「捲土重来」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
四文字熟語の「捲土重来」の意味と類語を紹介します。
さらに「捲土重来」の使い方や例文を紹介して行きます。
目次
- 「捲土重来」の意味とは?
- 「捲土重来」の類語や言い換え
- 「捲土重来」の使い方
- 「捲土重来」を使った例文
「捲土重来」の意味とは?
「捲土重来」という言葉を耳にした事があるでしょうか。
歴史ファンならあるいは「捲土重来」という言葉を良く知っているかもしれません。
しかし、ほとんどの人は「捲土重来」という四文字熟語を初めて耳にするのではないでしょうか。
そこで「捲土重来」の意味や読み方を紹介します。
- 「捲土重来」の読み方
- 「捲土重来」の由来
- 「捲土重来」の意味
「捲土重来」の読み方
「捲土重来」とは「けんどちょうらい」と読みます。
難しい漢字が使われていますので、意味を知らない人は読む事すら難しいかもしれません。
「捲土重来」は「けんどちょうらい」と覚えておきましょう。
なぜこのような難しい漢字が使われているかといえば、この言葉は古い中国の書物から出展された四文字熟語だからです。
「捲土重来」は中国の詩人である杜牧が描いた「題烏江亭」の一説がもとになっています。
「捲土重来」の由来
「捲土重来」は、9世紀の中国の詩人・杜牧が、紀元前の武将である「項羽」の様子を詩にしたためた「題烏江亭」から生まれた四文字熟語です。
その物語の主役、項羽は、前漢の初代皇帝となる「劉邦」と天下統一を掛けて対峙した武将です。
劉邦との戦いに敗れ、項羽は烏江に逃げ落ちて行きます。
その土地の長が「捲土重来」という言葉を使って項羽を励まします。
「戦いの勝敗はまだ決していない。お前が土煙を巻き上げる勢いで再び挑戦したら、きっと天下を取れるはずだ」という内容の励ましです。
「捲土重来」はこの中の「土煙を巻き上げる勢いで再び挑戦する」という言葉になります。
ちなみに項羽の物語からは、自分の周りが敵ばかりで、味方がいない事を意味する「四面楚歌」という四文字熟語も生まれています。
「捲土重来」の意味
「捲土重来」は項羽の話を基にして、「一度敗れた人でも、再び挑戦して勢いを取り戻す事ができる」という意味の四文字熟語なっています。
そこから広がって「捲土重来」は、「落ち目なった人が、復活する事」、「失敗した人が、復活する事」を意味するようになりました。
例えば仕事をミスして干されてしまった人が、努力を続けて再び職場のリーダーになった様子などは「捲土重来」という言葉にふさわしいでしょう。
「捲土重来」の類語や言い換え
次に「捲土重来」の類語や、同じような意味を持つ言葉への言い換えを見て行きましょう。
似た意味の言葉を並べる事で、「捲土重来」の意味がより深く理解できるかもしれません。
- 「生まれ変わる」【うまれかわる】
- 「復活」【ふっかつ】
- 「リバイバル」【りばいばる】
- 「起死回生」【きしかいせい】
- 「回天」【かいてん】
「生まれ変わる」【うまれかわる】
「生まれ変わる」という言葉は、「捲土重来」と似た意味を持つ言葉です。
「再生」と二文字で表現する事もできます。
「生まれ変わる」とは、また新しく生まれたように、良い状態に戻る事を言います。
ある程度の年齢になると、体にトラブルが起こりますが、生まれたばかりの頃はピカピカしていて調子が良いです。
「捲土重来」のように「生まれ変わる」事で、失った勢いを取り戻せるかもしれません。
ミスが続いて窓際族のようになってしまった人は、「生まれ変わる」くらいの覚悟がないと、復権する事が難しいでしょう。
「捲土重来」もかなりの覚悟が必要です。
気合を入れて元の勢いを取り戻すという意味でも「捲土重来」と「生まれ変わる」は似た意味の言葉といえるでしょう。
「復活」【ふっかつ】
「復活」も「捲土重来」に似た言葉です。
「復活」は一度やめたものを、再び活かしたり、再開する事をいいます。
