「顕著」の意味・類語・対義語【使い方や例文】「差異」と相違の違い
日本語には色々な言葉がありますが、難しい表現に感じてしまうのは、昔からあることわざや四字熟語だけではありません。
普段からよく使っている言葉でも、正確な意味を理解しないままに使っているケースも少なくなくありません。
特にビジネスコミュニケーションの中で、頻繁に行き交う言葉の中でも、何となく感覚的に使っているものもあることでしょう。
そのような言葉の中の1つとしてあるのが、「顕著」という言葉ではないでしょうか?
目次
- 「顕著」の意味とは?
- 「顕著」の類語
- 「顕著」の言葉の使い方
- 「顕著」を使った例文・短文(解釈)
- 「顕著」の英語
- 「顕著」の対義語
- 「顕著」を使った言葉と意味を解釈
「顕著」の意味とは?
「顕著」という言葉は日常のプライベートの生活の中ではあまり使われることがないかもしれませんが、仕事で会議や商談している中では、時折出てくる言葉です。
「顕著」という言葉を形成してている「著」という漢字には、「著しいこと」、目立つこと」という意味があり、「顕」には、「明らかなこと」、「はっきりしていること」という意味を持っています。
このような意味を持つ2つの漢字から成り立つ「顕著」は、「際立って目につくさま」、「他との区別がはっきりとしていて目立つ様子」、「誰の目から見てもそのことが明らかではっきりと現れている様子」を意味しています。
- 「顕著」の読み方
「顕著」の読み方
「顕著」の読み方は「けんちょ」となりますが、少し難しい読み方なので、知らない人はここでしっかりとチェックしておいてください。
「顕著」の類語
「際立って目につくさま」という意味を持つ「顕著」は、少しも硬いイメージがありますが、使いづらい言葉ではありません。
この言葉と比較されることが多い同義語としては、次のような言葉が挙げられます。
- 「如実」
- 「著名」
「如実」
「如実」には、「実際の通りであること」という意味がありますが、具体的な使い方としては「その歴史書は、当時の生活様式や状況を如実に描いている」というように使われます。
「その歴史書は、当時の状況をありのままに描き出している」というように、「如実」は「ありのまま」と解釈することができます。
「著名」
「著名」は「世間によく名の知られていること」という意味があり、この言葉を使った例文を見ると
「彼はこの数年の中では、ベストセラー作品を立て続けに送り出してきた著名な作家だ」というような使い方になります。
「彼は今ではベストセラーを次々と出す有名な作家だ」という意味になります。
このように
- 「如実」=「実際の通りであること」
- 「著名」=「世間によく名の知られていること」
に対して、「顕著」は「誰の目から見ても確かで明らかな様子」という意味なので、同義語ではあるものの、若干ニュアンスが異なってきます。
「顕著」の言葉の使い方
「顕著」は「はっきりと分かるこ様子」という意味があることから、人や物事の進化・発展などで大きな成果が生まれた時などで使われることになります。
「顕著」を使った例文・短文(解釈)
では、ここで「顕著」を使う例文から、その意味を見ていくことにしましょう。
- 「顕著」の例文1
- 「顕著」の例文2
- 「顕著」の例文3
「顕著」の例文1
「毎日1時間の勉強を続けたことで、半年後に語学力に顕著な向上が見られたのです」
勉強は、一夜漬けでは大きな成長は望めないということになるでしょうか。
コツコツと少しの時間でもいいので、続けていくことで、大きな進歩を見ることができるのです。
まさに「継続は力強なり」ということばが当てはまります。
「顕著」の例文2
「食事制限を継続することで、ダイエットのみならず、症状に顕著な改善が見られたのです」
健康を維持させるだけども大変なのですが、肥満からくる生活習慣病を改竄しようと思うと、かなりの努力が必要です。
食事制限で大きく身体の変化が出てきていることは、地道な努力のはずです。
「顕著」の例文3
「彼の仕事を進める能力はとても優れているのですが、同僚やスタッフとの能力の差があまりにも顕著なために、周囲からは冷たい目で見られていたのです」
せっかく優秀な力を持っていても、あまりにも突出したレベルなので、周りからは、妬み・恨みを買っていたのかもしれません。
「顕著」の英語
「顕著」を英語で例えるなら、“clear”、“conspicuous”、“remarkable”、“striking”、“prominent”という言葉で表現することができます。
「顕著」の対義語
「顕著」の対義語としては、次のような言葉が挙げられます。
- 「曖昧」
- 「あやふや」
- 「隠微」
「曖昧」
「顕著」の反対の意味を持つ言葉としては、「曖昧(あいまい)」が出てきます。
はっきりしない状態が「曖昧」な状態ですが、「態度やものごとがはっきりしていないもの」や「そのようなさま」を表しています。
「部長の指示はいつも曖昧なので、しっかりと行動できずに困っている」
仕事ては、このような上司がいるために困ることが多いですね。
「あやふや」
「あやふや」とは、「物事がはっきりしておらず、あてにならない不確かな状態」のことを言っており、
「このままあやふやなままで、終わらせるわけにはいかない」というような表現で使われることがありますが、この例文は「はっきり、結果が出ていないので、このまま終わる分けにはいかない」という意味になります。
「隠微」
「隠微」とは、「外に現れずに分かりにくいこと」や「かすかで目立たないことやそのさま」という意味があります。
「顕著」を使った言葉と意味を解釈
では、「顕著」使った言葉の意味もみていくことにします。
- 「顕著に見て取れる」
- 「顕著な実績」
- 「顕著化」
「顕著に見て取れる」
「顕著に見て取れる」とは、「様子や存在がはっきりしている状態」を誰が見ても理解できる・把握できるということになります。
成績の良くなかった受験生が必死に頑張り、試験本番では大きな成果を出した時などでも、良く使われる表現ですね。
「顕著な実績」
「◯◯校は、電気工学分野の研究開発においても顕著な実績を残し、世界最初の発光ダイオードが生まれた場所でもある」
このような形で使われるのが、「顕著な実績」です。
他と区別した時に、あきらかに高い成績や業績を残している人や団体・企業に対して使われますが、明確に言い切れるほどの実績を強調する場合にも用いられます。
特に表彰される人を選出する際の評価の理由として、「顕著な実績」がよく使われます。
「顕著化」
「顕著化」とは、「今まで曖昧であやふや状態だった物事の成り行きが、明確にはっきりとしてきたこと」を言っています。
このような場面は色々な形で出てくることがあります。
人であれば、身体を鍛えたりダイエットすることで、引き締まったスタイルになっていくことも「顕著化」が使えますし、赤字で経営に苦しんでいた企業が巻き返しの策で、業績を伸ばしていき、はっきりと成長の伸びが分かる時などでも使われます。
「顕著」という言葉を調べていくうちに、この言葉を使うことができるシーンがかなりあることが見えた来ました。
特に仕事をしていると、部下や後輩育成に力を注いでいる上司の人にとっては、彼らの成長が著しいものであれば、それはとてもうれしいことですし、自分の子供が成長して受験生となった時に、必死で勉強した結果、顕著な成績をおさめることも体験するはずです。
また、スポーツでも絶え間ない努力と練習で、大きな成長を遂げた時にも、「顕著」という言葉がよく当てはまります。
人は常に成長し続けて進化していくものです。
少しずつでもいいので、プラスの方向に向かって進んでいくことで、最終的には「顕著な」伸びを見せて欲しいのです。
それができて初めて人は、幸福になれるのだと思うのです。