「現状」の意味とは?「現況」や「近況」との違い、英語や類語を紹介!
「現状」という言葉はよく知られていますが、「近況」とどう違うの?など、疑問を持っている方もおられるでしょう。
ここでは、「現状」という言葉について、意味や読みから使い方などご紹介していますので、ぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「現状」の意味とは?
- 「現状」の読み方と漢字
- 「現状」の英語
- 「現状維持」の対義語
- 「現状」の言葉の使い方
- 「現状」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「現状」を使った例文や短文など
- 「現状」の類語や類義表現
- 「現状」と「現況」の違い
- 「現状」と「近況」の違い
「現状」の意味とは?
「現状」とは、今そのままの状態、という意味を表すラテン語からなった言葉といわれており、現在の状態、今のありさま、の意味で使われています。
同音異義語に、初めの状態を意味する「原状」という言葉がありますが、漢字の意味から違いを考えれば間違うことはないでしょう。
「現状」の読み方と漢字
「現状」は「げんじょう」と読みます。
「現」という漢字はほかに、「あらわ-れる」「あらわ-す」「うつつ」といった読みを持ち、隠れていたものが見えるという意味のあらわれる、生きていることなどを表しますが、ここでは現在の、今の、という意味で使われています。
「状」という漢字はほかに、「かたち」「かきつけ」というあまり聞きなれない読みを持ち、姿かたちや、手紙のことを意味するほか、ここではようすやありさまを表す語として使われています。
「現状」の英語
「現状」を英語で表したいときには、“currently”、“at the moment”、“right now”などの使うといいでしょう。
どれも、今のところは、ちょうど今は、というように、「現状」を伝えたいときに使われる言葉ですので、ふさわしいといえます。
ほかに、“as things stand”や“present situation”なども同様に使うことができます。
「現状維持」の対義語
「現状維持」とは、よくも悪くも今の状態を保つことを意味しますので、対義語には「現状打破」という言葉が挙げられます。
「現状打破」とは、今の状況から、思い切って舵を切ることでよい方向へと向かわせるべく、変化を起こすことを言います。
「三位止まりから現状打破するには、トレーニングの質をあげなければならない」
「現状」の言葉の使い方
「現状は○○です」のような使い方がよくされており、ビジネスシーンにおいても企画の進行状況などを示すときに、「現状としましては、○○と△△が並行して進められており、□□が課題となっております」のように使うことができます。
今のところ、というようなカジュアルな口調よりも、「現状」という言葉を使ったほうが締まる場面が多々ありますので、大人は知っておいて損のない言葉でしょう。
「現状」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
「現状」を使用した語句をいくつか挙げておきます。
どれもよく使われ、関連のある言葉ですのであわせて覚えてしまいましょう。
- 「現状復帰」
- 「現状のまま」
- 「現状維持」
「現状復帰」
もとの状態に戻ることを「現状復帰」と思っている人は多いでしょうが、よく考えると、「現状」とは今のことなのに、復帰するってどういうこと?と疑問が生まれます。
実はこの言葉は、「現状」ではなく「原状」とするのが正しく、「原状復帰」でもとに戻す、戻る、ということを指し示します。
よく使われている言葉ですが、意味を考えればすぐに間違いと気づくものですので、気をつけて使ってください。
「現状のまま」
今のまま、という意味の言葉で、「現状のままでいい」「現状のままでいる」「現状のままにしておく」のような使われ方が一般的です。
崩れないようにそっとしておくことや、保守的な印象を持たせる言葉ですが、経営に関することなどでは、時代の流れを汲まず、「現状のまま」を保とうとすると、どこかにひずみが生まれるおそれがあります。
「現状のままでいたいが、交際三年を迎えた頃から、彼女は結婚を意識するような発言が増えた」
「現状維持」
「現状打破」という対義関係にある言葉とともにご紹介しましたが、今の状態を保つことを表します。
「定年を迎えてからは毎朝2キロ走ることを自分に課し、体力の現状維持につとめている」
「現状維持も大切かもしれないが、そろそろ現状打破したいとも思う」
「現状」を使った例文や短文など
次に、「現状」を使用した例文を見ておきましょう。
具体例の中でどのように使われているか見ておくと、すぐに日常に取り入れられるようになります。
- 「現状」の例文1
- 「現状」の例文2
「現状」の例文1
「現状としては依然として犯人の足取りは掴めていない」
「現状」には、今のところ、つまり暫定的な判断を下す、という意味あいがあります。
目標はあるが、現在のところはこのあたりだ、ということを示したいときに使うといいでしょう。
この例文の場合にも、最終的には犯人を捕まえることが目標だが、今はまだ、足取りを掴めていない状況である、ということを表します。
「現状」の例文2
「随分うまくなったが、現状まだ彼には勝てずにいる」
こちらの例文でも、目標には達していないが、今のところここまで進んだ、ということを表しています。
終わりがなく、いつも今いる場所を通過点とする見方から、アスリートなどスポーツの世界でも使われやすい言葉といえるでしょう。
「現状」の類語や類義表現
「現状」の類語には、「現況」「近況」のほか、「現時点」「暫定」などが挙げられます。
また、「現状のまま」という言葉では、「従来通り」「このまま」といった言葉が類語としてふさわしいといえるでしょう。
砕けた会話の中では「今のところ」と言い換えてもいいでしょう。
「現状」と「現況」の違い
二つの語に大きな違いはありませんが、ニュアンスとしては、「現状」にはこれから自分の意思で変化させていくことを示すものが多く、「現況」とは客観的事実で、自分の意思のみでは変えることができないものが多く含まれるようです。
「○○プロジェクトの現況をご報告致します」
「現状」と「近況」の違い
「現状」は現在の状態のことでしたが、「近況」とは身辺の状況、近頃のようすを表す言葉です。
「現状」は、ビジネスなど公的なシーンでも使われる言葉ですが、「近況」は個人的なできごとについて語ることを意味しますので、使い分けがはっきりしています。
「家族には定期的に近況報告を求められる」
「現状」とは、現在の状況を意味する言葉でした。
今が苦しいときであっても、それも「今」という点でしかありません。
このときを乗り越えることで、幸せを感じるときが来るのだ、と自分を鼓舞して今を乗り切りましょう。