「帰路に着く」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
平日は学校や職場へ、休日は買い物やデート、遊びに出かける、というのが多くの人の行動パターンではないでしょうか。
最近は休日に働く人も増えましたが、出かけることには変わりありませんね。
出かければほとんどかならず、家に帰ってくるもの。
ここでは、「帰路につく」ということばについて紹介します。
目次
- 「帰路につく」の意味とは?
- 「帰路につく」の類語や言い換え・似たことば
- 「帰路につく」の使い方
- 「帰路につく」を使った例文
- 「帰路につく」を分解して解釈
- 「帰路」の誤用
「帰路につく」の意味とは?
「帰路につく」とは、帰り道のことを意味することばです。
「帰路」そのものに帰り道、という意味があり、「つく」には、その状態にあることや、その状態をはじめること、という意味があります。
つまり「帰路につく」とは、帰ることをはじめる、帰っている途中、ということですね。
- 「帰路につく」の読み方
- 「帰路につく」の漢字
「帰路につく」の読み方
「きろ(に)つく」と読みます。
「帰」はほかに、「かえ-る」「かえ-す」「とつ-ぐ」「おく-る」という読みがあります。
「路」はほかに、「じ」「みち」「くるま」という読みがあります。
ここからも「帰路」が、帰り道を意味するということがわかりますね。
漢字にはそれぞれ読みがあり、読みに意味が含まれていることはよくあることです。
意味のわかりにくい漢字を読みから推測する、ということができる場合もあるでしょう。
「帰路につく」の漢字
「帰路に着く」と書かれたものを見たことがあるかと思いますが、これは誤りです。
「帰路に就く」という漢字を使うことが正しいです。
漢字の意味を見比べるとわかりますよ。
「着く」は、移動や動きが終わって、その場所に「つく」ときに使います。
到着や落ち着く、ということばからもわかるでしょう。
「就く」は、動いている途中であったり、今もその状態に「ついている」というときによく使われます。
就職や就寝ということばからも理解できますね。
「帰路につく」は、「帰路に就く」という漢字で覚えておきましょう。
「帰路につく」の類語や言い換え・似たことば
「帰路につく」は、まだ家には到着しておらず、家に着くまでの道にいる状態を意味することばとわかりました。
ではほかにどのような表現があるかも見ておきましょう。
帰り道というありふれたことばもありますが、さまざまなことばで帰り道を表現できると、創作や日常のなかでも使えることがあるでしょう。
- 「帰途につく」【きとにつく】
- 「家路につく」いえじにつく】
- 「道すがら」【みちすがら】
「帰途につく」【きとにつく】
「帰途」にも帰り道の意味があり、「途」という字には、道のりや途中、という意味があります。
帰る道のり、帰る途中とどちらの意味にとっても通じますね。
「すこし遅くなったが、ようやく予備校からの帰途につくことができる」
「家路につく」いえじにつく】
「家路」は、字からもわかるように、家までの道のりを意味します。
「帰路につく」でも、帰る場所はたいてい、家と決まっていますが、「家路」ということばを使うことでよりはっきりと帰る場所が明確になりますね。
「娘は今頃、家路についているころだろう」
「道すがら」【みちすがら】
「道すがら」は、道々、道を行く途中、道を行きながら、というような意味のことばです。
このことばでは、どこかへ帰る、というニュアンスはありません。
往路、復路どちらにでも使えますし、たどり着く先が家である必要もありません。
帰宅する途中の道、という意味で使いたい場合には、「家に帰る道すがら」などと表現するとよいでしょう。
「家に帰る道すがら、偶然に彼と出会い、そのままカフェでお茶をすることになった」
「帰路につく」の使い方
「帰路につく」は、あまり日常会話のなかで使われることはありません。
