「令月」とは?意味と使い方!由来と英語、類語や言い換えを紹介!
この「令月」は、2019年5月1日からの新元号「令和」(れいわ)の元ともなった言葉です。
普段はあまり見かけない言葉ですが、ここでしっかりと意味や使い方を覚えておきましょう。
目次
- 「令月」の意味とは?
- 「令月」の読み方
- 「令月」の言葉の使い方
- 「令月」を使った言葉と意味を解釈
- 「令月」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「令月」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「令月」の英語(解釈)・例文など
- 「令月」の由来
「令月」の意味とは?
「令月」とは、「二月」の異称の1つです。
月の異称では、二月は「如月」という名称が一般的ですが、この「令月」や、その他に「建卯月」といった異称もあります。
そして、「令月」は、「めでたい月」という意味も持っています。
二月がそのような月だという意味ではなく、例えば、年は違えど、同じ月(ここでは具体的に、四月とします)に始めたことが続けて当たった(うまくいった)時に、「自分にとって、四月は令月だ」といったように、後付けで使うこともできる言葉です。
「令月」の読み方
「令月」は、「れいげつ」と発音します。
「令」は、「命令」(めいれい)や「号令」(ごうれい)で見慣れている漢字なので、知らないという人は居ないでしょう。
そちらより、「月」の方を「つき」と読んでしまうことがないように注意してください。
月の異称では、十月が「神無月」(かんなづき)、十一月が「霜月」(しもつき)と呼ばれるように、「月」は「つき(づき)」と発音することが多くなっているので気を付けてください。
「令月」の言葉の使い方
令月は、先の説明のように、二月のことを指して使える言葉ですが、実際にはそのような使い方はまずされません。
「令月」と共に挙げた「建卯月」(けんぼうげつ)と共に、異称の1つとされているだけで、使われる際にはもう1つの「めでたい月」という意味のことがほとんどだと考えていいでしょう。
新元号の「令和」の出典となった「万葉集」の中の、「初春の令月、気淑しく風和らぐ」という一節でも、この歌が詠まれたのは正月のめでたい祝いの席で、二月ではありません。
年度の初めの月ということから「令月」と使ったものと考えられています。
「令月」を使った言葉と意味を解釈
「令月」は、それだけでも意味を持っている言葉ですが、以下のような形で使われることが多いです。
- 「嘉辰令月」【かしんれいげつ】
「嘉辰令月」【かしんれいげつ】
「めでたい月日」という意味の四字熟語です。
「令月」に「めでたい月」という意味があるのと同様に、「嘉辰」(かしん)は「めでたい日」という意味の言葉です。
その2つが一緒になって、「めでたい月日」そのものを表す言葉となっています。
「嘉辰」だけでもそのような意味になりますが、それをより強調する言葉だと考えていいでしょう。
「令月」を使った例文や短文など(意味を解釈)
令月を使った例文や短文です。
「二月」という意味では使っていません。
どちらも「めでたい月」のことだと解釈してください。
- 「令月」を使った例文1
- 「令月」を使った例文2
「令月」を使った例文1
「令月十日と書かれたいたが、何月のことだか分からない」
あまり使われない表現ですが、「令月」をこのように使うと、「某月」(ぼうげつ)のような意味で使うことができます。
「某月」とは、具体的な月を表すことはせず(はっきりと言いたくない場合も含めます)、ぼんやりと表現したい時に使う表現です。
「令月」とした時には、「めでたいことがあった月」と考えてください。
つまり、めでたいことがどこかの月の十日にあり、その日だと言っています(具体的な月は、遭えて伏せているか、または言いたくないのかも知れません)。
「令月」を使った例文2
「今度の集まりは、新春の令月を祝う会だと言っていた」
この場合、単に祝い席をそのように表現しているだけだと考えていいでしょう。
「令月」は、実際にいいことがあったような場合以外にも、祝いの意味で使える言葉です。
これについては、以下の類語の項でも詳しく解説します。
「令月」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
「令月」と似た意味で使える言葉や、言い換えに使用できる表現です。
どれにも「めでたい」というニュアンスが含まれています。
- 「黄道吉日」【こうどうきちにち】
- 「大安吉日」【たいあんきちじつ】
- 「吉曜」【きちよう】
「黄道吉日」【こうどうきちにち】
まず、「吉日」を「きちにち」と読む点に注意してください。
「吉日」は「きちじつ」とも読みますが、この四字熟語では「きちにち」となっています。
「何をするにも向いている日」という意味で、「あらゆる災難から逃れることができる日」だという意味もあります。
「黄道」(こうどう)には、天体における太陽の光が通る道という意味があり、太陽の陽射しがそれを祝福してくれていると解釈できます。
「大安吉日」【たいあんきちじつ】
こちらは、「吉日」を「きちじつ」と読む言葉です。
「万事においていい日」だという意味で使い、その日に実際にいいことがあった場合に使うことが多いです。
「この大穴が的中するとは、今日は大安吉日だ」といった使い方になり、上の「黄道吉日」と同様に、その「日」を指して使う言葉です。
「吉曜」【きちよう】
「曜」と付きますが、「曜日」のことではなく、これも「日」に対して使います。
「ラッキーなことが多い今日は、きっと吉曜だ」などという使い方になる言葉で、先の「嘉辰」とよく似た意味をもっています。
「令月」と直接言い換えられる言葉はありませんが、「嘉辰令月」とであれば、このどれと置き換えても問題なく意味が通ります。
「令月」の英語(解釈)・例文など
令月を英語にするなら、“auspicious month”と表現するのがいいでしょう。
「めでたい月」、「幸先のいい月」という意味になります。
- “April is a auspicious month.”
- “The auspicious month of Ramadan.”
“April is a auspicious month.”
「4月は令月(幸先のいい月)だ」と訳してください。
「縁起のいい月だ」としても構いません。
“The auspicious month of Ramadan.”
「ラマダーンは令月(めでたい月、期間)だ」と解釈できます。
このラマダーンとは、毎年5月から6月にかけて、イスラム教で陽が出ている間に限り絶食を行う「聖なる期間」です。
イスラム教においてはこの5月(正確には、6月の初旬まで)は、「令月」(めでたい月、期間)と表現されることが少なくありません。
「令月」の由来
「令」には、「いい付け」の他に、「よい」という意味があります。
ここから、「令月」が「めでたい月」という意味で使われるようになりました。
初出ははっきりとしていませんが、「令和」の元となった万葉集が日本最古の歌集と言われていることから、かなり昔から存在している言葉だと考えていいでしょう。
令月は、新元号の「令和」ですっかり有名になった言葉です。
これまでこの言葉を知らなかった人も、この機会に知識の1つとして覚えておいて損はありません。
また、この「令月」は「二月」という意味もあることから、「令和」の元号は、令和天皇の誕生日が二月であることにも絡めたのではないかとも言われています(あくまで一説です)。