「庇護欲」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「庇護欲」とは、「か弱い人物や困窮している相手などを、自分が守ってあげたいと感じる欲求」のことです。
「庇護欲」の「意味・類語・言い換え・使い方・例文と解釈・英語・庇護欲を使った言葉・庇護欲と保護欲の違い」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「庇護欲」の意味とは?
- 「庇護欲」の類語や言い換え・似た言葉
- 「庇護欲」の言葉の使い方
- 「庇護欲」を使った例文や短文(解釈)
- 「庇護欲」の英語
- 「庇護欲」を使った言葉と意味を解釈
- 「庇護欲」と「保護欲」の違い
「庇護欲」の意味とは?
「庇護欲」の意味は、「か弱い人物・困窮している相手などを自分が守ってあげたいと感じる欲求」や「助けを必要としている弱い立場の人を自分が守ってあげたいという欲求」を意味しています。
「庇護(ひご)」というのは、「弱い立場にある人をかばって守ってあげること」を意味しています。
「庇護」の「庇」は「庇う(かばう)」という読み方(訓読み)をすることができます。
「庇護欲」という言葉は、「自分よりも弱い立場にある人(能力・適応で劣る人)を守りたいという欲求」であり、「自分と対等な立場の相手(自分と同等の能力を持つ相手)」には使うことができません。
もちろん、「自分よりも優位な立場の相手(自分よりも優れた能力を持つ相手)」に対して「庇護欲」を感じることはありません。
- 「庇護欲」の読み方
「庇護欲」の読み方
「庇護欲」の読み方は、「ひごよく」になります。
「庇護欲」の類語や言い換え・似た言葉
「庇護欲」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「庇護欲」の類語・言い換え・似た言葉について分かりやすく解説していきます。
- 「保護欲」【ほごよく】
- 「擁護欲」【ようごよく】
- 「応援欲求」【おうえんよっきゅう】
「保護欲」【ほごよく】
「庇護欲」の類語・言い換えとして、「保護欲(ほごよく)」があります。
「保護欲」というのは、「外部の危険・脅威・破壊などからかばって守りたいという欲求全般」を意味しています。
自分よりも弱い立場にある者や困っている人をかばって守りたいという欲求である「庇護欲」も「広義の保護欲」の一種と言えます。
そのため、「庇護欲」の類語として「保護欲」を上げることができます。
「擁護欲」【ようごよく】
「庇護欲」の類語・似た言葉として、「擁護欲(ようごよく)」があります。
「擁護欲」という言葉の意味は、「危害・侵害・破壊を加えようとするものから、かばって守ってあげたいという欲求」です。
「擁護」は特に、「権利(人格)の侵害・外部から攻撃される危険から守ること」を意味しています。
「庇護欲」に似た言葉として、侵害や危険にさらされている人・権利などを庇って守ろうとする「擁護欲」を上げることができるでしょう。
「応援欲求」【おうえんよっきゅう】
「庇護欲」の類語・言い換えとして、「応援欲求(支援欲求)」があります。
「応援欲求」とは、「誰かに力を貸して助けたい欲求」や「スポーツの競技・試合などで選手を勇気づけて励ましたい欲求」を意味しています。
「支援欲求」という言葉は、「困っている人・助けが必要な人を支えて助けてあげたい欲求」を意味しています。
このことから、「庇護欲」という言葉は「応援欲求(支援欲求)」という言葉に言い換えることができるのです。
「庇護欲」の言葉の使い方
「庇護欲」の言葉の使い方は、「自分よりも弱い立場にあって困っている人」や「自分よりも能力が低くて苦しんでいる人」をかばったり助けてあげたりしたい時に使うというものです。
自分よりも弱者と思われる人たちをかばって助けてあげる時に、「庇護欲」という言葉を使用することができます。
「か弱い人・困窮している人・助けを求めている人」などを見て、自分がかばって助けて上げなければいけないと感じた時に、「庇護欲」という言葉を使えるのです。
例えば、「可愛い声で鳴いている捨て猫を見つけて、私の庇護欲が刺激された」というような文章で「庇護欲」という言葉を使うことができます。
