「公序良俗」とは?意味や使い方!例文や解釈
「公序良俗」という言葉はどのような意味があり、使い方をするのかご存知でしょうか。
少々難しい言葉という印象がありますが、ここでは言葉の意味、使い方、例文などを詳しく解説しています。
では一緒に「公序良俗」という言葉の理解を深めていきましょう。
目次
- 「公序良俗」とは?
- 「公序良俗」の表現の使い方
- 「公序良俗」の類語や類似表現や似た言葉
- 「公序良俗」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「公序良俗」の反対語
- 「公序良俗」の英語と解釈
「公序良俗」とは?
「公序良俗」とは公の秩序と、善良の風俗といった意味になります。
- 「公序良俗」の語源や由来
- 「公序良俗」の読み方
「公序良俗」の語源や由来
「公序良俗」の「公序」とは人々が守るべき社会の秩序、公の秩序という意味です。
「良俗」とは良い風俗、良い慣習という意味になります。
「公序良俗」の読み方
「公序良俗」と書いて「こうじょりょうぞく」と読みます。
「公序良俗」の表現の使い方
「公序良俗」という言葉は、公の秩序と善良の風俗という意味ですが、社会的に妥当性が認められる道徳観ということになります。
使い方としては民法など法律用語として見ることが多いかと思います。
民法上においては「公序良俗」に反する内容を持っている法律行為(例えば犯罪となることが内容となっている契約など)は無効とされています。
「公序良俗に反している、こんな契約はするわけないだろう」「彼女、わけもわからず契約してしまったらしいけど、公序良俗に反しているから契約は無効になると思う」といった使い方をします。
「公序良俗」の類語や類似表現や似た言葉
言葉の意味が理解できましたところで、「公序良俗」の類語、似た言葉、言い換える言葉などもいくつか紹介します。
こちらの言葉も併せて覚えておくといいでしょう。
- 「社会の秩序」【しゃかいのちつじょ】
- 「公の秩序」【おおやけのちつじょ】
- 「信義則」【しんぎそく】
「社会の秩序」【しゃかいのちつじょ】
「公序良俗」とは「社会の秩序」と善良な風俗、習慣という意味です。
「社会」とは生活空間を共有したり、結びつき、影響を与え合っている人々のまとまりのことを言います。
「秩序」とは物事の正しい順序、社会の色々な要素がお互いに一定の関係、規則によって結び付いている、調和を保っている状態を言います。
「社会の秩序を乱すことは許されない」「社会の秩序を守る」などと使います。
「公の秩序」【おおやけのちつじょ】
「公の秩序」の「公」とは何かと言えば、政治、行政に携わる組織、機関、国、政府、地方公共団体のことを言います。
また個人ではない、組織であったり広く世間一般の人に関わっていることです。
それ以外には事柄が外部に表れ出ること、表ざたという意味もあります。
「公の秩序を守っているかどうか」「これは公の秩序で、常識です」などと使います。
「信義則」【しんぎそく】
「信義則」とは信義誠実の原則のことです。
人は社会共同生活の一員です。
ある一定の事情のもとで、相手方から期待されている信頼を裏切ることがないようにする、誠意を持って行動することという原則のことです。
お互いが嘘をついたり、騙したりせずに、真実で正しい道を守ることです。
「公序良俗」と「信義則」は併せて覚えておきたい言葉です。
「公序良俗」を使った例文や短文など(意味を解釈)
それでは「公序良俗」を使った例文をいくつか紹介しましょう。
意味の解釈もつけていますので、使い方の参考にしてみてください。
- 「公序良俗」を使った例文1
- 「公序良俗」を使った例文2
「公序良俗」を使った例文1
「公序良俗に反することはしてはならない」
「公序良俗」に反することというのはどういうことかと言えば、財産秩序に反すること、倫理的秩序に反すること、自由や人権を侵害することなどがあります。
犯罪性のある販売、相手を騙して行う不倫、お妾の契約、裏口入学といったものなどが例としては考えられるでしょうか。
常識的に考えて人に言えないようなこと、悪いとされることです。
「公序良俗」を使った例文2
「それって公序良俗違反じゃないのか」
「公序良俗違反」とは財産秩序、倫理的秩序、自由や人権を侵害するような行動のことです。
例えば人を騙すような形で契約を結ぶことは「公序良俗」に反する行為となりますし、そのような形で結んだ契約は無効となります。
また例文のように、相手が「公序良俗」に反すると気がついていない場合もあります。
自分がしていることが「公序良俗違反」となるとは思ってもいないということもあるでしょう。
しかし一般的な常識があれば善悪の区別はつくものです。
「公序良俗」の反対語
「公序良俗」の反対語とはどのような言葉になるのでしょうか。
明確な反対語がない場合は意味合いから当てはまる言葉を探してみましょう。
- 「社会秩序が乱れる」【しゃかいちつじょがみだれる】
- 「公序良俗に反する」【こうじょりょうぞくにはんする】
「社会秩序が乱れる」【しゃかいちつじょがみだれる】
「公序良俗」という言葉に対しての明確な反対語、対義語というのは存在しませんが、意味合いから考えますと「社会秩序が乱れる」「社会秩序の乱れ」といった言葉が当てはまるのではないでしょうか。
「社会秩序の乱れを嘆く」「社会秩序が乱れると犯罪が増えるのではないか」などと使います。
「公序良俗に反する」【こうじょりょうぞくにはんする】
「公序良俗」とは公の秩序、善良な風俗、習慣ということになります。
反対語としては「反する」をつけた「公序良俗に反する」という言葉があります。
「公序良俗に反する行いである」「公序良俗違反」などと使います。
「公序良俗」の英語と解釈
「公序良俗」という言葉は英語ではどのように言い表すのでしょうか。
英語では“puplic order”(公序良俗)と言います。
例文は“deviation from puplic order and morals”(公序良俗を逸脱した行動)となります。
いかがでしたでしょうか。
「公序良俗」という言葉の意味、使い方、例文などまとめてお伝えしました。
少々難しく掴みどころがない「公序良俗」という言葉ですが、簡単に言えば社会の秩序、良い習慣ということです。
そのようなことを乱すことは良くないことであると、一般常識があればわかります。
また民法上においては「公序良俗」に反する内容の契約は無効とされます。
そのことも併せて覚えておいてください。
それでは言葉の意味を正しく理解して使いこなしていきましょう。