「布石」とは?意味・類語・英語【使い方や例文】
「布石」とは、「将来のためにあらかじめ配置しておく備え」や「囲碁において序盤に全局的な構想を立てて石を置くこと・石を打つこと」です。
「布石」の「意味・読み方・英語と解釈・語源・使い方・布石を使った言葉と意味・例文と解釈・類語や類義表現」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「布石」の意味とは?
- 「布石」の読み方
- 「布石」の英語(解釈)
- 「布石」の語源
- 「布石」の言葉の使い方
- 「布石」を使った言葉と意味を解釈
- 「布石」を使った例文・短文(解釈)
- 「布石」の類語や類義の表現
「布石」の意味とは?
「布石」の意味は、「将来のためにあらかじめ配置しておく備え」や「未来のために前もって整えておく手はず」、「囲碁において序盤に全局的な構想を立てて石を置くこと・石を打つこと」になります。
「布石」は元々は囲碁の序盤戦の用語として生まれた言葉で、序盤から終盤までの予測を立ててあらかじめ要所要所に石を配置しておくということです。
その意味から転じて、布石は「事前に未来のために必要な手はず(準備)を整えておくこと」や「これから先の将来を見通して、あらかじめ必要なものを配置して備えておくこと」を意味するようになりました。
例えば、「相手がどんな作戦で攻撃してこようとも、すでに布石は打ってあるので大丈夫です」といった文章において、布石の意味を示せます。
「布石」の読み方
「布石」の読み方は、「ふせき」になります。
「布石」の英語(解釈)
「布石」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。
囲碁用語としての「布石」は、“strategic placing of pieces”(戦略的な碁石の配置)や“setting up a go game”(囲碁の試合の準備・手はず)で表現することができます。
“the arrangement of stones at the beginning of a game of go”(「碁のゲームの序盤における石の配置の仕方・打ち方」で、「布石」を意味しています。)
“preparation for〜”(「〜のための準備・用意」から、「布石」を意味しています。)
“Intentional mistakes were preparation for winning the game. ”(意図的なミスこそが、試合に勝利するための布石だったのです。)
“set-up for〜”(「〜のための準備・立ち上げ」から、「布石」を意味しています。)
“Set-up for building meaningful relationships is important later in life. ”(人生の後半では、意味のある人間関係を構築するための布石が重要なのです。)
“strategic moves”(「戦略的な動き」から、「布石」を意味しています。)
“It was a strategic moves for the rapid economic growth. ”(それが、急速な経済成長のための布石でした。)
「布石」の語源
「布石」の語源は、「囲碁用語」にあります。
一局の碁(ご)の勝負は、「序盤・中盤・終盤」の三段階に分けることができ、それぞれの段階は「石立(いしだて)・分かれ(わかれ)・固め(かため)」と言われることもありました。
「布石」というのは「序盤・石立」における先を見通した「石の配置・石の打ち方」のことであり、序盤戦から中盤戦の展開あたりまでのことを指示しています。
手数の数字が定義されているわけではありませんが、囲碁の勝負の序盤における「約40〜50手」までの石の配置が「布石」と呼ばれていたのです。
現在では、囲碁用語としての「布石」の意味よりも、政治・経済・人間関係・各種の戦略的行動などに「布石」の言葉は応用され、「将来を見通して手はずを整えておくこと」の意味が中心になっています。
「布石」の言葉の使い方
「布石」の言葉の使い方は、「将来のためにあらかじめ重要な物事・行為を配置しておく場合」や「未来のために先を予測して、前もって有利になる手はずを整えておく時」に使うという使い方になります。
「布石」という言葉は、あらかじめ必要な物事を十分に準備したり、事前に物事が上手く行くように手はずを整えたりする場合に使用することができるのです。
例えば、「政治改革のための布石は打っているので、よほどの変化がない限りは改革を進められるでしょう」や「こちらを封じ込めるために入念に仕掛けられた布石を、楽に回避することなどできない」などの文章において、「布石」という言葉を正しく使うことができます。
「布石」を使った言葉と意味を解釈
「布石」を使った代表的な言葉として、「布石を打つ」と「布石を投じる」があります。
