「矢面に立つ」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「矢面に立つ」の意味や類語を紹介します。
さらに「矢面に立つ」の使い方や例文を紹介していきます。
目次
- 「矢面に立つ」の意味とは?
- 「矢面に立つ」の類語や言い換え・似た言葉
- 「矢面に立つ」の言葉の使い方
- 「矢面に立つ」を使った例文
- 「矢面に立つ」を使った言葉と解釈
「矢面に立つ」の意味とは?
「矢面に立つ」という言葉を知っているでしょうか。
すでに社会人として活躍されている方の多くは、「矢面に立つ」という言葉を知っているだけでなく、そのような立場に身を置いた事があるかもしれません。
誰でも社会的な責任が大きくなると「矢面に立つ」機会があります。
そのような時を迎えた時に慌てないように、「矢面に立つ」の意味を知っておきましょう。
そこで「矢面に立つ」の読み方と意味を紹介します。
- 「矢面に立つ」の読み方
- 「矢面に立つ」の意味
- 現代の「矢面に立つ」の意味
「矢面に立つ」の読み方
「矢面に立つ」は「やおもてにたつ」と読みます。
「矢面」は「やおもて」と読みますが、「面」を「おもて」と読む事はそうそうないので、読み間違えてしまう人も多い言葉です。
これを機会に「矢面」は「やおもて」と読む事を覚えておきましょう。
「矢面に立つ」の意味
「矢面」には、「矢の飛んでくる正面」という意味があります。
さらに「攻撃してくる正面」という意味もあります。
例えば戦国時代の戦などをイメージすると、弓矢の攻撃にさらされるような位置がイメージできます。
さらには騎馬隊が突っ込んでくる正面に立つ様子をイメージする事もできるでしょう。
今は戦国時代ではなく、日本は戦争をしていませんが、攻撃に身をさらす事はあります。
現代の「矢面に立つ」の意味
例えば会社のクレーム処理係は、「矢面に立つ」仕事そのものと言えるかもしれません。
また会社の部署を代表して、部下の犯したミスを謝る上司も、「矢面に立つ」状況と呼べそうです。
このように「矢面に立つ」は、本来は戦いの最中に、攻撃してくる正面に立つ兵士のような立場の人をイメージする言葉です。
しかし現代では、会社に対するクレームや部署の仕事に対する非難、あるいは家族に対するバッシングを受ける場合などで、攻撃が集中する立場に身を置く事を「矢面に立つ」と言います。
「矢面に立つ」の類語や言い換え・似た言葉
「矢面に立つ」の類語や、言い換えられる似た意味の言葉をいくつか紹介します。
どのような言葉と「矢面に立つ」を言い換える事ができるかを知ると、ボキャブラリーが増えてコミュニケーションが楽しくなるかもしれません。
- 「ターゲットになる」【たーげっとになる】
- 「防波堤になる」【ぼうはていになる】
- 「盾となる」【たてとなる】
- 「身代わりとなる」【みがわりになる】
「ターゲットになる」【たーげっとになる】
「ターゲットになる」という言葉は、「攻撃の目標になる」という意味があります。
あえて自分が「ターゲットになる」事で、大切な人を攻撃させないようにするという狙いがある場合、「矢面に立つ」という言葉の意味と似ています。
もちろん意図していないのに、なぜか「ターゲットになる」事もあります。
「防波堤になる」【ぼうはていになる】
「防波堤になる」という言葉もあります。
「防波堤」は波を避けるための装置で、大雨が降った時の川の激しい流れや、海の大波が陸地に入ってくるのを避ける事ができます。
誰かの「防波堤」になるという時は、人生の荒波を和らげるような存在として、身を投げ出して守るという意味があります。
例えば家長は、妻や娘を守るための「防波堤」のような存在かもしれません。
強い責任感と何より強さがないと、「防波堤」になる事はできないでしょう。
「矢面に立つ」と言い換えられるような、素敵な言葉と言えそうです。
「盾となる」【たてとなる】
「矢面に立つ」という言葉には、悲壮感があります。
