「気兼ねなく」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
気兼ねなく、と気兼ねなく言える間柄ならいいでしょうが、上司や外国人にはどう言えばいいのか、困ったことありませんか?ここでは「気兼ねなく」の言い換えや使い方をご説明します。
目次
- 「気兼ねなく」の意味とは?
- 「気兼ねなく」の類語や言い換え
- 「気兼ねなく」の使い方
- 「気兼ねなく」を使った例文
- 「気兼ねなく」を敬語に言い換え
- 「気兼ね」の使い方・例文
- 「気兼ねなく」を英語で
「気兼ねなく」の意味とは?
そもそも気兼ねなく、の「気兼ね」とはなんでしょう。
これは、他人に対し、気を遣ったり遠慮したりすることを言います。
人に悪く思われないよう、気を遣うことというのはよくあることですね。
「気兼ね」に打ち消しの「ない」がつくことにより、そういった遠慮は必要ありませんよ、ということができます。
また、転じて「どうぞお気軽に」という意味にもなりますね。
これが、気兼ねなく、なのです。
- 「気兼ねなく」の読み方
「気兼ねなく」の読み方
気兼ねなくは、「きがねなく」と読みます。
気を兼ねると書くわけですから、ここからも、さまざまのことをおもねって、自分らしくいられない、というさまが見て取れますね。
「気兼ねなく」の類語や言い換え
気兼ねなく、ということばがなかなか出てこない。
自分のものにならない、という方はまず、ほかの言い方を知ることからやっていきましょう。
似たことばからイメージがわくと、語彙のバリエーションが増え、知的なコミュニケーションができますよ。
- 「気軽に」【きがるに】
- 「忌憚なく」【きたんなく】
- 「談論風発」【だんろんふうはつ】
「気軽に」【きがるに】
気軽に、ということばは、意味のとおり、気軽に使うことができます。
客人に対しても、「どうぞお気軽にご相談ください」などと丁寧なことばとしても使えますね。
「気軽」は、物事を深刻に考えすぎず、もったいぶらないことを意味しています。
気軽者というと浮わついた感じがしますが、気軽にどうぞ、ということばは相手を労ることばにぴったりですね。
「忌憚なく」【きたんなく】
すこしむずかしい字ですが、これもよく使われる表現です。
忌憚とは、気兼ねすることを言います。
なので、言いにくい意見などを、しかし言ってほしい、もしくは言いたいときなどに、「忌憚なく」の形で使われることが多いですね。
忌憚なくということばそのものは、どんな場面で使っても失礼にならないとされています。
意見を必要としているときには、中立の立場から、「忌憚ないご意見をお聞かせください」と言えますし、目上の人に自分の意見を聞いてほしいときにも、「忌憚なく申し上げます」と言うことができます。
ただ、あまり辛辣な意見を述べる場合などは、「ご気分を害されるかもしれませんが」と先手を打っておくと、日本語としては失礼に当たらないでしょう。
「談論風発」【だんろんふうはつ】
聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。
ここではすこし変わり種として、談論風発という四字熟語を紹介しておきます。
これは、さまざまな意見が出て、議論が活発に行われるようすを意味することばです。
気兼ねなく議論をすることをこのように言うのですね。
「今日の会議は談論風発して、時の過ぎるのも忘れていたよ」というように使います。
「気兼ねなく」の使い方
気兼ねなくは、動詞や名詞との組みあわせで使うことがほとんどでしょう。
動詞との組みあわせですと、気兼ねなく会える、気兼ねなく接する、という形になります。
名詞との組みあわせでは、気兼ねない友人、気兼ねない間柄、という形になります。
「気兼ねなく」を使った例文
それでは、「気兼ねなく」の例文を見ていきましょう。
どんな名詞や動詞と組みあわさって文ができているのかわかると、ケースにあわせて自在に操ることができるようになります。
- 「気兼ねなく」の例文1
- 「気兼ねなく」の例文2
- 「気兼ねなく」の例文3
「気兼ねなく」の例文1
「どうぞお気兼ねなく仰ってください」
客人や目上の方に対して、遠慮なく意見をぶつけてほしい、と伝えるときなどに有効です。
「お」がつくことで丁寧語として使うことができます。
お気兼ねなくお尋ねください、とも言えますね。