この項目では、「布石を打つ」と「布石を投じる」の意味を解釈していきます。
- 「布石を打つ」
- 「布石を投じる」
「布石を打つ」
「布石を打つ(ふせきをうつ)」の意味は、「将来のためにあらかじめ物事を配置して備えること」や「未来のために前もって手はずを整えておくこと」などになります。
「布石を打つ」というのは、「不確定な未来(将来)を予測して、前もって必要な準備をしておくこと」を意味する「布石を用いた慣用句」であり、「今後の布石を打っているので、何の心配も要らない」といった使い方をすることができます。
「布石」の言葉を実際の文章・言葉で使う時には、「布石を打つ」という慣用句の形で使われることが多いのです。
「布石を投じる」
「布石を投じる(ふせきをとうじる)」というのは、「一石を投じる」という別の言葉と混同されたと推測される「布石の言葉の誤用」になります。
すなわち、「布石を投じる」という言葉は、正しい日本語としては存在せず、間違った布石の言葉の使い方・言い回しであるということです。
囲碁用語としての「布石」は、「投じる(投げる)」ものではなく「打つ」ものなのです。
「布石を投じる」の間違いの一因になった「一石を投じる」という言葉の意味は、水に石を投げると波紋が生じるということから、「反響・反応を呼ぶような問題を投げかける」という意味になります。
「布石」を使った例文・短文(解釈)
「布石」を使った例文・短文を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「布石」の例文1
- 「布石」の例文2
- 「布石」の例文3
「布石」の例文1
「市場の競争環境が変化した時のために、どんな変化にも対応できるような布石を打っておきました」
この「布石」を使った例文は、「市場の競争環境が変化した時のために、どんな変化にも対応できるように前もって準備しておいたこと」を意味しています。
「布石」の例文2
「何も考えていないようにも見える彼の言葉・行動の一つ一つが、不確定な未来に備える布石になっていました」
この「布石」を使った例文は、「何も考えていないようにも見える彼の言葉・行動の一つ一つが、不確定な未来を見越して予測した上での意味のある言動(有意義な備え)になっていたこと」を意味しています。
「布石」の例文3
「政治・民意の先を見通してここまで見事な布石を打たれると、政界再編の波を無理矢理に押さえ込むことはもうできないでしょう」
この「布石」を使った例文は、「政治・民意がこの先どうなるかを確実に見通して、ここまで見事な事前の対応策・手はずを整えられると、政界再編の波を無理矢理に押さえ込むことはもうできない」ということを意味しています。
「布石」の類語や類義の表現
「布石」の類語や類義の表現には、どのようなものがあるのでしょうか?「布石」の類語・類義表現について、分かりやすく解説していきます。
- 「対応策・措置」
- 「予防策・防止策」
- 「先手を打つ・手を回す」
「対応策・措置」
「布石」の類語・類義表現として、「対応策・措置」があります。
「布石」の言葉の意味は、「不確定な未来に備えて、有効な対応策を講じること」や「将来のために必要な措置をあらかじめ取ること」になります。
「対応策」とは「問題状況に効果的に向き合うための方法・方策」であり、「措置」というのは「事態に応じて必要な手続きを取ること」を意味しています。
事前に未来のために備える「布石」の類語として、「対応策・措置」を上げることができます。
「予防策・防止策」
「布石」の類語・類義表現として、「予防策・防止策」があります。
予防策や防止策というのは、「問題が起こる前に、あらかじめ問題発生を防ごうとする方策・方法」を意味しています。
「布石」というのは、未来の成功や幸せのために前もって問題を防ごうとする戦略・方策のことですから、その類義表現として「予防策・防止策」を指摘することができます。
「先手を打つ・手を回す」
「布石」の類語・類義表現として、「先手を打つ・手を回す」があります。
「先手を打つ」というのは、「相手よりも先んじて行動を起こすこと」を意味しています。
「手を回す」の言葉の意味は、「目的を達成するために裏で何らかの要求・画策をすること」になります。
将来を見越して必要な手はずを整える「布石」の類義表現として、「先手を打つ・手を回す」を上げることができるのです。
「布石」という言葉について徹底的に解説しましたが、布石には「将来のためにあらかじめ配置しておく備え」や「囲碁において序盤に全局的な構想を立てて石を置くこと(石を打つこと)」などの意味があります。
「布石」の類語・類義表現としては、「対応策・措置」「予防策・防止策」「先手を打つ・手を回す」などがあります。
「布石」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。