「懸念」の意味と「懸念」を使った言葉について紹介
「懸念」の意味や類語を紹介します。
さらに「懸念」を使った例文や、言葉の解釈を紹介して行きます。
目次
- 「懸念」の意味とは?
- 「懸念」の類語や言い換え
- 「懸念」を使った例文
- 「懸念」を使った言葉を解釈
「懸念」の意味とは?
「懸念」という言葉があります。
日常的にはあまり使いませんが、ビジネスシーンなど、かしこまった場面では良く使います。
そこで「懸念」という言葉の意味や読み方を知っておきましょう。
- 「懸念」の読み方
- 「懸念」の意味
「懸念」の読み方
まず「懸念」の読み方を知っておきましょう。
「懸念」は「けねん」と読みます。
「けんねん」ではないので、注意が必要です。
また「懸念」の「懸」は「懸る(かかる)」という使い方をする言葉です。
「念」は「念じる」という使い方をします。
「懸念」の意味
「懸念」は「気に掛かる」だけでなく、「心配する」という意味があります。
「○○を懸念する」という場合は、○○が気になるだけでなく、心配をするという意味まで含みます。
「息子の将来を懸念する」という場合は、「息子の将来が気になり、先行きが不安になる」という意味です。
何となく想像するという程度ではなく、先行きが見えなくて不安だと考えているという事になります。
このように「懸念」という言葉を使う時は「悪い想像をしている」という前提があります。
「国家の行く末に「懸念」がある」という場合は、良い想像ではなく、悪い想像をしているという前提があります。
ここから広がって「悪い予感がする」という場合、「悪い予想が立つ」場合も「懸念」という言葉を使って表現します。
「懸念」の類語や言い換え
次に「懸念」の類語や似た意味の言葉に言い換えたものを紹介します。
「気に掛かり、心配する」という意味の言葉がそろっています。
- 「気に掛ける」【きにかける】
- 「頓着」【とんちゃく】
- 「心配」【しんぱい】
- 「気苦労」【きぐろう】
- 「胸を痛める」【むねをいためる】
「気に掛ける」【きにかける】
「懸念する」は「気に掛けて心配する事」を意味します。
「気に掛ける」は、そこから「心配する」を抜いた意味の言葉になります。
「気に掛ける」という時は、先行きが不安とは限りません。
「子供の将来を「懸念」する」という場合は、子供を気に掛けて、さらに不安に感じている様子ですが、「子供の将来を気に掛ける」という場合は、気に掛けているだけで、不安に感じているとは限りません。
「気に掛ける」とは、心配する事ですが、心配と不安が結びついていない場合は「気に掛ける」、不安と結びついている場合は「懸念」となります。
「頓着」【とんちゃく】
「懸念」と同じような意味を持つ言葉に「頓着」という言葉があります。
「頓着」は「とんちゃく」と読み、「何かを気にする事や、気を遣う事」を意味します。
「頓着」という言葉を使う時は、むしろ「頓着しない」と、「しない」を付ける事が多いです。
「気にしない、気を遣わない」事を「頓着しない」と言います。
「無頓着」という言葉もあります。
こだわりがない、また少し雑なイメージのある言葉です。
「心配」【しんぱい】
「懸念」には「心配」がつきものです。
「心配」とは、強く気に掛けるという意味があります。
「気苦労」【きぐろう】
「懸念」や「心配」があり、それが気持ちの上での負担になっている時は「気苦労」と呼びます。
「懸念」が強すぎたり、「心配」し過ぎてしまうと、精神的に参ってしまう事がありますが、それが「気苦労」と呼べる状態です。
「気苦労」が強すぎると、本格的な精神の病に結び付くかもしれません。
あまりにも「気苦労」が多い人は注意が必要です。
「胸を痛める」【むねをいためる】
「胸を痛める」という言葉も、心配をし過ぎてしまった末に起きてしまう状態です。
「胸を痛める」は「どうなるのかと、ひどく心配する事」を意味します。
単なる心配なら心を病む事はありませんが、その心配が強くなり、悪い予感を持ちすぎてしまうと「胸を痛める」事になります。
「懸念」を使った例文
