「忸怩たる」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「忸怩たる」の意味や読み方を紹介します。
さらに「忸怩たる」の類語や使い方を紹介して行きます。
目次
- 「忸怩たる」の意味とは?
- 「忸怩たる」の類語や言い換え
- 「忸怩たる」の使い方
- 「忸怩たる」を使った例文
- 「忸怩たる」の対義語
「忸怩たる」の意味とは?
「忸怩たる」という言葉を耳にした事があるでしょうか。
会社員生活を送っている人は、「忸怩たる」を身近に感じているかもしれません。
あるいは見たことが無いという人もいるでしょう。
そこで「忸怩たる」の読み方や意味を紹介します。
- 「忸怩たる」の読み方
- 「忸怩たる」の意味
「忸怩たる」の読み方
「忸怩たる」は「じくじたる」と読みます。
「忸怩」はとても難しい漢字が使われていますし、「忸怩」以外では見かけない言葉ですので、これを機会に読み方を覚えておきましょう。
「忸怩」の「忸」は「じく」と読みますが、「はじる」と読む事もできます。
「恥ずかしい」という意味を持っています。
「忸怩」の「怩」は「じ」と読みますが、こちらも「はじる」と読む事ができます。
同じく「恥ずかしい」という意味です。
「忸怩」は、「恥ずかしい」を意味する言葉が、二つ重なってできています。
「忸怩たる」の意味
「忸怩たる」は、「恥ずかしい」を意味する「忸」と「怩」が重なってできている言葉です。
そのため意味は「自分の言動が恥ずかしい、激しく恥ずかしがっている様子」などを意味します。
良くありがちな間違いで、「忸怩たる」を、「悔しい」「憤りを感じる」という意味で使う事があります。
政治家の答弁などを見ていると、「忸怩たる思いです」という言葉を、仏頂面で怒りを噛み殺しながら使っているからです。
しかし、「忸怩たる」には怒るような要素は含まれておらず、「恥ずかしい」という要素だけでできている言葉です。
「忸怩たる」の類語や言い換え
次に「忸怩たる」の類語や、似た意味の言葉への言い換えを見て行きましょう。
「恥ずかしい」と感じる様子を表現している言葉がそろっています。
- 「気恥ずかしい」【きはずかしい】
- 「ばつが悪い」【ばつがわるい】
- 「汗顔」【かんがん】
「気恥ずかしい」【きはずかしい】
きまりが悪く、恥ずかしく感じる様子を表現している言葉です。
「忸怩たる」ほど深刻な状況ではなく、「何となく恥ずかしい」という時に使います。
例えば、隣の席に、綺麗な女性が座ったので、何だか「気恥ずかしい」という感じに使います。
恥ずかしいと感じる時に使う、「忸怩たる」の仲間のような言葉です。
「ばつが悪い」【ばつがわるい】
「ばつが悪い」という言葉も、恥ずかしい系の言葉のひとつです。
「ばつ」は、「場都合(ばつごう)」の略とも言われているので、「ばつが悪い」は、「その場にいるのが恥ずかしい」という意味になります。
例えば、飲食店に入ろうとしたら、お店の中に先日フラれたばかりの元カノがいる場合、「ばつが悪い」シチュエーションだと言えるでしょう。
このように場所の都合が悪くて、恥ずかしさを感じる時に「ばつが悪い」という言葉を使ってみましょう。
「汗顔」【かんがん】
「汗顔」は、顔から汗をかくほど恥ずかしいという意味の言葉です。
「汗顔の至り」という言葉で使う事が多いです。
社会の窓を開けたまま、プレゼンに参加をしてしまったら「汗顔の至り」かもしれません。
また、取引先の約束の時間を1時間間違えて、大遅刻をしてしまったら、「このようなご迷惑をおかけしてしまい、『汗顔の至り』です」と土下座に近い雰囲気で謝る必要があるかもしれません。
「忸怩たる」と近いシチュエーションで感じる「恥ずかしさ」を意味する言葉ですので、「忸怩たる」と「汗顔」は、セットで覚えておくと良いでしょう。
「忸怩たる」の使い方
「忸怩たる」は「心に恥じる様子」を表した言葉です。
それでは、恥ずかしいと感じるシチュエーションなら、どこで使ってもいいのかと思うかもしれません。
