「不利益を被る」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
社会人になると、色々な言葉がコミュニケーションの中で飛び交うようになり、目を丸くさせてしまい、会話の内容を理解するのに、非常に苦労することがないでしょうか?
ビジネスの場面では、そのようなことが日常茶飯事なので、新たに出てきた言葉を1つひとつしっかりとチェックしていき、忘れないようにしておきたいものです。
そのような環境の中で、出てくる言葉1つに「不利益を被る」というものがありますが、この表現には、どのような意味があるのでしょうか?
また、どんな場面で使われる言葉なのかも含めて「不利益を被る」という言葉について説明していきたいと思います。
目次
- 「不利益を被る」の意味とは?
- 「不利益を被る」を分解して解釈
- 「不利益を被る」の使い方
- 「不利益を被る」を使った例文・短文(解釈)
- 「不利益を被る」の英語
- 「不利益を被る」の類語や言い換え
「不利益を被る」の意味とは?
「次の交渉では、こちらが不利益を被ることがないように細心の注意を払う必要がある」
このようなセリフをテレビドラマのセリフで見たことや聞いたことがないでしょうか?
「不利益を被る」とは、「消費や損失の額が予算を上回っていること」、あるいは「自分の利益にならない状況に至ること」という意味があり、金銭的なことや、損益に関わることから、ビジネスの世界で頻繁に使われる言葉と言っていいでしょう。
- 「不利益を被る」の読み方
「不利益を被る」の読み方
「不利益を被る」は、「ふりえきをこうむる」という読み方になります。
「不利益を被る」を分解して解釈
ここでは「不利益を被る」を「不利益」と「被る」の2つの言葉に分けて、それぞれどのような意味を持っているかを説明していきます。
- 「不利益」
- 「被る」
「不利益」
「不利益」とは、否定的な意味を表す「不」を付けることで、「利益にならないこと」という意味になります。
利益は「ためになること」、「功徳(くどく」や「仏(また、神)の力によって与えられる恵み」などの意味がありますが、ビジネスにおける「利益」は「金銭的な黒字」のことを指しています。
企業においては、事業を営み「利益」を産み出すことが目的とされますので、「不利益」になることはタブーです。
「被る」
「被る」は、「頂く(いただく)」や「賜る(たまわる)」という意味から「恩恵を被る」という意味がありますが、この解釈はどちらかと言うと、肯定的な解釈となります。
その一方で、「身にふりかかるものとして受ける」という意味もあり、「損害を被る」とように否定的・マイナス的な解釈もあることから、「不利益を被る」という場合でも使われることになります。
「不利益を被る」の使い方
「不利益を被る」は、企業が事業を進めていく中で、プラスにならないことに対して使われたり、個人的な場合でも損失を発生させてしまう時でも使われます。
「不利益を被る」を使った例文・短文(解釈)
では、ここで「不利益を被る」を使った例文を見ていく中で、どのようなケースで、当てはめることができるのかを見ていくことにしましょう。
- 「不利益を被る」の例文1
- 「不利益を被る」の例文2
- 「不利益を被る」の例文3
「不利益を被る」の例文1
「情報が市場に参加する人達全員全ではなく、一部の限られた人に提供される場合は、情報を得ることができない人に対して適切な判断を阻害された結果として、市場全体もその不利益を被ること可能性があります」
現代社会羽、インターネットの普及・拡大によって、情報の流れがとても速くなっています。
その一方で、情報流出やセキュリティーのあり方が問われている中で、適切な情報が意図的にコントロールされて、「不利益を被る」人も出てきます。
その結果、市場全体が健全性を保てなくなり、マイナスに働く可能性があります。
「不利益を被る」の例文2
「不況で企業が新規採用を絞ることで、その年の新卒者は、本人に起因しない理由によって、大きな不利益を被ることがある」
毎年、企業には多くの新卒者が入社してきますが、景気の鈍化により、採用枠が少なくなることも企業の生き残りをかけた動きです。
しかし、このような動きが頻繁に起こると、いかに有能な新卒者でも、不採用となることがあります。
本来ならば、いかに経営が厳しい企業でも、長期的な観点から、定期採用は維持すべきことです。
「不利益を被る」の例文3
「いつでも参加者は、自由に契約を自分の意思で解除するできて、その後の参加に対して、経済的な制裁などの不利益を被ることがないように配慮して、その権利を保証しなければならない」
ビジネスの世界では、消費者を保護することも考慮しなくてはなりませんが、契約やその後の契約解除に関して、特定の人が不利益にならないようなことを保証しなくてはならないことです。
「不利益を被る」の英語
「不利益を被る」を英語で訳すとなると、“To be at a disadvantage”や“To suffer a loss”という表現で言うことができます。
「不利益を被る」の類語や言い換え
「不利益を被る」は、他に似たような意味を持つ類義語があるのでしょうか?
ここからは、この言葉の意味に近いと思われる言葉を挙げていきます。
- 「しわ寄せが来る」
- 「不都合が生じる」
- 「ハンディを負う」
「しわ寄せが来る」
ここで言っている「しわ寄せ」とは、「物事を行うにあたって生じた矛盾や不利な条件を他に押し付けること」という意味があります。
「しわ寄せ」という言葉は、「下請け業者にしわ寄せされる」というケースでよく耳にすることがあるのですが、自分にその良くない影響が及んでくる」という意味で、「しわ寄せが来る」と例えられます。
今のビジネス社会では、「下請法」を遵守する企業が増えているものの、まだまだ下請け企業に「しわ寄せが来る」ことが少なくありません。
「不都合が生じる」
「不都合」とは、「都合が悪いこと」、「けしからぬこと」、「不届き」という意味があります。
「都合」は、「あれこれ考え合わせた上での他のこととの関係」や「具合」、「事情」、「やりくり」。
「繰り合わせ」といった意味があるので、「不」が合わさり否定的な意味合いになってきます。
このことから「不都合が生じる」は、「都合の悪いことが降りかかってくる」という意味になります。
「ハンディを負う」
「ハンディ」とは、「ハンデキャップ」、「ハンディキャップ」と呼ばれる「スポーツやゲーム等において競技者間の実力差が大きい場合に、その差を調整するために事前に設けられる設定のこと」を指しています。
しかし、この「ハンディ」は、必ずしも競技に限って使われるだけではなく、様々な競争的な場面で不利な立場の条件を指すこともある言葉です。
「ハンディを負う」とは、「不利な立場になってしまう」という解釈になります。
「不利益を被る」場面は、主に仕事をしている時に出てくる言葉ですが、最近では個人でビジネスを手掛ける人も増えてきています。
また、ネットでもネットショッピングなどの利用も増えてきており、「不利益を被る」場面は個人レベルまで及びつつあるのが現状です。
したかって、少しでも不利益にならないよう注意を払っておくことが大切です。