例えば長い間病に伏せていた人が、体調を回復して仕事を再開した時などは、「復活」というイメージにピッタリです。
またスポーツ選手が大けがをして戦列を離れ、数年ぶりに第一線の舞台に戻ってきた時は、いかにも「復活」という感じがします。
このように、一度活動を停止したような人や物事が、再び動き出して表舞台に登場する事を「復活」と呼びます。
「リバイバル」【りばいばる】
「リバイバル」という言葉があります。
「リバイバルブーム」などの言葉を耳にした事がある人もいるでしょう。
「リバイバル」は古い物や、すでにすたれてしまった物が、再びスターダムに登場する事を言います。
例えば、20年前に人気のあった音楽のムーブメントが、低迷期を経て再び脚光を浴びるような時に「リバイバルブーム」と表現します。
また「リバイバル上映」は、古い映画を映画館で再び上映する事を意味します。
「起死回生」【きしかいせい】
絶体絶命な状態に追い込まれた人が、大きな復活をする事を「起死回生」と呼びます。
「起死回生」は「捲土重来」と似た意味の言葉です。
「起死回生」はプロ野球の中継で頻繁に使われる言葉です。
例えば9回裏に、3点負けているチームが満塁のチャンスを得たとします。
この時に、もしホームランを打てば逆転サヨナラ勝利となり、「起死回生」の一打となります。
このように、かなり追い込まれた状況から立ち直るきっかけになる出来事を「起死回生」と呼びます。
「回天」【かいてん】
「回天」という言葉があります。
この言葉も衰えた勢いを復活させる様子を言います。
「天を回す」という意味がある言葉で、世界をすっかり変えてしまうような大きな出来事を意味します。
「大富豪」というトランプゲームに、「革命」という手があります。
今まで弱かったカードが強くなり、強かったカードが弱くなる、まさに天を回すような手です。
革命により大貧民から大富豪になる様子は、まさに「回天の一手」と呼ぶにふさわしいでしょう。
「捲土重来」の使い方
「捲土重来」は中国の古い物語が出典という、重々しさがある言葉です。
そのため「捲土重来」という言葉を使う時は、軽い場面よりも、重厚感のあるシーンがふさわしいです。
例えば、あるプロジェクトチームが手掛けた事業が頓挫してしまったとします。
会議の席で誰かが「もう一度チャレンジしよう」と声掛けをするとしたら、そのシーンは「捲土重来」にぴったりの場面です。
また、「捲土重来」という言葉は、歴史好きな人、四文字熟語が好きな高齢の世代の前で使うと効果的です。
「項羽と劉邦」の逸話について詳しい人や、「四面楚歌」の意味に詳しい人などを前に「捲土重来」の例を出すと、きっと理解が早く盛り上がりやすいでしょう。
「捲土重来」を使った例文
「捲土重来」を使った例文を見て、文章にどのように組み込めばいいかチェックしてみましょう。
先ほどのプロジェクトチームの例を、「捲土重来」を使った文章にしてみましょう。
「確かに事業は頓挫してしまいましたが、私はまだあきらめていません。もう一度チャレンジして、『捲土重来』を期しましょう」という感じになります。
また、プロボクシングの世界タイトルマッチに敗れてしまった選手が、復活をする物語を「捲土重来」を使った文章にしましょう。
「彼は初めての世界タイトルマッチで、残念ながらKOで敗れた。しかし彼は猛練習を続けて『捲土重来』を期した。その結果、3年ぶりの再戦でリベンジを果し、世界タイトルを手に入れた」という感じです。
「捲土重来」は「期す」という言葉をつなぐと、座りが良くなります。
「捲土重来」は、どん底だったり絶体絶命だったりと、かなり厳しい状況から復活を遂げる様子を言葉にしたものです。
どのような状況にいてもあきらめずに頑張れば、誰でも「捲土重来」を期す事ができるでしょう。
言葉の意味をより深く知りたい人は、はるか昔に前漢の祖となった劉邦と争った、楚の武将・項羽の物語を読んでみる事をおすすめします。