「見繕う」の意味とは?類語、英語や使い方、例文を紹介!
日本語が言語の中でも特に難しいとされる理由の一つに同じ単語でも場面・条件によって意味が変わる言葉がたくさんあります。
間違えて使ってしまうと時に相手に失礼なことを言ってしまうこともあります。
そんな言葉の一つが「見繕う」です。
大きく分けて意味が2つあり、それぞれ使う場面も異なるため、使い分けと注意が必要な言葉です。
目次
- 「見繕う」の意味とは?
- 「見繕う」の読み方と語源
- 「見繕う」の英語(解釈)
- 「見繕う」は目上に使える?
- 「見繕う」の言葉の使い方
- 「見繕う」を使った例文や短文(解釈)
- 「見繕う」の類語や類義表現
「見繕う」の意味とは?
「見繕う」と言う言葉の意味として、主には2つに分類されます。
1つ目は「目的に合わせて適当に取りそろえる・集める」という意味です。
この場合、目的となるもの(食事や服・家具等)が決まっているが、厳密に何にするかは決まっていないため外れのないように集めるという意味となります。
もう一つは「しっかりと見定めて判断する」という意味になります。
この場合、前者のように曖昧に判断するのではなく、しっかりと考えたうえで決めるという意味になります。
意味は異なりますが、共通していることとしてどちらも大使賞に対しての意味を持ちます。
そのため1つ目の「適当」という部分も、何でもよいわけではなくその対象に応じた「適度」という意味となります。
「見繕う」の読み方と語源
「見繕う」という言葉は「みつくろう」と読みます。
その語源として動詞である「作る」の未然形である「つくら」に接尾語の「負」が付きます。
その結果「つくらふ」が形を変えて「つくろう」になりました。
また「繕う」自体の意味に加えて見て決めるということで「見」「繕う」と言葉が合わさり、「見繕う」という単語が生まれました。
「見繕う」の英語(解釈)
「見繕う」という言葉は「見る」「繕う」の二つの言葉がわさって厚生られる単語です。
英語で表現する際に単語で表すことは難しく、文章での表現となります。
最も近い英語での表現として“choose a thing at one's discretion”となります。
“discretion”で裁量・推し量るといった意味を持ち、“one's discretion”となることで自分の裁量という意味になります。
そして“choose a thing”されることで「自分の裁量で判断する」という解釈になり、「見繕う」と同義の意味で表現されます。
また“choose (a thing) at one's discretion”では見繕う人物は自分になりますが、“one’s”の人称を変えることで大賞を変えることも出来ます。
「見繕う」は目上に使える?
「見繕う」という言葉は2つの意味があるため、使い分けがとても重要であり、目上に対して使う際、1つ目の意味(目的に合わせて適当に取りそろえる・集める)で用いると「適当に選ぶ」と解釈されかねません。
しかし2つ目の意味(しっかりと見定めて判断する)で用いると「しっかりと熟考・判断して決めている」と良い印象を与えることも出来ます。
そのため意味の違いと使い分けが適切にできるのであれば、目上に対して使用しても問題ありません。
「見繕う」の言葉の使い方
「見繕う」という言葉は自分にも相手にも用いることが出来る単語です。
自分に対して使う場合、何かをするときに「見繕う」と使用します。
また相手に対しては「見繕ってください」とお願いする時に使用します。
しかし自分に使う際、見繕う対象が何かで使い分けが必要です。
お菓子の詰め合わせや買い物のように簡単な物であれば問題ありません。
しかし相手へのプレゼントやお礼・目上への手土産など、しっかりと考えたうえで選ぶ・破断する方がいいものに使うと、適当に選んでいると判断されかねません。
また相手に使う際、お願いする内容に応じて使うべきか否かの判断も求められます。
言葉のニュアンスとして「適当・厳密」と反する意味を兼ね備えているため、言葉の使い方には注意が必要です。
「見繕う」を使った例文や短文(解釈)
「見繕う」という言葉は日常で使う機会の多い言葉です。
しかし使い方ひとつで相手とのトラブルにつながるリスクもあります。
そのためどのような使い方が望ましいか、例文と解釈を紹介していきます。
- 「見繕う」の例文1
- 「見繕う」の例文2
- 「見繕う」の例文3
「見繕う」の例文1
「来週友人とうちでパーティをするんだ。お菓子がたくさんいるんだけど、何でもいいから適当に見繕うことってお願いしてもいいかな」
この場合、翌週にパーティを予定しており、その準備の手伝いをお願いしています。
お願い自体はパーティに合わせてお菓子をそろえておいてほしいという内容ですが、厳密にどのようなお菓子かは決められていません。
そのため適当にいいお菓子を集めてほしいという意味で「見繕う」が使われています。
「見繕う」の例文2
「親に『今日友達と服を買いに行くんだ。友達からファッションがわからないと相談されているから見繕う予定だよ。』と伝えた」
この場合、友人とショッピングを予定しており、そのときに友達の服を選ぶ予定だと親に伝えています。
「見繕う」という言葉が使われていますが、友達の悩みに答えるとつかわれているため、適当に選ぶのではなくしっかりと考えて選ぶという意味で用いています。
「見繕う」の例文3
「こんなに食べ残しがあってもったいないな。適当に見繕う事ってできるか聞いてくるよ」
ここでの「見繕う」のニュアンスとしては食べ残しを捨てるのではなく、適当に集めて持って帰るという意味合いを持ちます。
「見繕う」事態に持って帰るという意味はありませんが、前文で「もったいない」と続き、それに対応した意味で「見繕う」と使われているため、自然と片付け(持ち帰り)の意味になります。
「見繕う」の類語や類義表現
「見繕う」という言葉は2つの意味を持つ言葉であり、類語や類義表現もたくさんあります。
使い分けができるようにその例をいくつか紹介します。
- 「見計らう」【みはからう】
- 「裁量」【さいりょう】
- 「見定める」【みさだめる】
「見計らう」【みはからう】
この言葉は「見繕う」の類語として扱われています。
しかし「見繕う」は物や人を対象にしており、「見計らう」は時期・タイミングを対象としています。
「裁量」【さいりょう】
「裁量」はその人の持つ力量と言う意味を持ち、「見繕う」とほぼ同義の意味です。
しかし「見繕う」という言葉の意味に加えて期待も込められているため、相手へのプレッシャーも含まれています。
「見定める」【みさだめる】
「見定める」はしっかりと見たうえで判断・決定するという意味です。
そのため「見繕う」の2つ目の意味と類似したニュアンスを持っており、類語として扱われています。
「見繕う」という言葉は意味が大きく分けて2つあり、使い方とタイミング次第で相手への印象にも大きくかかわります。
また類語・類義表現もあるため、混同してしまわないように注意が必要です。