「率先垂範」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「率先垂範」とは、「人の先頭に立ってやるべき物事を行うことで、人に模範を示すこと」です。
「率先垂範」の「意味・読み方・分解した解釈・使い方・例文と解釈・英語と解釈・類語・座右の銘としての適切さ」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「率先垂範」の意味とは?
- 「率先垂範」を分解して解釈
- 「率先垂範」の言葉の使い方
- 「率先垂範」を使った例文や短文(解釈)
- 「率先垂範」の英語と解釈
- 「率先垂範」の類語
- 「率先垂範」を座右の銘にしても大丈夫?
「率先垂範」の意味とは?
「率先垂範」の意味は、「人の先頭に立ってやるべき物事を行うことで、人に模範を示すこと」や「人にお手本を示すために、自分から進んでやるべき仕事・課題をこなすこと」になります。
「率先垂範」とは自分自ら進んで物事を行うことであり、自発的に仕事・課題に取り組むことで他の人の模範・見本になることなのです。
「率先垂範」の言葉の意味には、「口先だけで他人に指示・命令をするのではなく、自分自身が他の人に先駆けてやるべき物事・仕事をこなすことで模範を示す=自分の説得力のある自発的行動によってリーダーシップを発揮する」といったニュアンスがあります。
「率先垂範」という言葉は、「率先垂範して動く先生の姿を見て、改めて敬服の念を抱いた」などの使い方をすることができるのです。
- 「率先垂範」の読み方
「率先垂範」の読み方
「率先垂範」の読み方は、「そっせんすいはん」になります。
「率先垂範」を分解して解釈
「率先垂範」を「率先」と「垂範」に分解して、それぞれの意味を解釈していきます。
- 「率先」
- 「垂範」
「率先」
「率先(そっせん)」という言葉の意味は、「人の先に立って、物事・仕事に取り組むこと」や「人よりも先に、やるべき事柄・課題に取り掛かること」になります。
「率先」という言葉には、「自分から進んで前向きに物事に取り組む+言われなくても人よりも先に自発的に物事・仕事に取り掛かる」という意味のニュアンスがあります。
「率先」という言葉の出典は、中国古典の「史記 絳侯世家(こうこうせいか)」になっています。
「垂範」
「垂範(すいはん)」の言葉の意味は、「範を垂れること(はんをたれること)」に由来していて、「他者に対して模範を示すこと」になります。
「垂範」という言葉には、物事・仕事を教える立場にある先生・上司・先輩などが、自分に続く者(目下の人)に対して模範やお手本を示すという意味合いがあるのです。
「垂範」という言葉の出典は、中国古典の「宋書 謝霊運伝(しゃれいうんでん)」になっています。
「率先垂範」の言葉の使い方
「率先垂範」の言葉の使い方は、自分が他の人たちの先頭に立って、模範(お手本)となるような行動を取る時に使うというものです。
「他人に率先して模範的な行動を示す時」や「他人よりも先に立ってお手本になるような行動を取る時」に、「率先垂範」という言葉を使用することができるのです。
「率先垂範」という言葉には、人の先に立って模範・見本となるような正しい行動を取ったり仕事をしたりするという意味があるので、基本的に「自分よりも目上の人」に対しては正面から使うことがない言葉でもあります。
自分が模範的な行動を先に示した後に、自分に続いてきてくれることが期待できる同僚・部下などの相手に対して、「率先垂範」という言葉を使うことができるのです。
「率先垂範」を使った例文や短文(解釈)
「率先垂範」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
人の行動にネガティブな不平不満を言い続けるくらいなら、率先垂範して自分自身が先んじて行動した方が何倍も良い結果にたどり着ける。
この例文における「率先垂範」は、他人の行動や方法に文句・不満ばかりを言うよりも、自分自身が先頭に立ってお手本(模範)になるような行動をした方がいいことを意味しています。
例文2
率先垂範して人がやりたがらないような難しくて重要な仕事に自ら取り掛かる人は、職場において尊敬・信頼を勝ち取ることができる人でもあるのです。
この例文における「率先垂範」は、職場で他の人がやりたがらないような難しい仕事を、自分から先に立ってやることを意味しています。
誰もできないような仕事であればこそ、自発的にやることで周囲の同僚・上司からの評価も必然に高くなっていくのです。
