「一丸となって」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「一丸となって頑張りましょう」など、「一丸となって」という言葉はよく耳にするフレーズです。
さて、この「一丸」とは一体何のことなのでしょう。
どのような状態を表すのか、詳しくみていきましょう。
目次
- 「一丸となって」の意味とは?
- 「一丸となって」の類語や言い換え
- 「一丸となって」の使い方
- 「一丸となって」の例文
- 「一丸となって」の「一丸」を解釈
- 「一丸」と「一体」の違い
- 「チーム一丸」になる為に必要なもの
「一丸となって」の意味とは?
「一丸となって」の意味とは、一つのまとまりになること、複数人が結集して力を合わせることを意味しています。
「一丸となって」という言葉を使う際、その分の前に一致団結が求められる団体が表現される場合があります。
例えば、「チーム一丸となって」「選手一丸となって」という表現がそれです。
この場合、「チーム」が一致団結することを求めている文章なので、「一丸となって」の前に「チーム」という言葉が置かれています。
「選手一丸となって」も同様です。
「一丸となって」の前に「選手」とあるので、「選手」が一致団結することを求めている表現となります。
また「一丸となって」とは、あくまで同じ境遇になることを意味する言葉です。
そこには身分の違いもなければ、立場の違いもありません。
どのような人であれ、同じ気持ちを共有し、同じ行動を起こすことを意味しています。
例文で例えるならば、「貧乏人も金持ちもみんな一丸となって敵を追っ払った」などと表現できます。
- 「一丸となって」の読み方
「一丸となって」の読み方
「一丸となって」は「いちがんとなって」と読みます。
「一丸」は「いちまる」と訓読みをしてしまいそうになりますが、正しくは「いちがん」です。
「一丸」の「丸」は、「まる」ではなく「がん」と読みますが、読み方は違っても意味は同じで丸いという意味になります。
「一丸となって」の類語や言い換え
「一丸となって」の類語や言い換えをみていきましょう。
- 「一致団結」【いっちだんけつ】
「一致団結」【いっちだんけつ】
一致団結とは、所属に属する人たちが、一つの目標や目的に向かって協力し合って物事を進めていくことを表す言葉です。
「一致」がぴったりと合うこと、「団結」がまとまることを意味しており、多くの人が力を合わせて同じ目的に向かっている様子が伺えます。
「一丸となって」と比較すると、同じ目的に向かっているところが類似しており、意味も全く同じなように感じますが、若干、意味に違いがあります。
「一致団結」とは、多くの人々がぴったりと一致して、協力し合いながら同じ目的に向かうことを意味しています。
対して、「一丸となって」の方は、必ずしもお互いが協力し合うことまでは求めていません。
要は同じ行動をとっていれば、それを「一丸となって」と表現することが可能となります。
「一致団結」の場合はそうはいきません。
みんなが心を一つにして、協力し合い、助け合いながら目的を達成することを表しています。
「一丸となって」の使い方
「一丸となって」とは以下のときの条件があるときに使う言葉です。
- 感情を持つ生物
- 心が一つになっていること
- 表現している対象は複数
- 同じ目的で行動していること
まず、「一丸となって」とは、心が一つにまとまる言葉となっています。
同じ思いや目的をもって同じ気持ちで行動することを表しています。
また、「一丸となって」というフレーズを使うと、熱い友情などの強い感情で結びついた仲間であることを想像しがちですが、確かにそうである場合もありますが、必ずしもそうではありません。
例えば、そこまで熱い感情はなくても、同じ気持ちを共有しているのなら、「一丸となって」というフレーズを使うことができます。
例えば、「優勝したくて、みんな一丸となって力を合わせた」という表現は、熱い感情で一致団結している様子が表現されていますが、それに対し、「あの選手のサインが欲しくて、みんな一丸となって追いかけた」という表現の場合では、単に同じ気持ちを共有しているということを表しているだけです。
