「冗長」の意味とは?「冗長」と「冗漫」「無駄」の違い・対義語・読み方・英語
冗長は、色々な対象に使われる言葉です。
意味は1つながら、色々な使い方ができるところが特徴です。
目次
- 「冗長」の意味とは?
- 「冗長」の読み方
- 「冗長」の英語(解釈)
- 「冗漫」と「冗長」の違い
- 「冗長」の言葉の使い方
- 「冗長」を使った言い回しと意味を解釈
- 「冗長」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「冗長」と「無駄」の違い
- 「冗長」の対義語
「冗長」の意味とは?
冗長という言葉は、「余分な部分がある」という意味で使います。
ただし、それが必ずしも要らない部分という訳ではなく、遭えてそのようにしている場合にも使われる言葉なので、決して悪い意味だけで使われる訳ではありません。
例として、鉄道などの経路検索において、最短ではない遠回りしているルートのことを「冗長経路」と呼んでいます。
色々な使い方ができる言葉ですが、この使い方は、具体的にどのような使うのかといういい例の1つです。
「冗長」の読み方
「冗長」は、「じょうちょう」と読む言葉です。
二文字ともそのまま音読みで読めばいいだけなので、特に難しい読み方ではありません。
逆に、読み方が簡単過ぎるので、本当にこの読み方でいいのかと思ってしまうくらいです。
「冗長」の英語(解釈)
冗長を英語で表記すると、“verbose”となります。
この言葉は、「くどい」、「言葉数の多い」という意味で使われる為、そのまま日本語の「冗長」と訳されることも少なくありません。
尚、この“verbose”は、コンピュータの世界で設定の1つとして使われていることも多い言葉です。
“simple”の反対で“verbose”と使われることが多く、例えば、ログの出力方法で、詳細な部分まで必要な時にはこの“verbose”と設定するという具合です。
このような場合には、「余分」というニュアンスではなく、「言葉数の多い」の方の意味で使っています(もちろん、悪い意味でもありません)。
「冗漫」と「冗長」の違い
「冗漫」(じょうまん)は、主に文章に対して使われる表現です。
「長くて締まりがない」という意味で、「冗漫な小説だった」と言えば、余計な表現や言い回しが多く、締まりのない小説だったという解釈になります。
「冗漫な挨拶」という使い方もよく見聞きします。
「冗長」と基本的な意味は一緒ですが、使える対象が限られている言葉だという理解でいいでしょう。
その為、先の例で挙げた「冗長経路」をこの「冗漫」で置き換えることはできません。
「冗長」の言葉の使い方
冗長は、余計な部分があると思った時に使える言葉です。
ただし、多少堅い言葉なので、無理に使うこともありません。
「この仕組みは多少冗長だ」はなという言い方をするよりも、「〜は多少余分な所がある」と言い換えた方がスムーズな場合も多いです。
必ずしも悪い意味ではありませんが、「余分」なところがあると伝える為の言葉なので、自らの何かに対してであれば構いませんが、その他にはあまりすすんで使わない方がいいでしょう。
「冗長」を使った言い回しと意味を解釈
「冗長」を使っている、よく見聞きする言葉です。
最初の2つに関しては、是非覚えておきたい表現です。
- 「冗長化」
- 「冗長性を持たせる」
- 「冗長な話」
「冗長化」
冗長してしまうことを表す表現です。
「つい話が冗長化した」などという使い方になり、「冗長化するのは避けたい」といった形でもよく使われます。
簡単に表現すると「(余分な部分で)長くなってしまうこと」と考えていいでしょう。
「冗長性を持たせる」
この言葉は、コンピュータの世界で使われます。
冗長性(余分な部分)は、基本的にはないに限りますが、この世界で「冗長性を持たせる」とは、あらゆるチェック機能や障害時の回復機能といった、普段の使用上では必要のない安全の為の機能を付けることです。
「冗長な話」
余分な部分が多く、間延びしてしまっている話に対して使う言葉です。
この「冗長な話」と言われた場合には、いい意味は全くなく、簡単に言ってしまうと、「話が無駄に長い」と言っているという訳です。
「冗長」を使った例文や短文・意味を解釈
冗長を使った例文や短文です。
悪い意味で使っているものだけでなく、遭えて冗長な状態にしたという例も挙げてみます。
- 「冗長」の例文1
- 「冗長」の例文2
- 「冗長」の例文3
「冗長」の例文1
「冗長な表現だと言われてしまったが、自分ではそうは思わない」
このような、自分ではそうと思わなくても、人からはそうではないと思われてしまうケースは少なくありません。
それが作文や小説だった場合には、もう少し短くまとめて書き直すことができるかも知れません。
「冗長」の例文2
「余計な話で、恐怖を冗長させてしまった」
「余計に怖がらせてしまった」と使っています。
「冗長」はこのような使い方もできる言葉で、例文のようなことになる原因は、肝試しの前にその場所に関する昔の怖い話をしたなどといったことでしょう。
「冗長」の例文3
「データにパリティビットを付けて冗長させたお陰で、確実性が高まった」
データがきちんと送受信できるように、このパリティビットを使う方法があります。
一定のデータごとに、そこまでのチェックとなるこのビットを付けることで、その部分に異常があればそれによって検知できるので、再送信するなどの対応が行えます。
他にもチェックサムやCRCと呼ばれる、パリティビットと同様にデータ本体とは別の余分なビットを付け、それによってチェックする方法があり、どのような通信でも、基本的にこのどれかしらのチェックがされていると考えてください。
「冗長」と「無駄」の違い
「冗長」は、言ってしまえば「無駄」を抱えていることだとも表現できますが、コンピュータの世界での使い方のように、決して「無駄」だけという訳ではありません。
「無駄」は完全に要らないものを指しますが、「冗長」で含まれる「余分」なものの中には、場合によってはそうではないものも含まれるという点が、この2つの言葉の違いです。
「冗長」の対義語
「冗長」の反対の意味は、「簡潔」です。
この言葉がそのまま対義語で、「余分な部分がないこと」という意味で使います。
「簡潔な話」は、余計な部分がなく、短くまとまった話という意味です。
遭えて(必要として)余分と思われる部分を持たせている場合以外には、「簡潔」であるに越したことはないでしょう。
冗長は、それほど見聞きする言葉ではありませんが、きちんとした意味を覚えておくと、ここぞという時に使える言葉です。
また、コンピュータの世界では、ほとんど悪い意味では用いられないという点も合わせて覚えておいてください。