「寂寥感」の意味とは?類語、使い方や例文、対義語を紹介!
人は感情で生きる動物と言われています。
普通に生活している中でも、仕事をしている時でも、常に頭を働かせて物事を考えている習性があるものの、やはり感情が必ずつきまとうものです。
喜んだり、悲しんだり、怒ったり、と場面場面で様々な感情が生まれてくるものです。
そのような感情と表す言葉の中に「寂寥感」という言葉があります。
目次
- 「寂寥感」の意味とは?
- 「寂寥感」の類語や言い換え
- 「寂寥感」の使い方
- 「寂寥感」を使った例文
- 「寂寥感」を使った言葉
- 「寂寥感」の対義語
「寂寥感」の意味とは?
「寂寥感」という言葉を見ると使われいる漢字だけでも、何かもの寂しい感じがしないでしょうか?
「寂」は、まさに「さびしい」という意味ですし、「寥」という文字にはいくつかの意味が含まれていますが、「寂しい」はもとより、「虚しい」や「静寂さ」、「奥深くてゆったりとした広がり」のような意味合いも含まれています。
「感」は、「そのような雰囲気」や「感じ」を表しています。
このように「寂」、「寥」、「感」の文字を組み合わせて、「寂寥感」という言葉からは、「とても寂しく虚しい感じ」や「そのような心境・雰囲気・空気」といった意味になります。
「寂しい」という意味が込められた「寂」、「寥」の2つの文字が使わているので、「寂しい」という雰囲気がさらに強調されていることになります。
「とても虚しくなったり、1人になる寂しさ」を表現する時に使うことができる言葉でしょう。
特に「寥」の文字には、1つ意味だけではなく、複数の意味があることから、「寂寥感」という言葉が成立したことで、この言葉の奥深い意味合いが色濃く出てきている感じがします。
「物悲しく、わびしく、どこか虚しいような」様がこの言葉に集約されていると言っても過言ではありません。
- 「寂寥感」の漢字や読み方
「寂寥感」の漢字や読み方
「寂寥感」の読み方ですが、「せきりょうかん」となります。
「寂寥感」の類語や言い換え
「寂しさの極致」との言える「寂寥感」を他の言葉で言い換えるのであれば、次のような類語になるでしょう。
- 「孤独感」
- 「もの悲しい」
- 「憂い」
「孤独感」
「孤独感」も「寂寥感」の同義語として、最初に挙げたい言葉です。
人は、元来、「群れ」をなす生き者です。
この習性から「寂しさ」を感じる本能が備わっていると言われています。
「誰からも気にしてもらえないこと」
「いてもいなくても同じというような存在」
「地元に自分と深く結び付く環境がない」
「自分を深く理解してくれる人がいない」
「存在を大事にしてもらえない」
このようなことで「寂しさ」を感じるのですが、これこそ、「孤独感」そのもです。
「もの悲しい」
「何となく悲しい気持ちになること」
これが、「もの悲しい」という意味になります。
秋が深まる時期になると、このような気持ちになる人が増えてきます。
「もの悲しいい秋の夕暮れ」などで使われることがありますが、理由もなく寂しくなる感じです。
「憂い」
「憂い」も「寂寥感」と似たような意味合いがあります。
「思うようにならなくて、つらいこと」や「せつない気持ち」という意味です。
「憂い」には、「心配する」という意味もあります。
「憂い」も、時々、会話の中で使う人がいますので、このフレーズを耳にしただけで、何処か寂しい感情を抱くことがあります。
「寂寥感」の使い方
「寂寥感」は、発音からすると、聞く人によっては、硬い印象を持つ言葉かもしれません。
そのために、口語体で使う言葉と言うより、文学作品などの文章で使われることが、似合っている言葉のような感じがします。
「寂しさが漂う」という表現を「寂寥感が漂う」に置き換えてみると、何か単純な文章が一気に格調高い文学的な要素が強くなっていくような印象を与えていきます。
