「伏線」とは?意味や使い方!例文や解釈
「伏線」という表現は「巧妙な伏線が張られた小説を読みました」や「彼女の態度が伏線になっていました」といった文章で使われますが、「伏線」はどのような意味を持っているのでしょうか?
「伏線」の「意味・読み方・使い方・例文と解釈・伏線と布石の違い・類義語・英語」などについて、詳しく解説していきます。
目次
- 「伏線」とは?
- 「伏線」の表現の使い方
- 「伏線」を使った言葉と意味を解釈
- 「伏線」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「伏線」と「布石」の意味の違い
- 「伏線」の類語や類義語・言い換え
- 「伏線」の英語と解釈
「伏線」とは?
「伏線」という表現は、「小説・戯曲などで先の展開を、前もってそれと関連する事柄・言動などでほのめかしておくことやほのめかされた事柄そのもの」を意味しています。
また「伏線」というのは、「後の物事が上手くいくように、事前にそれとなく用意して備えておくこと」を意味している表現です。
「伏線」は「伏線を張る・伏線を敷く」といった慣用句的な表現で使用されることが多くなっています。
- 「伏線」の読み方
「伏線」の読み方
「伏線」の読み方は、「ふくせん」になります。
「伏線」の表現の使い方
「伏線」の表現の使い方は、「小説・戯曲などで先の展開をそれとなく暗示する叙述(書き方)の技術」を指して使う使い方になります。
例えば、「この小説家は伏線の敷き方が非常に巧みです」といった文章で使えます。
また「伏線」という言葉は、「先の物事に備えて、あらかじめ用意しておくこと」といった意味でも使うことができます。
「失敗した時のための伏線を張っておきます」などの文章で使用できます。
「伏線」を使った言葉と意味を解釈
「伏線」を使った言葉を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「伏線を張る」【ふくせんをはる】
- 「伏線を敷く」【ふくせんをしく】
- 「伏線を回収する」【ふくせんをかいしゅうする】
「伏線を張る」【ふくせんをはる】
「伏線を張る」の表現は、「後の物事が上手く進むように、前もってそれとなく用意しておくこと」を意味しています。
例えば、「いくつか伏線を張っているので、多少想定外の出来事が発生しても大丈夫です」といった文章で使われます。
「伏線を敷く」【ふくせんをしく】
「伏線を敷く」の言葉は、「小説・戯曲などの創作物で、先の物語の展開に備えて事前にそれと関連する事柄・セリフなどでほのめかすこと」を意味しています。
例えば、「この先で主人公が大事件に巻き込まれるという伏線を敷いておきました」といった文章で使えます。
「伏線を回収する」【ふくせんをかいしゅうする】
「伏線を回収する」の表現は、「前もってほのめかして予告しておいた内容を実際に記述すること」や「事前に暗示していたことを実現させること」を意味しています。
例えば、「ミステリー小説では伏線を回収することで、読者に予定調和の納得と爽快感を与えられます」といった文章で使われます。
「伏線」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「伏線」を使った例文・短文などを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「伏線」を使った例文1
- 「伏線」を使った例文2
「伏線」を使った例文1
「シェイクスピアの名作とされる戯曲には、現代の小説・戯曲でも十分参考にできるような巧妙な伏線が多く見られます」
この「伏線」を使った例文は、「伏線」という表現を、「現代の小説・戯曲でも十分参考にできるような巧妙な先の展開のほのめかし・暗示が多く見られる」という意味合いで使っています。
「伏線」を使った例文2
「現在進めている計画が上手くいかず頓挫した時のために、伏線を張っておかなければいけません」
この「伏線」を使った例文は、「今の計画が頓挫(とんざ)した時のために、あらかじめ備えておかなければならない」という意味を持つ文脈で、「伏線」の表現を使用しています。
「伏線」と「布石」の意味の違い
「伏線(ふくせん)」という表現は「小説・戯曲などでこれから先の展開を推測できるようにそれとなくほのめかすこと」を意味していますが、「布石(ふせき)」という表現にはそういった小説・戯曲における先の展開を示唆するといった意味合いがないという違いがあります。
「伏線」も「布石」も「将来のために備えをしておくこと」の意味では共通していますが、「布石」のほうが「将来の実際的な計画(プラン)を実行するための準備」という意味合いが強く、「伏線」は「将来起こることを間接的にほのめかしてそれとなく用意する」という意味のニュアンスが強いという違いも指摘できます。
また「伏線を張る・伏線を敷く(引く)」や「布石を打つ」といった慣用的な言い回しがそれぞれにあり、「布石を張る」というような言い方をすることはできません。
「伏線」の類語や類義語・言い換え
「伏線」の類語・類義語・言い換えを紹介して、その意味を説明していきます。
- 「示唆・暗示」
- 「仄めかし」【ほのめかし】
- 「フラグ・対策」
「示唆・暗示」
「示唆」という表現は、「直接的に表現するのではなく間接的に表現して示すこと」を意味しています。
「暗示」という言葉には、「それとなく間接的に指し示すこと・それとなくほのめかすこと」の意味合いがあります。
それらの意味合いから、後のことを前もってそれとなく指し示したり備えたりすることを示す「伏線」の類語(シソーラス)として、「示唆・暗示」という表現を上げることができます。
「仄めかし」【ほのめかし】
「伏線」という表現は、「小説・戯曲などでこれから後に起こる出来事を、前もってそれと関連する事柄によってほのめかしておくこと」を意味しています。
「仄めかし」とは、「直接的ではなくそれとなく示しておくこと」を意味する言葉です。
その意味合いから、「伏線」と良く似た意味を持つ類義語として、「仄めかし」という言葉を指摘することができます。
「フラグ・対策」
「フラグ」という言葉は、「後に起こる出来事をそれとなく予告・予言している事柄や原因」のことを意味しています。
「対策」という表現には、「将来起こるであろう物事・問題に対して、前もって備えて処置をしておくこと」の意味があります。
この意味合いから、先に起こることに対して前もって備えたりほのめかしたりすることを意味する「伏線」の表現は、「フラグ・対策」という表現に言い換えられることがあるのです。
「伏線」の英語と解釈
「伏線」という言葉を英語で書き表して、その意味を解釈していきます。
“hint”(ヒント・本題についてそれとなく示されたもの・伏線)
“foreshadow”(暗示する・示唆する・伏線を張る)
“preparation”(備えること・用意すること・伏線)
“In a depiction of the first half of this novel, there was a hint that showed he will die.”
「伏線」という言葉を使ったこの英語の例文は、「この小説の前半の描写が、彼が死ぬことの伏線になっていた」ということを意味しています。
この記事で説明した「伏線」の表現には、「小説・戯曲で後のストーリーの展開に備えて、その前にそれと関連する事柄・言動をほのめかしておくこと」や「先のことに備えて、事前にそれとなく用意しておくこと」などの意味があります。
「伏線」の類語・類義語・言い換えとして、「示唆・暗示」「仄めかし」「フラグ・対策」などがあります。
「伏線」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。