例文3
そんなに人の仕事のやり方にケチをつけるのであれば、あなた自身が率先垂範して私よりも良いやり方があることを実際に示してみて下さい。
この例文における「率先垂範」は、自分が普段、仕事のやり方について文句を言っている人に対して、「自分自身の自発的な行動・仕事によってお手本(模範)を示すこと」を意味しています。
人の仕事ぶりをきつくこき下ろしていると、今度は逆に「そんなに言うなら率先して見本を見せて下さい」と反論される可能性もあるのです。
「率先垂範」の英語と解釈
「率先垂範」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。
“show a good example as a leader”(リーダーとして良い見本・手本を見せること)
“set a good example worth following”(従っていくだけの価値がある良い見本・手本を示すこと)
“take the initiative to set a good example”(率先して人に良い見本・手本を示すこと)
“You have to notice of the good example you're setting for leadership. ”(あなたは、リーダーシップのために率先垂範することに気づかなければならない)
「率先垂範」の類語
「率先垂範」の類語には、どのようなものがあるのでしょうか?「率先垂範」の類語について、分かりやすく解説していきます。
- 「率先励行」
- 「率先躬行・実践躬行」
- 「陣頭指揮」
「率先励行」
「率先垂範」の類語として、「率先励行(そっせんれいこう)」があります。
「率先励行」という四字熟語の言葉の意味は、「自ら先頭に立って、一生懸命に物事・仕事に取り組むこと」になります。
「率先励行」の「励行」というのは、「一生懸命に物事を行うこと」や「熱心に仕事・勉学などに集中して取り組むこと」を意味しています。
「率先垂範」には「人の先頭に立って自ら行動することで模範・手本を示す」という意味があるので、その類語として「率先励行」が上げられます。
「率先躬行・実践躬行」
「率先垂範」の類語として、「率先躬行(そっせんきゅうこう)・実践躬行(じっせんきゅうこう)」があります。
「率先躬行」という言葉の意味は、「自発的に先頭に立って、物事・仕事を行うこと」になります。
「率先躬行」の「躬行」とは、「自ら行うこと」を意味します。
「実践躬行」という言葉の意味は、「理論・信念などを自ら進んで実行すること」になります。
「実践躬行」には、「理論・知識・理屈だけではなくて実際に行動する」というニュアンスがあります。
「率先垂範」には「人の先に立って自ら行動し、模範・手本を示すこと」の意味があるので、その類語として「率先躬行・実践躬行」が上げられるのです。
「陣頭指揮」
「率先垂範」の類語として、「陣頭指揮(じんとうしき)」があります。
「陣頭指揮」という言葉は、元々は戦争・軍事の用語で、「自分自身が戦場で先頭に立って(指揮官が戦死するリスクを背負って)、部下に命令を出すこと」を意味していました。
「陣頭指揮」の意味は、「職場・戦場で自ら先頭に立って、部下(後輩)に指示・命令を出すこと」になります。
他人に先駆けて行動して模範を示すことである「率先垂範」の類語として、「陣頭指揮」を指摘できます。
「率先垂範」を座右の銘にしても大丈夫?
「率先垂範」を座右の銘にしても大丈夫かというと、「率先垂範」には「上の立場で後続者(目下の者)に模範・手本を示すというニュアンス」があるので、一般企業の採用面接などでは「座右の銘」として使わない方がいいでしょう。
面接官(目上の者)に対して「座右の銘は率先垂範ですので、入社したら率先垂範するつもりです」といった物言いをすると、「上から目線で目上の相手に対して自発的に模範・手本を示そうとしている強気で礼儀のなっていない人(=謙譲精神が欠けている人)」と見られてしまう恐れがあるからです。
「率先垂範」という言葉について徹底的に解説しましたが、率先垂範には「人の先頭に立ってやるべき物事・仕事を行うことで、人に模範・手本を示すこと」などの意味があります。
率先垂範の類語・言い換え・似た言葉としては、「率先励行」「率先躬行・実践躬行」「陣頭指揮」などがあります。
「率先垂範」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。