「淫蕩」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】
淫蕩は、あまり聞く言葉ではありませんが、そうはなってはいけないという意味で覚えておいて欲しい言葉の1つです。
目次
- 「淫蕩」の意味とは?
- 「淫蕩」の言葉の使い方
- 「淫蕩」を使った例文と解釈
- 「淫蕩」を英語にすると?
- 「淫蕩」の類義語や置き換えられる表現
「淫蕩」の意味とは?
淫蕩とは、「酒や博打、色に溺れる」ことを表す言葉です。
それによって生活が乱れているという意味も含んでいます。
人間そうなってはいけないという例のような言葉で、色とは俗に女性のことで、男性に対して使う言葉です。
昔から駄目な男性の特徴として、「飲む、打つ、買う」の三拍子がありますが、「淫蕩」の一言だけでこれら全てを行っている(ほど駄目な)様子を表現することができます。
- 飲む、打つ、買うとは?
- 「淫蕩」の読み方
飲む、打つ、買うとは?
淫蕩の意味に含まれる3つの要素を簡単に表したもので、昔から使われている表現です。
「飲む」は(人並み以上に)酒を飲むこと、「打つ」は博打に熱狂する様子、「買う」は女性と金銭で関係することです。
最近ではあまり聞かなくなりましたが、時代劇の中では結構な頻度で登場する言葉だと言ってもいいでしょう。
「淫蕩」の読み方
「淫蕩」は「いんとう」と読みます。
「淫」はみだらな様子を表す漢字で、「蕩」はすぐに揺れ動く(落ち着きがない、ふらふらしている)ことを表現します。
この2つの漢字がくっ付いて、「淫蕩」という言葉になり、上記の通りの意味として使われています。
それぞれの漢字の意味を知っていれば、この言葉として知らなくても、大体の想像は付く言葉だと言えるでしょう。
「淫蕩」の言葉の使い方
淫蕩という言葉は、そのような人が身近に居ない限り、滅多に使うことはない言葉です。
また、もし居たとしても、その人の前で直接使うのは避けた方が賢明です。
この言葉で表現されるということは、「飲む、打つ、買う」に溺れていると言われていると同じなので、いい気分がする訳はありません。
本当にそうだったとしても、誰かに直接それを指摘されるのを好む人は居ないでしょう。
「淫蕩」を使った例文と解釈
淫蕩を使った例文です。
言葉の意味から、使えるシチュエーションがかなり限定される言葉で、更に陰口となる場合が多いと言えるので、できれば使わない方がいい言葉です。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「仕事はそれなりにできるんだが、あいつの私生活の淫蕩ぶりには困ったものだ」
いくら仕事とプライベートは別だとは言っても、私生活がそこまで乱れているようでは、その仕事にも支障をきたしてしまいかねません。
「英雄色を好む」(仕事ができる男性は、女好きな傾向がある)という言葉もありますが、淫蕩とまで表現されるほどになると、さすがに困ったものです。
例文2
「敵を欺く為の淫蕩は、時代劇ではお馴染みの場面だ」
時代劇だけでなく、現代のドラマの中でも、わざとそのようなだらしのない人間を装って相手を油断させるといった場面がたまに見られます。
主人公が昼はうだつの上がらない駄目な社員を装い、夜は探偵顔負けの調査員といった有名なドラマもありました。
「淫蕩」とは多少異なりますが、それによって相手を騙すという意味ではよく似ています。
例文3
「淫蕩と言われるほど遊んでいる訳ではないと思ってるんだけど…」
このケースは、2通りが考えられます。
1つは自分ではそう思っていないだけで、周りからは充分に淫蕩に相当するほど生活が乱れていると思われている場合で、もう1つは「淫蕩」という言葉を簡単に使い過ぎていることが考えられます。
「淫蕩」を英語にすると?
「淫蕩」は英語では、“dissipation”が近い言葉です。
この“dissipation”の意味は「遊興や放蕩による素行不良」で、淫蕩な様子をそのまま表現しています。
ですが、「淫蕩」の「色」の部分が抜けている為、その補足に“lewdness”(淫乱な様子)という言葉を加えて、“lewdness and dissipation”と表現するのが一番合います。
実際にも英語圏で淫蕩な様子を表現する為に、この“lewdness and dissipation”と使われています。
「淫蕩」の類義語や置き換えられる表現
淫蕩は男性に対して使う言葉ですが、この女性版とも言える言葉も存在します。
類義語として、それも一緒に紹介します。
- 「婬奔」【いんぽん】
- 「自堕落」【じだらく】
「婬奔」【いんぽん】
「淫」の字が「淫蕩」とは違うところに注目です。
この「婬」は、女性が男性に夢中になる様子を表現する漢字で、この言葉は女性版の「淫蕩」を表すと考えていいでしょう。
「淫蕩」と同じ「淫」を使い、「淫奔」と表記することもありますが、こちらの場合でも女性が対象になります。
「自堕落」【じだらく】
「淫蕩」とよく似た意味で使われる言葉です。
淫蕩とまではいかないが、それに近い(放っておくとそうなってしまう)イメージだと想像してください。
「〜な生活を送っていた」などと、自分に対しても使いやすいところが「淫蕩」とは違う点です。
(自分を淫蕩と表現することはまずありません)
淫蕩な人ほど、自分ではそれに気付いていないことが多いです。
しかし、周りからそれを指摘されることはあまりない為(かなり失礼になる表現なので)、自ら正そうとしない限り、その状態からの脱出は難しいかも知れません。