「威圧」の意味とは?「威圧的」と「高圧的」の違い・読み方・対義語・類語・英語
「威圧」という言葉は多くの人が知っていますが、「威圧」の英語や類語、また、「威圧的」と「高圧的」の違いなど、そういえば曖昧だ、知らない、という人は多いかと思います。
ここでは、「威圧」という言葉についてご紹介していますので、この機会にぜひ一読ください。
目次
- 「威圧」の意味とは?
- 「威圧」の読み方・漢字
- 「威圧」の英語
- 「威圧」の対義語
- 「威圧」の言葉の使い方
- 「威圧」を使った言葉と意味を解釈
- 「威圧」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「威圧的」と「高圧的」の違い
- 「威圧」の類語や類義表現
「威圧」の意味とは?
「威圧」とは、おどしたり、おさえつけるような態度をとって、相手をこわがらせたり、従わせたりすることをいいます。
腕っぷしを見せつけることによる肉体的な「威圧」もあれば、権力を振りかざし、相手の立場を危うくするような言動をほのめかす精神的、社会的な意味あいを含む「威圧」もあります。
どの場合にも、相手の気持ちを尊重せず、無理矢理にさせる、ということを意味します。
「威圧」の読み方・漢字
「威圧」は「いあつ」と読みます。
「威」という漢字はほかに「イ」という読みを持ち、おごそかさ、勢いなどを表すほか、ここではおどし、おびやかすこと、といった意味で使われています。
「圧」という漢字はほかに、「オウ」「お-さえる」「お-す」「へ-す」といった読みを持ち、おさえること、おすこと、おさえつけること、また、そのような力を意味しています。
「威圧」の英語
「威圧」を表す英語にはまず、「coerce」というものがあります。
強制する、強要する、○○することを強いる、とも訳すことができ、かなり強い語調になります。
ほかに、威張っている、という程度の「威圧」に関しては「bossy」、もうすこし強めの「威圧」では「pushy」という単語を覚えておくといいでしょう。
「bossy」「pushy」「coerce」の順に、「威圧」の度合いが高くなっていきます。
「威圧」の対義語
一般的に「威圧」の対義語には「懐柔」という言葉が当てはまるとされています。
「威圧」とは権力や膂力をもって、相手を無理矢理に従わせることですが、「懐柔」とは相手を上手に扱い、手懐けることで思い通りに従わせることをいいます。
方法は違えど、相手を抱き込む、従わせる、というところには変わりありません。
他者を自分の意のままにするための手段が真逆である、という意味の対義語になります。
「威圧」の言葉の使い方
「○○を威圧する」「○○に威圧される」のように、する側とされる側の立場がはっきりとするように使うと意味が伝わりやすいです。
また、肉体的な「威圧」か、精神的な「威圧」かなど、どのような手法をもって「威圧」するのかについて言及されていると、さらに意味が通じやすくなりますので、そのような点に留意して使うといいでしょう。
「威圧」を使った言葉と意味を解釈
それでは、「威圧」を使用した語句をご紹介します。
とてもよく使われるものばかりですので、語句ごと覚えておくようにしましょう。
- 「威圧的」
- 「威圧感」
「威圧的」
ここでいう「的」とは、接尾辞のひとつで、「○○の」というときの「の」を意味することの多い言葉です。
とはいえほとんど意味らしいものはありません。
しかし、「的」という言葉を添えることで、語調が整うためか、「威圧的な○○」という使い方はポピュラーなものです。
「短気な彼はすぐ、威圧的な態度に出る」
「威圧的な面接官だったが、噂に聞く圧迫面接だろうと思い、平常心を維持するよう心がけた」
「威圧感」
ここでいう「感」は、「威圧する」もしくは「威圧される」ような感じ、ということです。
そんな気はなくても、たとえばとても険しい表情をして、言葉少なにしているだけで、「威圧感がある」と思われる人もいますので、「威圧感」とは、とても主観的なものといえます。
「背が高く、体格もがっちりしている男性がいると、それだけで威圧感がある」
「客が威圧感を感じさせる言動に出たので、上司を呼んで対応してもらった」
「威圧」を使った例文や短文・意味を解釈
次に「威圧」を使用した例文を見ておきます。
具体例をいくつか挙げますので、「威圧」を使用するうえでの参考にしてください。
- 例文1
- 例文2
例文1
「権力を盾に威圧するなんて許されないことだ」
中学生くらいの頃、「俺の兄ちゃんは○○先輩と友だち」などと、わけのわからない「威圧」をする人もいたかもしれませんが、これが大人の世界でもまかり通っているとなると、かなり面倒くさい状況です。
とくに、本当に権力を持った人がそのように横柄な態度に出て、周囲の人を「威圧」しているのだとすると、許しがたい話です。
例文2
「クレーム対応をしていると、威圧されることも多い」
実力行使に出ようとする、脅迫めいたことを口走るなど、クレーマーのなかには非常識な人もおり、そのような場合、「威圧」することでいうことを聞かせようとしてくることがあります。
かといって、「威圧」した者が勝つような社会では成り立ちませんので、落ち度が認められたときには謝罪し、理不尽なクレームには毅然と立ち向かうことが、つぎの「威圧」的なクレームを未然に防ぐことにもなりえます。
「威圧的」と「高圧的」の違い
どちらも似た意味で使われていますので、厳密に使い分ける必要がないほどです。
「威圧的」とは、腕っぷしや権力を使って相手をおびえさせ、従わせることでした。
これは裏返しに見ると、権力や膂力に頼らなければ、相手を支配できないということが無意識的にわかっているからこその行動です。
一方「高圧的」とは、権力などを使って、頭ごなしに相手をおさえつけ、従わせることをいいます。
こちらは相手のことを見下しており、そのために横柄な態度に出ても構わないだろう、と相手を軽んじていることが多くあります。
「威圧」の類語や類義表現
最後になりましたが、「威圧」の類語には、「威力」「威光」「威嚇」など、同じ「威」という漢字を使用したもののほかに、「すごみ」「脅し」などの言葉も当てはまります。
よくいえば、「存在感がある」ことや、「風格」をもっている、といえることもあるでしょう。
「威圧」とは、権力や膂力によって相手をおさえつけ、従わせることを意味する言葉でした。
「威圧」することで誰かを従わせるのでなく、それぞれの個性や人間性を尊重し、尊敬しあえる関係づくりができると、結果的に従わせて無理やりやらせたよりも、いいものをつくっていくことができるのではないでしょうか。