「矢面に立つ」事で、たくさんの矢にさらされて、死んでしまう可能性が高いからです。
また死ぬことはなくても無傷で済む事はほとんどないかもしれません。
同様に「盾となる」という言葉も、また悲壮感があります。
強固な盾を持って攻撃を防ぐのではなく、生身の体を盾にしているからです。
現代の「矢面に立つ」は、本物の矢で狙われるわけではありませんが、厳しい攻撃にさらされる事に代わりはありません。
「身代わりとなる」【みがわりになる】
「身代わりとなる」も「矢面に立つ」と同様、自己犠牲を感じさせる言葉です。
例えば大切な誰かが攻撃にさらされようとしている時に、「身代わりとなり」攻撃対象になるというリスクが高い行動です。
例えば映画の銀行強盗のシーンで、若い女性が人質になっているのを見た男性が、犯人に申し出て人質を交換してもらう事があります。
このような行動は、まさに「身代わりとなる」という言葉をイメージするのにぴったりかもしれません。
「矢面に立つ」の言葉の使い方
「矢面に立つ」はどのような場面で使えばいいでしょうか。
「攻撃の正面に立つ」という意味がありますから、誰かから激しい攻撃を受けている状況で「矢面に立つ」という言葉を使うと良いでしょう。
例えば芸能界の不倫騒動で、不倫をしてしまった芸能人が謝罪会見をする事があります。
たくさんの報道陣と芸能リポーターから、攻撃と言っても過言ではないような質問を受ける事になります
まさに「矢面に立つ」という状況と言えるでしょう。
特に不倫相手が謝罪会見を開かずに、一人で責任を負って謝罪している場合は「矢面に立っている」という感が強くなります。
このように攻撃にさらされるのを承知で、いちばん攻撃が厳しい場所に立つような状況を見た時に、「矢面に立つ」という言葉を使ってみましょう。
「矢面に立つ」を使った例文
「矢面に立つ」を使った例文を紹介します。
「私の会社が作った商品に不具合が発見された。課長は『矢面に立ち』謝罪会見を開いて頭を下げた」、「田舎暮らしを始めたら、地元住民ともめてしまった。父は『矢面に立ち』地元の人の批判をすべて聞いた」、「政治家がしでかした不始末を、秘書が『矢面に立ち』火消しをするなんて世も末だ」などです。
自分から「矢面に立つ」リーダーはカッコいい存在ですが、逆に誰かを「矢面に立たせる」人はかっこ悪い存在と言えるでしょう。
「矢面に立つ」を使った言葉と解釈
最後に「矢面に立つ」を使った言葉を紹介し、その解釈をします。
どのような定型句で「矢面に立つ」が使われているかを知ると、「矢面に立つ」という言葉が一気に使いやすくなるでしょう。
- 「矢面に立つ精神」
- 「矢面に立つリーダー」
「矢面に立つ精神」
「矢面に立つ精神」という言い回しがあります。
この言葉は、ビジネスシーンで使われる事が多い言葉です。
例えば「全社員が『矢面に立つ精神』を持ちましょう」などという感じで使われます。
サラリーマンをしている人は、責任を負う立場をできるだけ避けたいと思うかもしれません。
リスクを避けて給料を得て、定年まで勤め上げるのが目的で働いている人もいるからです。
しかし社員全員が「矢面に立つ精神」を持てば、社内の結束が強くなり、全体のパフォーマンスも高くなるでしょう。
「矢面に立つリーダー」
「矢面に立つリーダー」という言葉もあります。
これはリーダーの理想像を表現している言葉かもしれません。
命令だけしておいて、いざ失敗したら誰かに責任を成しつけるようなリーダーではなく、チームがいちばん厳しい時に防波堤となり盾となれる人に人はついていきたいと思うはずです。
このような「矢面に立つリーダー」が職場にいる人は、恵まれた環境で働いていると言えそうです。
「矢面に立つ」という言葉の意味や使い方を見てきました。
攻撃の正面に立つ事は怖いですから、それができる人は立派な人と言えるでしょう。
実際にもし自分が「矢面に立つ」事を想像したら、とても怖いはずです。
せめて「矢面に立つ」人を、立派な人だと賞賛してあげたいものです。