を汚す」
「バッドエンド」
「バッドエンド」は「ハッピーエンド」の反対語です。
後味の悪い終わり方という意味があります。
例えば、プロ野球選手の引退試合は、暗黙の了解で、引退する選手に花を持たせるのが通例です。
例えば引退する投手のボールは、打ち頃に感じても、三振をするのが礼儀となっています。
しかし、たまに空気を読まず、引退する投手のボールをホームランしてしまう人がいます。
場内は凍りつき、打った本人も凍りつき、引退する選手は苦笑いを浮かべる…そんな「バットエンド」です。
もちろん悪気があってした事ではないので、数年後には笑い話になりますが、「ハッピーエンド」にはなりません。
「晩節を汚す」
「晩節を汚す」という言葉があります。
これまで高い評価を得てきた人が、人生の晩年に、それまでの評価をふいにしてしまうような振る舞いをしてしまう事です。
例えば、長年歌手としてトップランナーとして活躍してきた人が、晩年に薬物法違反などで逮捕されてしまう事があります。
また、人柄のよいサラリーマンとして知られていた好人物が、定年間際にセクハラをしてしまうなど、「晩節を汚す」例はあります。
それまでが立派だからこそ、真逆な行動に対して驚き、ガッカリする事になります。
「有終の美」の意味や使い方を見てきました。
まだ若い時期は「有終の美」を意識する事はありませんが、中高年になると、誰もが意識すると思います。
他人にとってではなく、あなたにとっての「有終の美」を飾りましょう。