「懸念」という言葉を文章に組み込めるようにしましょう。
そのために例文を紹介しますので、チェックしてみてください。
- 「懸念」を使った例文1
- 「懸念」を使った例文2
「懸念」を使った例文1
「懸念」とは、どうなるか気に掛かり、不安になる事を意味します。
何か嫌な予感がある時や、これから悪い事が起こるに違いないと感じる時に「懸念」という言葉を使いましょう。
例えばハイキングに行く日の朝に、空の様子を見た時に「雨が降りそうだな」と思うかもしれません。
しかし天気予報をチェックしてみると、晴れのマークが並んでいます。
晴れの天気予報を見て、安心した場合は別ですが、それでも心配が消えない事があります。
このような時は「雨が降るのではないかと「懸念」する」となります。
何か嫌な予感がするなと感じる時に、「絶対に雨が降る!」という感じで断言せず、「懸念」という言葉を使うとスマートな表現になります。
「懸念」を使った例文2
先ほどの例のように、嫌な予感がする時に「懸念」という言葉を使って、心配をしてるという心情を告白する事ができます。
さらに「懸念」する人に対して、「心配する必要はありません」と伝えたい時も「懸念」という言葉を使う事ができます。
先ほどの例のように、天気予報が晴れなのに、雨が降ると確信して、心配している人がいます。
このような人に対して「雨が降るという「懸念」には及ばないよ」と諭す事ができます。
「雨が降ったら、屋内で楽しめる設備に移動すればいいし、雨雲用意してあるから「懸念」には及ばない」という文章になります。
「懸念」する必要が無い時は、このように「及ばない」という表現を使います。
「懸念」を使った言葉を解釈
最後に「懸念」を使った言葉の解釈を紹介します。
「懸念」を使う時の定型文ですので、覚えておくと便利です。
ほとんどの言葉がビジネスシーンで使われる言葉です。
社会人の人、会社勤めの方は覚えておいて損が無い言葉です。
- 「懸念が生じる」【けねんがしょうじる】
- 「懸念事項」【けねんじこう】
- 「懸念がある」【けねんがある】
「懸念が生じる」【けねんがしょうじる】
仕事をしている時に、新たな不安材料に気が付いた時などは、「懸念が生じる」と表現します。
例えばプレゼン用の資料を作っている途中で、ライバル企業がプレゼンに参入する事が分かった時などは、まさに「懸念が生じた」状況です。
先行きが不安になる、悪い予感を導くような新しい時代が起こる事を「懸念が生じる」といいます。
プロジェクト用の素材を作る工場で不具合が起きた時、取引先の相手と関係性が悪くなった時なども「懸念が生じた」と表現します。
「大変な事が起こりました!」というよりも、「懸念が生じました」という方がスマートです。
「懸念事項」【けねんじこう】
「懸念事項」も、ビジネス上で良く使う言葉です。
例えばプロジェクトを進める前に、成功を邪魔するような心配事をピックアップし、不測の事態に備える事があります。
そのピックアップした心配材料を「懸念事項」と呼びます。
「心配材料」よりも「懸念事項」の方が対処可能でスマートなイメージになります。
もちろん、自社よりも他社の製品の方が性能が良い、価格が安いなど、克服が難しいような「懸念事項もあります。
「懸念がある」【けねんがある】
何か心配事がある時は「懸念がある」といいます。
こちらもビジネスシーンで良く使われる言葉です。
あるプランについての会議で発言を求められた時に、「そのプランは間違っています」と言うよりも、「そのプランには「懸念があります」」と言った方が、表現として柔らかく相手を怒らせずに済みます。
「懸念がある」という言葉を覚えると、様々なシーンで相手を怒らせずに、発言をする事ができるようになるかもしれません。
「懸念」とは、何かが気に掛かり不安になる様子を言葉にしています。
プライベートなシーンよりも、ビジネスシーンで使う事が多い言葉ですので、会社員の方や、これから社会に出る人は覚えておきましょう。
「懸念」という言葉を使いこなせるようになると、一人前の社会人といえるかもしれません。