「軽口」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
日本語には、とても心を豊かにさせてくれる情緒的な言葉がたくさんありますね。
時には、悲しくなって落ち込んでいる気持ちを明るくしたり、逆にムカッとさせてしまう言葉もあります。
そんな中で、「軽口」という言葉を聞いたことがある人も結構いるのではないかと思います。
友人との会話や仕事で仲の良い同僚や先輩・後輩との間でも、何気なく交わしている言葉が「軽口」だったりします。
どこか軽いノリを感じさせる言葉ですが、どのような意味があって、どんなシーンて使うことができる言葉なのかを見ていくことにしましょう。
目次
- 「軽口」の意味とは?
- 「軽口」の類語や言い換え・似た言葉
- 「軽口」の言葉の使い方
- 「軽口」を使った例文
- 「軽口」の英語
- 「軽口」の語源や由来
- 「軽口」と冗談の違い
- 「軽口」を使った言葉と意味を解釈
「軽口」の意味とは?
「軽口」とは、「滑稽(こっけい)で面白い話」、「軽妙な話」のことを指しており、いわゆる「口が軽いこと」で、「前後の見境いなく何でもペラペラとしゃべってしまうこと」や「そのような人」ということになります。
「軽口」の意味を知ると、自分の周りにもそんな人が何人かはいるのではないでしょうか?
- 「軽口」の読み方
「軽口」の読み方
「軽口」は「かるくち」と素直に読むことができる言葉なので、「けいこう」などと難しく考える必要がありません。
「軽口」の類語や言い換え・似た言葉
では、「面白い話をする」という意味を持つ「軽口」の類義語を見つけてみたいと思います。
- 「おどける」
- 「しゃれを言う」
- 「ギャグを飛ばす」
「おどける」
「軽口」の類義語としては、「おどける」という言葉がありますが、意味は、「ふざける」や「滑稽(こっけい)」となります。
「私の彼はいつもおどけたセリフばかり言って、本当の気持ちを明かしてくれないの」
こんなふうなことで使われることがありますが、本心を打ち明けてくれない彼にイライラしている彼女かもしれませんね。
「しゃれを言う」
「しゃれを言う」も「笑えるようなことを言う」という意味で、「軽口」に似た意味を持っています。
「しゃれ」は「洒落」と書くのですが、「人を笑わせる気の利いた文句」という意味がありますし、他にも「心や振る舞いなどがさっぱりしていて、あまり深く執着しないさま」というニュアンスも持っています。
そのために、「しゃれを言う」には「軽いノリでさっぱりと笑わせてくれる」という内容になってきます。
「ギャグを飛ばす」
「ギャグを飛ばす」も、「軽口」の同義語として挙げられると思います。
「ギャグ」には「映画や演劇などで観客を笑わせるたりする場当たり的なセリフやしぐさ」のことを言っています。
私達の身近な言葉としては、「ギャグを飛ばす」が一番しっくり来る言葉かもしれません。
「軽口」の言葉の使い方
「軽口」という使い方は、「軽口を言う」や「同僚と軽口を叩いた」などの使い方ができます。
「話をする」、「会話する」という言葉との使い方と異なる点は、軽くて深い思慮に基づいた言葉ではなく、「全く重みのない何気ないライト感覚で笑える会話をしていた」とったいような内容の意味で、「軽口を叩く」と使うことが多い用法でしょう。
学校や会社でも、先生、先輩、上司の人から「軽口を叩くな」と注意された経験を持っている人もいるかと思います。
このような場面では、静かにしなくてはならないシチュエーションなので、軽率な発言」として受け止められているはずなので、「軽口を言う」には注意が必要です。
「軽口」を使った例文
では、「軽口」を使っている例文を見ていくことで、実際のシチュエーションを理解していきましょう。
- 「軽口」の例文1
- 「軽口」の例文2
- 「軽口」の例文3
「軽口」の例文1
「誰でも彼を見ると、話好きで軽口を叩いて周囲を笑いの渦に巻き込む男だと思うことでしょう」
このような人は、周りを見渡してみると、やはり1、2人はいると思いますが、このように彼のことを言っている時は、「面白い人」とい意味になったり、「ふざけている人」と悪い意味に使われる場合もあります。
「軽口」の例文2
「喧嘩で負けた山田くんは、軽口を叩いて去っていった」
この時の軽口は、自分が負けたことを言い訳気味に誤魔化しながら去っていく時の口上でしょうか。
「軽口」の例文3
「軽口を叩ながらも、この店で結構なお金を使ってしまったのだとタカオはふと思ったのです」
可愛い女の子がいるお店で湯水のようにお金を使ってしまったタカオ君は、表面上では軽口を叩いているのですが、内心はかなり動揺しているのではないでしょうか?
