「散見」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
何かが見え隠れする「散見」という言葉の意味や類語を紹介します。
さらに「散見」を使った例文などを紹介して行きます。
目次
- 「散見」の意味とは?
- 「散見」の類語や言い換え
- 「散見」を使った例文
- 「散見」の対義語や似た対義語
「散見」の意味とは?
「散見」という言葉を目にした事があるでしょうか。
日常的にそれほど目にしない言葉かもしれません。
ただしビジネスシーンやニュースの中で、良く目にする言葉でもあります。
そこで「散見」の読み方や言葉の意味を知っておきましょう。
- 「散見」の読み方
- 「散見」の意味
「散見」の読み方
「散見」は「さんけん」と読みます。
「散見」の「散」は、「散らばる」という意味の言葉です。
また「散見」の「見」は「見る」という意味の言葉です。
そのため「散見」は「ちらちらと見かける」という意味の言葉で、「あちらこちらで見かける」という意味が含まれています。
「散見」の意味
「散見」には「あちらこちらで見かける」という意味があり、そこから広がって「少しずつある事」も意味します。
様々な場所に、ちょっとずつ見る事ができる物事の事を「散見」と言います。
「散見」は「散見する」と「する」を付けて使う事がほとんどです。
例えば、「まだ五分咲きの桜並木の中に、満開の桜を「散見」する事ができる」などと使います。
五分咲きの桜並木の中に、ちらほらと、満開に咲いた桜の花を見る事ができるという意味になります。
思い切りその場にあって、ずっと見ていられるものではなく、注意をしないと見る事ができないような対象が、そこら中に散らばっている様子が「散見」となります。
「散見」の類語や言い換え
次に「散見」という言葉の類語や、言い換えられる似た意味の言葉を見て行きましょう。
同じ意味を持つ、似た意味の言葉と「散見」を比較する事で、「散見」という言葉が立体的に浮かび上がってくるでしょう。
- 「見え隠れ」【みえかくれ】
- 「隠顕」【いんけん】
- 「出没」【しゅつぼつ】
- 「神出鬼没」【しんしゅつきぼつ】
「見え隠れ」【みえかくれ】
「見え隠れ」という言葉は、「散見」という言葉とよく似ている言葉です。
「見え隠れ」には「見えたり隠れたりする事」という意味があります。
不思議な例でいえば、UFOのような飛行物体は、ハッキリとは見えずに、見えたり隠れたりするでしょう。
また、美しい水辺に光をともす「蛍」の光も、ハッキリと見えずに「見え隠れ」するものではないでしょうか。
「散見」という言葉で登場する何かも、「見え隠れ」します。
何かがハッキリと長時間見られず、短時間しか見られない様子を「見え隠れ」という言葉で表現する事ができます。
「隠顕」【いんけん】
難しい言葉ですが「隠顕」という言葉も、「散見」と似た意味を持っています。
例えば、「森の中に赤い木の実が『隠顕』する」などという文章で、緑色に包まれている森の中に、真っ赤な木の実が「見え隠れしている」様子を表現する事ができます。
また見た目だけに使う言葉ではなく、内面的な部分が見え隠れする時も「隠顕」を使う事ができます。
「彼女は真面目そうに見えるけど、だらしのない部分が『隠顕』する」とか、「一見、気が良さそうに見えるけど、彼女の言動には強気な性格が『隠顕』する」という感じです。
「出没」【しゅつぼつ】
「出没」という言葉も「散見」という言葉の仲間といえます。
「出没」とは姿を現したり、隠れたりする事を言います。
例えば「クマが出没する」という時は、ずっとクマがいるのではなく、突然現れて、その後姿を消すような場面が繰り返される事を言います。
また自然動物は基本的に姿を現したり、姿を隠したりするものですので、「このあたりは鶴が出没するよ」といえば、鶴が越冬している場所なのだなと相手に伝わります。
また人間が、定期的にある場所を訪れる時も、「出没する」という言葉を使います。