とはいうものの、「寂寥感」を構成する漢字は、その文字を見ただけで、意味合いが何となく理解できることから、日常会話の中で使ったしても、難解な会話になることは、少ないかもしれません。
もしかすると、「寂寥感」という言葉を使うことで、「インテリジェンスが高い会話ができる人」というイメージアップができるかもです。
「寂寥感」を使った例文
では、どのような場合で使うか例文を見ていきましょう。
- 「寂寥感」の例文1
- 「寂寥感」の例文2
- 「寂寥感」の例文3
「寂寥感」の例文1
「事故で家族を失って、あわただしい中で、葬儀を終えて、1人きりになって初めて、激しい寂寥感に襲われた」
突然のバタバタとした環境が落ち着き、それまで感じていなかった寂しさが一気に襲ってきたのです。
「寂寥感」の例文2
「初めからラストまで、ストーリー全体に独特の寂寥感が漂っていた意味の深い映画だった」
映画でも、とても寂しい雰囲気を醸し出しているストーリーのものがあります。
しかし、単純に暗い物語ではなく、その中にも、情緒溢れる映画ということもあります。
「寂寥感」の例文3
「都会にはたくさんの人々がいるのに、その中に本当に心から信頼できる、親しいといえる人が、時分には全くいないと思うと、深い寂寥感に苛まれた」
これも、自分に孤独感が襲い掛かってくる様が理解できる感じです。
「寂寥感」を使った言葉
「寂寥感」?を使う言葉は例文で見てきましたが、どのような解釈となるでしょうか。
- 「寂寥感に襲われる」
- 「寂寥感が漂う」
- 「寂寥感に苛まれる」
「寂寥感に襲われる」
「襲われる」という言葉には、「寂しさが急にやって来る」という場合に使うのが、最も適している表現方法だと思われます。
「孤独感に襲われる」という表現方法もありますが、これと同じ用法です。
「寂寥感が漂う」
「漂う」という言葉が加わる場合は、「ある場所や、場面、その場の空気全体が寂しい感じになっている」という意味合いになってきます。
「寂寥感に苛まれる」
「寂寥感」の意味は、「物悲しく、どこか虚しくて、しんと静まり返ったような感じ」という意味です。
この「寂寥感」に「苛まれる」という言葉が合わさることで、「寂しい思いに苦しめられる」という意味になってきます。
「苛まれる」という言葉は、「苛む」の「苛ま」に、受身の助動詞「れる」が付いたの受身形です。
「苛む」には、「苦しめ悩ます」、「しかる」、「せめる」、「むごくあたる」という意味合いがありますが、「寂寥感に苛まれる」という言葉になるkとで、「寂しい思いに苦しめられる」が成り立つわけです。
頼れる人間が周囲にいなくて、「心寂しい気持ちでいっぱいになり苦しんでいる」ということになるでしょう。
「苛まれる」の場合は、寂しい気持ちもさることながら、も寂しくて「辛い」という感情が強調されている印象を受けます。
「寂寥感」の対義語
「寂寥感(せきりょうかん)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
「寂しい」の反対では、単純に「寂しくない」となりますが、そのような状況を表す言葉は意外と難しいものです。
「孤独」に置き換えてみても、その反対語は「孤独じゃない」となるのでしょうが、「充実感」、「連帯感」、「安心感」が対義語として挙げられると思われます。
心の充足感や、他人とのつながりを持つ「連帯感」等が、「寂寥感」と反対となるでしょう。
人は、本当に1人で生きていくことはできないのでしょうか?
世の中には、孤独な環境で1人で頑張っている人も少なくありません。
しかし、それでも、決して社会とのつながりを拒絶して生活をしているわけではありません。
大なり小なり社会とのつながりはあるものです。
普通にビジネスの世界でも、組織でチームで活動することが、成功の秘訣でもあります。
1人で悩まずに仲間と目的意識を共有しながら、進んでいくことが重要です。
時には、「寂寥感」に襲われることもあるでしょう。
それでも、常に人とのかかわりを考えて生活していくことです。