しかし「忸怩たる」で感じる恥は、強いものです。
例えば、「電車に乗っていたら、目の前に片想い中の彼が立った。『忸怩たる』思いだ」とは、使いません。
このようなハッピーな恥じらいのような感情と、「忸怩たる」は似合わないからです。
「もっと深く恥じ入る」様子、恥ずかしさで変な汗をかいてしまう…そのような場面で「忸怩たる」を使うようにしましょう。
大の大人が、「恥ずかしくて穴があったら入りたい」と真顔で言うような、そんな深刻な恥ずかしさを感じる場面で「忸怩たる」を使いましょう。
「忸怩たる」を使った例文
「忸怩たる」を使った例文を見て、どのようなシチュエーションで使うのが良いかを見て行きましょう。
深刻な恥ずかしさを感じる場面とは、どのようなシーンでしょうか。
- ビジネス面で「忸怩たる」を使った例文1
- 日常生活で「忸怩たる」を使った例文2
ビジネス面で「忸怩たる」を使った例文1
社会人生活を送っていると、「忸怩たる」と表現したくなるような恥ずかしいシチュエーションが訪れるかもしれません。
例えば、自分の部下がお金を遣いこんで逃げてしまった時はどうでしょうか。
上司に事態を説明する時、変な汗をかくような恥ずかしさを感じるかもしれません。
「部下の今回の不祥事は、私の監督不行き届きが原因のひとつです。内心『忸怩たる』ものがあります」となります。
またラーメン店のスタッフが、麺を発注する時に、一桁多く発注した事が発覚した時も嫌な汗をかくような恥ずかしさがあるでしょう。
「私の大きなミスで、損失を出してしまった事に『忸怩たる』思いです」という感じで、謝らなければならないかもしれません。
日常生活で「忸怩たる」を使った例文2
日常生活では、「忸怩たる」という言葉を使う事はありません。
しかし、嫌な汗をかくような恥ずかしさを感じる事は良くあると思います。
例えば結婚している男性が、エッチな動画を観ている事を奥さんにばれてしまった時は、「忸怩たる」思いがあるでしょう。
あえて深刻な雰囲気で「今回の動画の件に対して、私は『忸怩たる』思いを持ちました…」などと言えば、奥さんは笑って許してくれるかもしれません。
スマホゲームでかなりの額の課金をしてしまった人も、「忸怩たる」という言葉を使って、「大人なのに、スマホゲームで課金をするなんて、内心『忸怩たる』ものがあります」なおと謝ってみましょう。
「忸怩たる」の対義語
「忸怩たる」の反対の意味を持つ言葉を紹介します。
「恥ずかしい」という意味を持つ「忸怩たる」の対義語にはどのような言葉があるでしょうか。
- 「誇らしい」【ほこらしい】
- 「鼻が高い」【はながたかい】
「誇らしい」【ほこらしい】
何かハッピーな事があって、周囲の人に自慢したくなるような気持ちを「誇らしい」といいます。
例えば、「仕事がうまく行って「誇らしい」気持ちになる」とか、「子供が運動会で大活躍して『誇らしい』」などと使います。
「忸怩たる」が表現する、変な汗をかくような恥ずかしさとは、真逆の感情を表現しています。
日常生活では、できるだけ「忸怩たる」と思う機会を減らし、「誇らしい」と思えるような機会を増やしましょう。
「鼻が高い」【はながたかい】
得意げな様子を表す言葉として「鼻が高い」があります。
「誇らしい」と同様の意味を持つ言葉で、「誇らしい」よりも、少し調子に乗っている様子が見てとれます。
「社内コンペで優勝して『鼻が高い』」とか、「美しい彼女がいて、『鼻が高い』」などという使い方をします。
こちらも「忸怩たる」とは真逆の位置にある言葉でしょう。
「忸怩たる」は、日常生活で使う事は少ないのですが、ビジネスシーンでは使う事があるかもしれません。
また「忸怩たる」を使うようなシチュエーションは、日常生活でも頻繁に起こります。
ぜひ「忸怩たる」を使った文章を作って、恥ずかしい思いを記録してみましょう。
またビジネスシーンで、「忸怩たる」を使わなければならない場面は、なるべく作らないようにしましょう。