それぞれの思いが同じ方向に向いているのであれば、「一丸となって」というフレーズを使うことができます。
「一丸となって」の例文
「一丸となって」の例文を紹介します。
- 「一丸となって」の例文1
- 「一丸となって」の例文2
「一丸となって」の例文1
「社員たちは社長の方針に一丸となって抗議した」
社員たちは、社長の方針にみんな不満を持っているようです。
そして、一致団結して抗議している様子を表しています。
「一丸となって」の例文2
「このままでは過疎化が進むと、村人たちは一丸となって村おこしに力を注いだ」
過疎化が進む村をなんとかしようと、村人たちがみな立ち上がり、村おこしに全力を注いでいる様子を表しています。
「一丸となって」の「一丸」を解釈
「一丸」とは、一つのかたまりのことを指す言葉です。
複数のものが一つのかたまりとなって一致団結する様子を表しています。
この「一丸」とは、心が一つのかたまりとなり、まとまることを意味する言葉です。
そのため、みんなで協力し合う心や同じ思いで目標を達成しようとする心などを表す言葉となっています。
ちなみに「一丸」という言葉には「丸」という、丸い形のものを表す漢字が入っています。
しかし、他にも丸い形を表現するときは「丸」ではなく、「円」という漢字を使うときもあります。
この「丸」と「円」の違いは、「丸」が球体を表すものであるのに対し、「円」とは平面的な円を表す際に使います。
そのため、「一丸」の意味は、あらゆる方向から気持ちが密集し、一つになる様子を表しているといえるでしょう。
様々な人の思いが、様々なところから集まって一致する様子を表しているといえるでしょう。
「一丸」と「一体」の違い
「一丸」と似ている言葉に「一体」という言葉があります。
「一丸」も「一体」も複数あったものが一つになるという意味ですが、これらの言葉に違いはあるのでしょうか。
結論からいうと、「一丸」と「一体」には意味に明確な違いがあります。
まず、「一丸」とは多くのものを一つにまとめたものに対し使う言葉となっています。
個々に存在しているものを、一つの場所に集めた状態を表しています。
それに対し、「一体」というのは、複数のものが一つのものになることを表しています。
個々にあったものが一つのものとして存在することを「一体」といいます。
このため、「一丸」と「一体」は、複数あったものが寄り集まるところまでは一緒ですが、「一丸」の場合は個々のものが個々のまま存在するのに対し、「一体」の場合は個々のものが一つのものに変化するところに違いがあります。
「チーム一丸」になる為に必要なもの
「チーム一丸」になるということは、チームメイト同士、まとまることを意味しています。
さて、「チーム一丸」という言葉が表すように、チームがまとまるにはどうすればよいのでしょうか。
チーム一丸となるために必要なことは、ずばり明確な目的を持つことです。
目的を明確にすることで、みんなの意識を一つの方向に向けることができ、一丸となって突き進むことができます。
目的を明確にすることは、具体的に明確にした方がよいでしょう。
例えば、職場で新しい顧客をたくさん得ることが目的として掲げられたとします。
しかし、「新しい顧客をたくさん得ること」という目的では、まだまだ曖昧な目標設定だといえます。
「新しい顧客をたくさん得ること」は人によって月に2〜3人程度だと考える人もいれば、月に4〜5人程度だと考える人もいますし、もしくは他社よりも多く顧客を得ることがたくさん得るということだと理解している人もいるでしょう。
人によって「たくさん」という度合いは違うので、そこもはっきりとさせておく必要があります。
つまり、先ほどの目標設定ならば、「新しい顧客を月に3人程度得ること」というように数値化するなどして具体的にした目標の方が、チームをまとめやすくなります。
「一丸となって」という言葉は、個性を重んじる現代ではあまり重要視されなくなってきましたが、しかし、それでもチームワークが必要となる場面ではよく使われているフレーズです。
せっかく言葉の意味を理解したのなら、ぜひ日常でも使ってみてください。