例えば行きつけの飲み屋さんがある時は、「私はあの居酒屋に「出没」します」などと言って、お酒好きな仲間から笑いを取る事ができます。
「神出鬼没」【しんしゅつきぼつ】
「出没」に似た意味の言葉に「神出鬼没」という言葉があります。
読み方が難しい言葉ですので注意しましょう。
「神」と「鬼」という言葉を使っているのが特徴で、「神出鬼没」な人を、神や鬼のように例えています。
「あの人は「神出鬼没」だからな」といえば、神や鬼のように、いつ登場して、いついなくなるか分からないという意味になります。
社会人になるとなかなか「神出鬼没」というわけにはいきませんが、大学の同級生には「神出鬼没」な人が多いかもしれません。
「散見」を使った例文
次に「散見」を使った例文を見て行きましょう。
そこで3つのシーンでの「散見」を使った文章を紹介します。
- ビジネスシーンの「散見」を使った例文
- 恋愛シーンの「散見」を使った例文
- 日常シーンの「散見」を使った例文
ビジネスシーンの「散見」を使った例文
ビジネスシーンでは、「散見」という言葉をふつうに使います。
例えば社会人になると、提出する書類にミスは許されません。
もしミスがみつかると上司や管理部の人に「細かいミスが『散見する』から、以後、注意するように」などと嫌味を言われます。
書類上のミスや、言葉のミスなどは、たいていの場合、あちらこちらに散らばって見えますので、「散見」という言葉を良く使います。
恋愛シーンの「散見」を使った例文
恋愛シーンでも「散見」という言葉を使った表現をします。
例えば結婚を真剣に考えている男女は、「散見」という言葉を使いやすい状況です。
「彼氏の言動を注意深く見た結果、結婚生活に向かないと思われる特徴が『散見する』事が分かった」などとなります。
性格上の特徴も「散見」しやすいので、「散見する」という言葉がぴったりです。
日常シーンの「散見」を使った例文
日常生活で、不思議な生き物をみつけてしまった時は、「散見」という言葉がぴったりかもしれません。
例えば「緑色の小さな人間を、街の至る所で『散見する』」とか、「オレンジ色に光る飛行物体を、西の空で『散見する』」という感じです。
ちらほらと、時間差を置いて見える不思議な生き物や物体は「散見」という言葉と相性が良さそうです。
「散見」の対義語や似た対義語
「散見」という言葉の反対の意味を持つ言葉を紹介します。
「何かがところどころに、見えたり隠れたりする」という「散見」とは180度違うような意味の言葉がそろっています。
- 「丸見え」【まるみえ】
- 「むき出し」【むきだし】
- 「丸出し」【まるだし】
「丸見え」【まるみえ】
「散見」は、見える事は見えるけれど、ハッキリとは見る事ができない物事についての言葉です。
一方「丸見え」は「全部見えている」という意味の言葉になります。
海の中に美しい岩がある時、波が打ち寄せるのに合わせて、見えたり見えなかったりする事が「見え隠れ」だとすれば、「丸見え」は、岩が完全に露出している様子を意味します。
風情があるかどうかでいえば「散見」や「見え隠れ」に軍配が上がりますが、ハッキリと見たい欲望からすると「丸見え」に軍配が上がるでしょう。
「むき出し」【むきだし】
「むき出し」という言葉も、「散見」や「見え隠れ」の反対の意味の言葉になります。
例えば、薄着の季節に肌を露出する事を「肌をむき出しにする」と言います。
「むき出し」は、「感情をむき出しにする」「怒りをむき出しにする」など、心の中を露わにする時にも使います。
「丸出し」【まるだし】
「丸見え」が受け身的な言葉なら、自分の方からすべてを見せる事を「丸出し」と言います。
「散見」や「見え隠れ」とは違い、何も隠さずに、丸ごと姿をさらしている様子を表現する事ができます。
「散見」は、「あちらこちらに散らばって見える」、「あちこちにある」という意味の言葉です。
特にビジネスシーンで使う事が多い言葉ですので、早い段階で意味や使い方を覚えておきましょう。