「今生」とは?意味と類語!例文と使い方!
「今生」という言葉は、聞いたことがない、というわけではないかもしれませんが、なかなか使う機会がない言葉かもしれません。
しかし、知っておくといろんな場面で便利な言葉ですので、意味がいまいちわからない、読み方がわからない、どんなときに使うのかわからない、という方は、ぜひこの機会に一度ください。
目次
- 「今生」の意味とは?
- 「今生」の読み方
- 「今生」の言葉の使い方
- 「今生」を使った言葉と意味を解釈
- 「今生」を使った例文や短文など
- 「今生」の類語や言い換え
- 「今生」の英語や例文など
「今生」の意味とは?
「今生」とは、この世や、この世に生きている間、つまり、この生が終わるまで、という意味の言葉です。
重みのある言葉ですので、なかなか普段は使う場面がないかもしれませんが、ここぞ、というときに知っておくと、その言葉どおりの重みを相手に伝えることができるため、ここぞ、のときのためにとっておくといいでしょう。
逆に、あまり普段から「今生」という言葉を多用していると、この人はなんとなく信用できない、と不信がられるかもしれません。
「今生」の読み方
「今生」は「こんじょう」と読みます。
「こんせ」「こんぜ」「こんせい」という読みもあるようですが、「こんじょう」の読みが一般的ですので、「こんじょう」と覚えておけば間違いありません。
「今」を「生きる」という漢字からも、「今生」の言葉の意味がわかります。
たとえ自分があの世へ行っても、この世にいる人がいる限り、生きている人にとって、この世は「今生」です。
「今生」の言葉の使い方
「今生の○○」のように、生きている間になにをするか、生きている間に起こること、といった意味で使われます。
重大な出来事であることも少なくありませんが、誰しもが生きているうちに、「今生」という言葉を使いたくなる場面に出会うため、無関係な人はほとんどいない言葉ともいえるでしょう。
「今生」を使った言葉と意味を解釈
では、「今生」を使用した語句を紹介します。
どれも、押さえておくと便利な言葉や、知っておくと語彙力アップに繋がるものばかりですので、目を通しておきましょう。
- 「今生を生きる」
- 「今生の名残」
- 「今生の仇」
「今生を生きる」
「ガンになろうが、私らしく今生を生きると誓った」
「今生を生きる」とは、今まさに生きていることを意味します。
日本の神道では、神様から御霊分けといい、魂を分けてもらって、肉体に宿し、生きているといわれています。
このように、肉体と魂、両方を持ってこの世に生きていることを、「今生を生きる」と表すと、言葉に深みが出ます。
「今生の名残」
「今生の名残に、あなたに会いたく存じます」
これまでの人生でどうしても会えなかった偉人や、再会したいと思っていた人に会わないままこの世を去るというのは、この世に名残を残すというものです。
そのようなことがらを、「今生の名残」という言葉で表すことができます。
ほかにも、やり遂げたかったことをしないままでいる、気持ちを伝えずにいるなど、「今生の名残」は個々人それぞれのものでしょう。
「今生の仇」
「仇」は「あだ」とも「かたき」とも読みます。
仇討ち、敵討ちのときなどにいわれる言葉でしょう。
また、「今の情けは後の仇」という言葉もあり、これは、一時の同情心のみで相手にしてやることは、大抵相手のためにならないどころか、あとあと自分にも不利益や害を及ぼす、という言葉です。
「今生」を使った例文や短文など
次に、「今生」を使用した、具体例を挙げていきます。
どのような場面で使われているかわかることで、必要な場面での応用がきくようになるでしょう。
- 「今生」を使った例文1
- 「今生」を使った例文2
「今生」を使った例文1
「笑って手を振った彼女だったが、あれが今生の別れになるとは思いもよらなかった」
人はいつこの世を去るかわかりません。
どんなに元気な人でも、急な病でそのまま帰らぬ人となることもありますし、事故に遭う、事件に巻き込まれる、災害に遭うなど、いつでも危険の中で生きています。
予期できた死にも、予期できなかった死にも使われるのが、「今生の別れ」という言葉です。
「今生の別れ」は、この世ではもう会えないような別れのことをいいます。
「今生」を使った例文2
「今世の自分の役割をすこし認識した」
誰しも、この世に生まれてきた意味があります。
それはたった一つではなく、いくつもの役割ではないかと思います。
家族との間での自分の役割、社会的立場、どれにも属さない、自分個人としての役割など、さまざまなものが考えられます。
真実に向き合い、日々、自分に課せられたものを追究していると、あるときふと、自分の役割に気づくということもあるようです。
「今生」の類語や言い換え
「今生」はどのような言葉に言い換えることができるでしょう。
類語表現をご紹介しますので、ぜひあわせて覚えておきましょう。
- 「現世」【げんせ】
- 「娑婆」【しゃば】
「現世」【げんせ】
「現世の課題といわれても今はピンとこない」
「げんせ」「げんぜ」「げんせい」などと呼ばれ、この世のことや、現代、という意味で使われています。
「今生」とは同じような意味あいで使われますので、自分の覚えやすい方、使いやすい方から覚えていき、使っていかれるといいでしょう。
前世、来世とあわせて、仏教用語で三世といわれるものの一つです。
「娑婆」【しゃば】
「祖母は娑婆にある、酸いも甘いも知り尽くしたような顔をしている」
「俗世」ともいわれ、人間の住む世界のことをいい、「しゃば」と読みます。
仏教において「娑婆」は、苦しみに満ちており、忍耐を学ぶべき世界とされています。
刑務所から出た人が「シャバの空気」などといいますが、これは語源は同じですが、まったく別の意味で使われるようになった「娑婆」の意味です。
「今生」の英語や例文など
英語で「今生」を表すことは、難しくありません。
中学英語で習う“this”と“life”をあわせ、“this life”といえば伝わります。
また、「今生の別れ」を表したいときには、まずは「別れ」を意味する英語を考えましょう。
お別れパーティーのことを“farewell party”といいますが、これと同じです。
最期の別れ、と考えればすぐに「今生の別れ」を意味する、“last farewell”という英語にたどりつくでしょう。
「今生」とは、この世や、この世に生きている間のことを意味する言葉、とわかりました。
若いうちは長く感じられる一生ですが、「今生」を無駄にせず、できる限りをやりきって、「今生の別れ」が人生最高の別れとなるような生き方がしたいものですね。