メールなどでは使うかたもおられるかもしれませんが、「今から帰るね」などと簡潔に済ませることが多いのではないでしょうか。
あるいは日記やブログをつけている場合には、使うこともあるかもしれませんね。
また、文章表現や創作のなかでは気取らず使われるかたもおられると思います。
「帰路につく」を使った例文
ではつぎに、「帰路につく」は実際にはどのように使うとよいか、例文を見ていきます。
どのように「帰路につく」のかが書かれているときには、主となる人物がどういう状況におかれているのか推し量ることができるでしょう。
急いで帰るのか、道草しながら帰るのか、心理状態まで汲み取れる場合もありますよ。
- 「帰路につく」の例文1
- 「帰路につく」の例文2
- 「帰路につく」の例文3
「帰路につく」の例文1
「予報通り雨が降ってきたが、雨具を会社に置き忘れてしまった。朝は忘れず傘を持っていたのに、慌てて帰路につく羽目になるとは」
小走りで家に帰る人のすがたが目に見えるようですね。
早く家に着きたい一心ですが、あまりひどい雨ならば、一旦、帰宅するのを諦めて、どこか雨宿りをする場合もありそうです。
「帰路につく」の例文2
「夕方、彼が来るのだと思うと、帰路につく足取りも軽い。有名な洋菓子店のケーキ箱を持つ手をつい振り回しそうになるほどだ」
愛する人と会える喜びのなかにあるときの帰路ほど、幸せなものもありません。
いつもは窮屈な満員電車もへっちゃら、ということもあるでしょう。
同じ帰路でも、雨に降られながら鬱々と帰る帰路と、そのあとに楽しみが待っている帰路とでは、まったく印象が違いますね。
「帰路につく」の例文3
「このあたりは空も広く、天気のいい日には星もよく見える。今日のような日に下を向いて帰るのはもったいないから、のんびり星空を見ながら帰路につくことにしよう」
星を見ながらゆったりと夜の時間を慈しむイメージがわいてきますね。
美しい星空を見ながらの帰路は、一日の疲れを癒やし、明日からの活力となりそうです。
「帰路につく」を分解して解釈
二語以上のことばの組み合わせでできていることばは、一度分解してみると新たな発見があったり、理解が深まることがあります。
わからないことば、難解なことばに行き当たったときにも使える方法ですので、ぜひここで習得しておきましょう。
- 「帰路」
- 「つく」
「帰路」
「帰路」は帰り道を意味することばでしたね。
「帰路につく」のほか、「帰路を急ぐ」「帰路を探す」「帰路を求める」など、さまざまな使い方のできることばです。
文学作品のなかなどでも容易に使われることばですので、「帰路につく」と「帰路」とを関連づけて覚えておくと便利でしょう。
「つく」
ここではとくに「就く」の漢字の意味で使われる「つく」についてです。
「職に就く」ことを就職といい、「床に就く」ことを就寝といいますね。
ほかに、ものごとに着手するときや、はじまったものごとが軌道に乗ってきたときのことを、「緒に就く」といったりします。
「活動は緒に就いたばかりだが、メンバーの士気も高く、いい結果につながるだろう」
「帰路」の誤用
「帰路を戻る」「帰路を帰る」などの使い方をしてしまいがちなのですが、これらは誤用になります。
帰り道を、もう一度さかのぼる、という意味であれば、「帰路を戻る」は間違いとはいえませんが、「帰路につく」と同じ意味で使いたいのであれば誤用です。
また、「帰路を帰る」は、頭痛が痛い、と同じく重言といい、同じ意味のことばを重ねて使っています。
どうしても、その意味を理解してほしい、というときに使われる場合もありますが、基本的には誤用となります。
「帰路につく」は、帰り道のことを意味することばでした。
ほとんど毎日する行為でありながら、あまり意識を向けることのない部分でもあります。
いい気分で「帰路につく」ためにも、気分のあがる音楽を聞いたり、好きな本を読んだりすると、「帰路につく」時間も楽しくなりそうですね。