この場合、「お」が重なることをよく思われない場合もありますので、時と場合にあわせて使うことも必要でしょう。
「気兼ねなく」の例文2
「相澤さんは年上だが気兼ねなく話せる奇特な人だ」
「気兼ねなく」に動詞の「話す」が組みあわさっています。
なぜか悩みを打ち明けてしまったり、ずけずけと物申すことができたりする相手は、気兼ねなく話せる相手、なのでしょう。
逆にあまり、「気兼ねなく話してね」などという人は、プライベートではすこし押しつけがましく感じることもあるかもしれませんね。
「気兼ねなく」の例文3
「恋人とは気兼ねない間柄でありたい。特に、生涯の伴侶としたい場合にはそうだろう」
今度は「気兼ねなく」に「間柄」という名詞が組みあわさっています。
なんでも言いあえる、打ち解けた間柄のことを言います。
どんなことを言いあえるのが「気兼ねない間柄」なのかは個人差がありそうですが、隠しごとをせず、後ろめたいもののない間柄であればあるほど、親密さの度合いは増しそうですね。
「気兼ねなく」を敬語に言い換え
上述していますが、改めてビジネスシーンでの使い方です。
この場合は、「お気兼ねなく〜してください」という言い方を心がけることで、ずいぶん印象が変わります。
また、「お気兼ねなく〜なさってください」も敬語表現になります。
「お気兼ねなく、お好きなだけご利用なさってくださいね」というと、ずいぶん丁重に扱われたな、という感じがしますね。
「気兼ね」の使い方・例文
ここまで「気兼ねなく」を見てきましたが、そもそも「気兼ね」ってどう使うの?と思う方もいらっしゃるでしょう。
気兼ねとは、はじめに見たとおり、人に気を遣ったり、遠慮をすることを言います。
「気兼ね」を使って、どんなふうに自分の心情などを言い表せるか、見ていきましょう。
- 「このアパートは壁が薄いので、音が漏れ聞こえていないか気兼ねする」
- 「誰に気兼ねしてるんだよ、と言われたが、お前にだよとは言えない」
- 「今にも彼氏が来やしないかと気兼ねしながら準備をしている」
- 「美術館には一人で行って、気兼ねもなくたった一つの絵を三十分も見ていたい」
「このアパートは壁が薄いので、音が漏れ聞こえていないか気兼ねする」
この場合では、気兼ねはしているけれど、やめることはしない、という状態です。
しかし、気兼ねしている、と言っているので、もしかするとボリュームを下げたり、なにかしら対策をしている可能性はありますね。
気兼ねせず、大音量で、というわけにはいかない状況を表しています。
「誰に気兼ねしてるんだよ、と言われたが、お前にだよとは言えない」
同じ用法で、「何に気兼ねすることがあるんだ」というようなものがありますね。
反語的な使い方になり、気兼ねすると言いながらも、いや、する必要はないだろう、という意味を暗に含んだ言い方になります。
ここでは気兼ねなくありたいが、そうすることができないでいる、という葛藤も表しています。
「今にも彼氏が来やしないかと気兼ねしながら準備をしている」
誕生日などのサプライズをしたいとき、何時頃に来てね、などと言っても心配ですよね。
いつも遅れてくる相手にかぎって、こんなときだけは早く来たりするものです。
相手のことを慮り、喜んでほしい、と思うからこその気兼ねになります。
「美術館には一人で行って、気兼ねもなくたった一つの絵を三十分も見ていたい」
最後の例文では、「気兼ね」が「ない」という言い方をすることで、「気兼ねなく」と同義になるようにしています。
気兼ねなく、でも、気兼ねがない、とでも言うことができます。
「気兼ねなく」を英語で
外国人と話していると、なかなか自分の言いたいことが伝えられない、もっとおもてなしの心を伝えたいということがあります。
そんなときに、“without hesitation”ということばを覚えておくと、語彙が広がり、相手に喜んでもらえるでしょう。
“hesitation”は、躊躇を意味する英語です。
躊躇しないで、という意味から、お気軽にどうぞ、と相手に伝えることができます。
また、気軽に相談してね、というくだけた言い方をしたいときには、“Tell away.”と声をかけると大変気持ちのよいコミュニケーションができるでしょう。
相手の気持ちを慮るがゆえに、躊躇したり遠慮してしまうことを言う「気兼ねなく」。
日本人らしい奥ゆかしさを表す丁重なことばですね。
使い方をマスターし、目上の方など、ことばに気をつけたい相手にも気兼ねなく、使えるようになるといいですね!