「心の機微」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「心の機微」という言葉を耳にした事があるでしょうか。
小説などを読むのが好きな人は、「心の機微」という言葉が好きかもしれません。
一方で活字と縁遠い生活を送っている人は、「心の機微」という言葉を読む事もできない可能性があります。
「心の機微」は、日常生活ではそれほど頻繁に使用しない言葉なので、知らないまま過ごしたとしても不思議ではありません。
しかし知っておくとボキャブラリーが豊富になり、人生が豊かになるような素敵な言葉でもあります。
そこで「心の機微」の読み方と意味を紹介して行きます。
目次
- 「心の機微」の意味とは?
- 「心の機微」の類語や言い換え・似た言葉
- 「心の機微」の言葉の使い方
- 「心の機微」を使った例文
- 「心の機微」を知る事ができる人の特徴
「心の機微」の意味とは?
「心の機微」の「機微」には、「容易には察する事ができない、微妙な趣や事情」という意味があります。
そのため、「心の機微」は、「容易に察する事ができない、微妙な心の様子」という意味になります。
大笑いしている人は、「楽しそう」だとすぐに心の様子が分かるような気がしますが、実は悲しい事が起こり、その出来事を忘れるために、無理やり大笑いしているのかもしれません。
怒っている人の心の中は、実は困って泣いているかもしれません。
人の心の中はそうそう他人が理解できるものではありません。
その事を教えてくれる言葉が、「心の機微」になります。
このように「心の機微」という言葉には、「容易に察せられない、微妙な心の様子」という意味があります。
- 「心の機微」の読み方
「心の機微」の読み方
「心の機微」は「こころのきび」と読みます。
「機微」という感じは画数が多く、ぱっと見た感じでは読みにくいかもしれません。
しかし「機械」の「機」と、「微妙」の「微」という、見慣れた感じが二つ並んでいるだけです。
「心の機微」は「こころのきび」と読む事を覚えておきましょう。
「心の機微」の類語や言い換え・似た言葉
次に「心の機微」の類語や、言い換えられるような似た意味の言葉を紹介します。
どのような言葉が「心の機微」と言い換えられるのかを見て行きましょう。
- 「デリケート」【でりけーと】
- 「繊細な心」【せんさいなこころ】
- 「揺れ動く気持ち」【ゆれうごくきもち】
「デリケート」【でりけーと】
「デリケート」は「心の機微」に似ている言葉のひとつです。
「デリケート」には、微妙で繊細という意味があります。
「心の機微」とさらに意味を近づける場合は、「デリケートな心」「デリケートな気持ち」となるかもしれません。
心の状態は単純ではなく、他の人には分からないくらい微妙で繊細だという事を教えてくれるのが、「デリケート」という言葉です。
「繊細な心」【せんさいなこころ】
「繊細な心」は「せんさいなこころ」と読みます。
「繊細な心」には「感情が細やかな様子」という意味があります。
一方で「傷つきやすい」というネガティブな様子も見てとれます。
「繊細な心」の持ち主は、感情が細やかで、人よりも豊富な情報を受け取る事ができますが、一方で傷つきやすいという特徴があります。
一緒にいると「心の機微」を感じやすい人かもしれません。
「揺れ動く気持ち」【ゆれうごくきもち】
「心の機微」に似た意味の言葉に、「揺れ動く気持ち」という言葉があります。
心が安定的でなく、いつでも揺れ動いているという意味がある言葉で、恋愛中の男女の心を表現する時などに使われる事が多くなります。
例えば二人の男性に告白された女性は、一秒ごとにどちらが好きかが変わるような「揺れ動く気持ち」を経験するかもしれません。
「心の機微」の言葉の使い方
「心の機微」はどのような場面で、どのような使い方をすればいいでしょうか。
「心の機微」は、誰かの繊細な心の様子や、うかがい知れない心の様子を感じた時に使うようにしましょう。
例えば、会議中に隣の席の人が、ものすごい形相をしていたとします。
あなたはこの人が何かに怒っていると思い、なぜこの人がこんなに怒っているのか理由を知りたいと思うかもしれません。
しかし会議後に理由を聞いてみると、「前に座っている人の顔が面白くて、笑いそうになるのを必死でこらえていた」という返事がくるかもしれません。
このような場面に遭遇した時に「心の機微」を感じるのではないでしょうか。
他者と触れ合うと、「心の機微」に触れたり感じたりする場面が増えます。
表面上はうかがい知れない、微妙な内面を発見した時に、「心の機微」という言葉を使ってみましょう。
「心の機微」を使った例文
「心の機微」を使った例文を見て行きましょう。
どのような場面で、どのように「心の機微」という言葉を使えばいいのかが見えてくるかもしれません。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける、「心の機微」を使った例文を紹介します。
「A課長は、部下の『心の機微』に気付く事ができる人だ。
そのためA課長のアドバイスは、本当に役に立つものが多い」、「B部長は『心の機微』に無頓着すぎる。
だから平気で人を傷つける事を言えるのだ」、「営業成績を上げるためには、もっと他人の『心の機微』に敏感になる必要がある」などです。
仕事の悩みの半分以上は人間関係と言われていますので、「心の機微」を感じる事ができるのは有利かもしれません。
一方で「心の機微」に敏感すぎても仕事にならないので、その辺の加減が難しいかもしれません。
例文2
恋愛の場面における、「心の機微」を使った例文を紹介します。
「僕の彼女は、笑っている時が困っている時だ。
笑っているからと安心していると、急に泣き出す事がある。
彼女と出会って、『心の機微』の本当の意味を知った」、「いつも彼の顔色をうかがっている気がする。
彼の『心の機微』に敏感になったけれど、自分の『心の機微』には気付けなくなったかもしれない」などです。
恋愛をすると相手の心の中が知りたくなりますので、「心の機微」を感じやすくなります。
「心の機微」を知る事ができる人の特徴
最後に「心の機微」を知る事ができる人に共通する特徴を紹介します。
どのような人が、「心の機微」を知る事ができる人なのでしょうか。
- 「人の話を良く聞く」
- 「声の調子や表情を見ている」
「人の話を良く聞く」
コミュニケーションを取る時に、自分の話ばかりしている人は、相手の「心の機微」を知る事は難しいかもしれません。
一方で、人の話を良く聞く事ができる人は、相手が何を考えているのかが分かりやすい「心の機微」を知る事ができる人です。
聞き上手と呼ばれる人が話をしやすいのは、「心の機微」を知り、適切な合いの手を入れてくれたり、話したい事を最後まで聞いてくれるからでしょう。
もしあなたが、もっと他人の「心の機微」を知りたいと思ったら、今日から聞き役に回る事をおすすめします。
「声の調子や表情を見ている」
話を聞く時に、話の内容を追いかけているのではなく、声の調子や表情に注目している人は、「心の機微」を知る事ができる人です。
人は楽しい話をしていても、顔の表情が曇っていたり、声が沈み込んでいる事があるからです。
この場合、話の内容と、表情や声のどちらが「心の機微」を表現しているかといえば、後者の表情や声の様子になります。
聞き上手で、なおかつ声の調子や表情に注目できる人は、「心の機微」に敏感で、人の心の様子が誰よりも分かる人でしょう。
「心の機微」の意味や使い方を紹介しました。
「心の機微」という言葉を知るだけでなく、人には他人にはうかがい知れないような内面があると知ると、生き方が変わってくるのではないでしょうか。
これまで、他人の心に無頓着だった人は、もっと近くにいる人の心を知るために、「心の機微」に敏感になってみましょう。