「軽口」の英語
「軽口」を英語で訳すと、“banter”、“a suggestive joke”となります。
また、「軽口を叩く」は、“crack a joke”という言葉で表現することができます。
「軽口」の語源や由来
「軽口」の語源は定かではありませんが、おそらく落語から来ている言葉ではないかと思われます。
落語は昔、上方の方で「軽口話(かるくちばなし)」として始まったとされる説があるようで、「洒落」の意味であった「人を笑わせる気の利いた文句」というニュアンスも含めて、「軽口」となっていったのではないでしょうか?
「軽口」と冗談の違い
「冗談」も「軽口」の類義語として扱われることがありますが、「冗談」という言葉には、「ふざけて行う」という意味が色濃く出ている言葉です。
「ふざけた言い方」を「冗談を言う」と例えることがありますが、「冗談を真に受ける」と「人を馬鹿にする」ようなニュアンスもあり、あまり良くないイメージのある言葉です。
一方の「軽口を叩く」という言葉は、「人を馬鹿にしたり、ふざけたりする」ような意味合いがありません。
そのようなことから、ふざけた話をしていた時には、「軽口を叩く」という使い方はしないので注意が必要です。
「軽口」を使った言葉と意味を解釈
では、「軽口」を使った言葉の意味をもう少し掘り下げて見ていきます。
- 「軽口を叩く」
- 「軽口を叩き合う」
- 「軽口を言う」
「軽口を叩く」
「軽口を叩く」という表現は、話をしている2人各々が、洒落た面白みのある話をしている時に使われます。
特に仲の良い友人との軽口は、楽しい会話になりますが、親しくもない相手から軽口を叩かれて困惑してしまう人や迷惑な人ももいます。
そのために、軽口を叩いても問題にならないように使い分けすることが大切ですね。
「軽口を叩き合う」
「軽口を叩く」と同じように「軽口を叩き合う」という言葉もありますが、意味は「叩く」とほとんど同じです。
「細かく理屈や意味を深く考えずに、素直な屈託のない気持ちの話し方で会話を交わすこと」です。
このようなシチュエーションとは、友人と会った時に、何か真剣な話を議論するという感じではなく、とりとめもないおしゃべりをする話し方を指しています。
「軽口を言う」
「自分の身にふりかかった問題が重要なことだっただけに、そんな軽口を言う心のゆとりがなかったのです」
この時のシチュエーションは、とても重たい雰囲気のようですが、「軽口を言う」というような表現もあります。
シンプルに「おどけたことを言う」と理解して問題はありません。
「軽口」という言葉には、使っていいケースと悪いケースがあることが分かることでしょう。
人とコミュニケーションを取ることは、お互いの思いや考えを確認し合うために、必要なことです。
ビジネスの上でのコミュニケーションは、意思疏通を図ったり、議論を重ねることであるべき方向性を見出だすことになるのですが、「軽口」にはそのような重たい内容が含まれていません。
時には、このように「軽口を叩き合う」ことも、人との関係を深める潤滑油になると思うのです。
但し、おしゃべり好きな人は、いつも「軽口を叩く人」というイメージが付きまとうので、話をする相手やシチュエーションで、「軽口」ができるかどうかを見極めることが大切です。