「留意」とは?意味と使い方!例文!類語や英語を紹介!「留意」と「配慮」の違い
「留意」という言葉はよく聞かれますが、「配慮」との使い分けがわからない、という方はたくさんおられるかと思います。
ここでは「留意」という言葉についてご紹介していますので、曖昧だな、と思った方はぜひこの機会に一読ください。

目次
- 「留意」の意味とは?
- 「留意」の読み方・漢字
- 「留意」の言葉の使い方
- 「留意」を使った言葉と意味を解釈
- 「留意」を使った例文や短文など
- 「留意」の類語や言い換え
- 「留意」の英語・例文など
- 「留意」と「配慮」の違い
「留意」の意味とは?

「留意」とは、ある物事について、心のどこかに考えておき、気をつけておくことを意味します。
人や物事における約束事を忘れないようにすること、覚えておかねばならない事項について頭の片隅に置いておくことなどを「留意」といいます。
人は忘れることで平常心を保ちながら生きていける、と言われるほど、人間というのは忘れっぽい生きものですから、忘れないでおこうとする努力は時として必要になるでしょう。
「留意」の読み方・漢字

「留意」は「りゅうい」と読みます。
「留」という漢字はほかに「ル」「と-める」「と-まる」「とど-まる」という読みを持ち、とまること、とめること、また、とどまること、とどめることを意味します。
「意」という漢字はほかに「こころ」や「おも-う」という読みを持っており、内容や理由といった意味も持ちますが、ここでは心という意味で使われています。
「留意」の言葉の使い方

「○○に留意する」や「留意して○○する」といった使い方がされる「留意」ですが、その特徴は、「留意」しておかねばならない物事が、一時的なものというよりも、継続的なものである、ということです。
今この瞬間だけ考えておけばよいのではなく、中長期的に心に留めておかねばならない物事に対し、使われます。
「留意」を使った言葉と意味を解釈

では、具体的に「留意」を使用した語句をご紹介します。
よく使われるものばかりですので、使用するときの参考にしてみてください。
- 「留意事項」の意味
- 「留意点」の意味
「留意事項」の意味
「留意事項」とは、「留意」しなければならない点を挙げたものをいいます。
説明書などを見ますと、○○のときには△△しましょう、というような、使用中によくあるトラブルの対処法などが書かれていますが、このようなページの見出しに「留意事項」と書かれていることもあります。
「修学旅行が成功するかどうかは、しおりに書いてある留意事項を学生たちがどこまで守れるかどうかにかかっている」
「留意点」の意味
「留意事項」と似たような使われ方ですが、どちらかというと「留意点」では、それら一つ一つの項目について言われることが多いでしょう。
また、一つだけ「留意」してほしいことがある場合や、ほかの説明をしたあとに、付け加えるような意味あいで使われることもあります。
「制作を始める前に、留意点をお知らせします」
「留意」を使った例文や短文など

次に、「留意」という言葉を使用した例文を挙げておきます。
具体例の中で見ておくことで、どのように活用できるかがわかります。
- 「留意」の例文1
- 「留意」の例文2
「留意」の例文1
「記念日を忘れ、怒られてからは、かならず手帳に記しておくよう、留意している」
日課などもそうですが、日常生活の中で、忘れがちだけれど忘れてはいけないこと、というのがあります。
恋人との関係の中ではとくに、記念日というのはその最たるものではないでしょうか。
仕事や学業、専門分野に打ちこむことに忙殺されているときには、大切な時間を心に留めておくために、手帳などに書いて管理しておくというのはいい方法です。
「留意」の例文2
「仕事も大事だが、家庭をおろそかにしない、ということをつねに留意している」
やりがいのある仕事であればあるほど、プライベートを削りたくなってしまうものですが、家族はビジネスパートナーではありません。
このことを、ともすれば忘れがちになってしまう方はぜひ、家庭と仕事とのバランスに留意してください。
「留意」の類語や言い換え

「留意」という言葉は多くの類語表現ができますが、それらと「留意」との違いはなんでしょうか。
少しずつ異なる日本語を使いこなすことができると、会話が楽しくなります。
- 「注意」
- 「用心」
- 「肝に銘じる」
「注意」
「留意」が心に留めておくこと、とすると、「注意」は、警戒すること、という意味あいが強くなります。
また、「留意」は中長期的なもの、と紹介しましたが、「注意」には短期的なもの、一時的なものも多く含まれるのが特徴です。
「ここは天井が低いので注意してください」
「用心」
「留意」とは、良いことでも悪いことでも関係なく、心に留めておくこと、という意味でしたが、「用心」とは、悪いことが起こらないよう、事前に備えておく、といった意味あいで使われています。
「火の用心」などといわれるのは、日頃からの心がけで、災難を防ぎましょう、ということです。
「オレオレ詐欺には用心しなければ、と母はいつも言っている」
「肝に銘じる」
「肝に命じる」とするのは誤用で、「肝に銘じる」つまり、体や心に刻みつける、というのが正しい意味あいになります。
心の片隅に、という「留意」よりもさらに強く、絶対に忘れないように、という意味で使われています。
「二度と妻を泣かせない、と肝に銘じた」
「留意」の英語・例文など

「留意」は英語でどのように表せるでしょう。
例文や構文を挙げておきますので、ふさわしいものを活用してみてください。
- “note that〜”
- “I'll keep that in mind.”
“note that〜”
「〜に留意してください」というときには、“note that”構文を使います。
“that”以下に「留意」してほしい点を述べることで、「留意事項」について伝えることができます。
日本語では「ご了承ください」と述べる場合にも、“note that”を使用するといいでしょう。
“I'll keep that in mind.”
覚えておきます、や「留意」します、というときには、“I'll keep that in mind.”という英語を使うといいでしょう。
“keep in mind”とは肝に銘じる、心に刻んでおく、といった意味でも使われますので、幅広く、「覚えておくね」という意味を伝えたいときに使えます。
「留意」と「配慮」の違い

「留意」には、ある物事について覚えておく、そしてその通りに物事をすすめる、というような意味がありますが、「配慮」とはこのような意味あいにプラスして、思いやりや心配りといったニュアンスを持つ言葉です。
ある物事に「留意」した上で、ケースバイケースでその物事をとらえ、よりよい動きをする、というのが「配慮」といえるでしょう。
「留意」とは、心に留めておくこと、という意味の言葉でした。
大事なことは心だけではなく、どこかに書きつけたりすることで、時折リマインドできるようにしておくと、忘れてしまうのを防げるのではないでしょうか。