「根幹」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
根幹は、色々な物事に対して使われる言葉です。
使い方によって、その対象がいい意味にも悪い意味にもなります。
目次
- 「根幹」の意味とは?
- 「根幹」の読み方
- 「根幹」の英語(解釈)
- 「根幹」の言葉の使い方
- 「根幹」を使った言葉と意味を解釈
- 「根幹」を使った例文や短文(解釈)
- 「根幹」の類語
- 「根幹」の対義語
「根幹」の意味とは?
根幹とは、何かの「物事の中心」や「大元になる部分」を指します。
「システムの根幹」と使えば、そのシステムの中心となる部分のこととなり、「根幹をなす」(それにより、中心が構成されている)といった使われ方が多いです。
他にも「根幹にあるのは〜」などという使い方もでき、例えば、「この事件の根幹は〜」と使うと、事件の大元となった理由や原因のことになります。
「根幹」の読み方
「根幹」は、「こんかん」と読んでください。
「根」、「幹」の両方を音読みするだけなので、初めて見た時でも間違えて読むことはないでしょう。
これらの漢字がそのままこの言葉の語源で、「根や幹の部分」(植物を構成している中心部分)という意味でそれらがくっ付き、この「根幹」という言葉になったと考えると分かりやすいでしょう。
「根幹」の英語(解釈)
根幹は「中心」のことだと考えると、英語では“center”になりますが、この“center”は主に「物理的な中心」を表現する言葉なので、「物事の中心」という「根幹」の意味とは違ってしまいます。
その意味になる英語だと、“fundamental”が一番近いと言えるでしょう。
この言葉は、「物事の土台に関わる部分」という意味なので、「根幹」とほぼ一緒の意味として使うことができます。
また、“basis”という言葉も「物事の基礎」の意味になり、こちらを使ってもいいでしょう。
後述する「根幹部分」という意味で使いたいなら、上の“fundamental”の方が向いています。
「根幹」の言葉の使い方
根幹は、意味となる「中心」や「大元」をより深く表現したい時に使う言葉です。
「この規則の中心にあるのは〜」とするより、「この規則の根幹にあるのは〜」とした方が、その後に続く言葉の意味が重くなります。
しかし、無理に使うと大袈裟になってしまうので注意が必要です。
「このグループの根幹は〜」などという使い方がそのいい例で、さすがに「このグループの中心は〜」の方がいいでしょう。
「根幹」を使った言葉と意味を解釈
「根幹」を使ってできている言葉の解説です。
どちらも「根幹」の使われ方としてよく見る形です。
- 「根幹部分」
- 「根幹を揺るがす」
「根幹部分」
「根幹」は、この「根幹部分」という用いられ方をすることがあります。
これは、そのまま「中心部分」と解釈してください。
「根幹」だけでその部分という意味も含まれていますが、よりそれを強調したい時に使う表現です。
よって、意味は「部分」が付いていなくても大筋で変わりません。
「この規定の根幹は〜」と、「この規定の根幹部分は〜」は意味はどちらも一緒ですが、後者の方がその後に続くことを強調したい時の表現だと考えてください。
「根幹を揺るがす」
「大元となる部分にまで影響が及ぶ」という意味で使います。
「システムの根幹を揺るがすミスが見付かった」というような使い方になり、大きな問題点が発生した時や、その対象について厳しく追求した時などに使われます。
「根幹」を使った例文や短文(解釈)
根幹を使った例文や短文です。
いくつかの使い方はここまでにも挙げましたが、更に詳しい使い方です。
- 「根幹」の例文1
- 「根幹」の例文2
- 「根幹」の例文3
「根幹」の例文1
「鎌倉幕府の根幹をなしていたのは、御家人制度だったと言えるだろう」
昔の主君と家臣の主従関係と言えば、戦国(安土桃山)時代や江戸時代のそれが有名ですが、このような関係を結び、その主君(その家)に仕える形のこの「御家人制度」は、鎌倉幕府で確立されたものです。
この制度による数々のメリットによって、同幕府は約150年もの間存続することができたと言えるでしょう。
そして、ここで確立されたこの御家人制度は、後の時代にも引き継がれていくことになります。
「根幹」の例文2
「競馬での根幹距離は400mと決まっている」
競馬ではこのように、「根幹距離」という独自の言葉を用いています。
「単位となる距離」という解釈で、1600mや2000m、2400mといったレースが多いのは、この根幹距離という設定がある為です。
「中心」や「大元」という使い方ではなく、「1つの基準」という意味で「根幹」を使っており、このような使い方もできるという例になります。
尚、この競馬で2200mや3000mといった400m単位ではないレースは「非根幹距離レース」と呼ばれます。
「根幹」の例文3
「選挙こそ、民主主義の根幹だと言われている」
国民主権の民主主義では、選挙によって代表者が選出されるのが原則です。
この仕組みこそが根幹であり、それを行わずに一部の人間だけで代表者、及び意見が決められてしまうのが社会主義です(簡単に表現しています)。
その為、この選挙が公正に行われないと、それこそ「民主主義の根幹を揺るがす」ことになってしまいます。
「根幹」の類語
根幹と似た意味で使える言葉です。
どちらもおおまかには同じ意味だと考えていいでしょう。
- 「根底」【こんてい】
- 「根本」【こんぽん、ねもと】
「根底」【こんてい】
この「根底」は「根幹」と置き換えることができることも多い言葉で、一番「根幹」に近い表現だと言えるでしょう。
「根幹にあるのは〜」は、「根底にあるのは〜」としても、大抵の場合で問題ありません。
言葉の通り、物事のベース部分(理由や原因となる基礎部分)を指して使われることが多く、先の「この事件のは〜」などは、この「根底」と置き換えた方が表現としてスムーズです。
「根本」【こんぽん、ねもと】
この言葉もまた、「基礎の部分」という意味で使います。
「根幹」より上の「根底」の方に近く、その意味をそこまで重くは表現しない時に使う言葉です。
つまり、「中心」や「大元」を重く表現する時に使うにが「根幹」で、この「根本」の場合には「根底」になると考えていいでしょう。
「根幹」の対義語
根幹と反対の意味で使われるのは、「末節」(まっせつ)です。
「物事の中心ではない(部分)」と解釈される言葉で、全く逆の意味になります。
「そんな末節のことはどうでもいい」などという使い方をされ、物理的な物の中心から外れた部分を指して使うこともできます。
根幹は、類語として挙げた「根底」や「根本」などと共に、物事の中心や大事な(基礎)部分を指して使います。
対象や状況によって、これらの言葉とうまく使い分けてください。