「庇護欲」を使った例文や短文(解釈)
「庇護欲」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「庇護欲」の例文1
- 「庇護欲」の例文2
- 「庇護欲」の例文3
「庇護欲」の例文1
「親のいない子供達が健気に頑張っている姿を見ると、どうしても庇護欲が高まってしまう」
この例文における「庇護欲」の意味は、「親のいない子供という一般的な社会的弱者」の頑張りを見ることで生じた「その子供たちをかばって守ってあげたいという欲求」のことです。
一般的な家庭にはある「親の援助・世話・保護・愛情」を受けることができない孤児の子供達を見ることによって、「庇護欲」が刺激されて高まることになったのです。
「庇護欲」の例文2
「彼は社会的弱者をただ見下して馬鹿にするばかりで、庇護欲の欠片もない冷血漢だということが分かった」
この例文は、「社会的弱者に対して冷淡・無情であり、馬鹿にした態度を取る彼」に対して、「庇護欲(弱者をかばって守りたい欲求)がないこと」を伝えています。
自分よりも弱い立場にある相手に対して、同情・共感・庇護欲がない人は、一般的に「冷血漢・心無い人」と見なされやすいのです。
「庇護欲」の例文3
「困っている男を見捨てることができない庇護欲の強い女性は、いわゆるダメンズに引っかかりやすいと言われている」
この例文における「庇護欲」の意味は、「困っている男を見捨てることができず、かばって守ってあげたいという女性の欲求」のことを意味しています。
しかし、こういった能力・気力・意志がない男性(いわゆるダメンズ)を放っておくことができない心優しい庇護欲の強い女性は、「ダメンズに依存されやすいリスク」や「ヒモのような働かない男を自宅に入れてしまうリスク」も抱えているのです。
「庇護欲」の英語
「庇護欲」の直接的な英語は、“desire for asylum”や“desire to protect”になります。
「〜の庇護を受ける」は“under(received) the patronage(care) of〜”や“behind〜”になり、「〜を庇護する」は“patronize〜”、“asylum〜”、“protect〜”、“shelter”になります。
“I had desire for asylum to a wet kitten”(私は濡れた仔猫に庇護欲を抱きました。)
“I have desired to protect the weak of society. ”(私は社会的弱者に対する庇護欲を持った。)
“She was under the patronage of a great rich man. ”(彼女は大金持ちに庇護されていました。)
「庇護欲」を使った言葉と意味を解釈
「庇護欲」を使った言葉とその意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「庇護欲の刺激」
- 「庇護欲の欠如」
「庇護欲の刺激」
「庇護欲の刺激」という言葉の意味は、「自分よりも弱い立場にある人」や「心理的・社会経済的に困窮して弱っている人」を見て、その人たちをかばって守ってあげたいという欲求が刺激されることを意味しています。
社会的弱者や心理的に弱っている人を見ると、人間は反射的に同情心・共感を抱きやすい傾向があり、庇護欲を刺激されてしまうのです。
「庇護欲の欠如」
「庇護欲の欠如」という言葉の意味は、「自分よりも弱い立場にある人が困り果てている状況」を目にしても何も感じず、かばってあげたり守ってあげたりしたくならないことを意味しています。
「庇護欲の欠如」という言葉は、「同情心の欠落」「共感感情の欠如」とほぼ同じ意味を持っています。
人間としての思いやりや優しい心を持っていない状態に対して、「庇護欲の欠如」という言葉を使うのです。
「庇護欲」と「保護欲」の違い
「庇護欲」と「保護欲」の違いは、「保護欲」は「外部の危険・脅威・破壊などからかばって守りたいという欲求全般」のことを意味していますが、「庇護欲」は「自分よりも弱い立場で困っている人をかばって守ってあげたい欲求」のことを意味しているということです。
「保護欲」は必ずしも、社会的弱者や困窮者に対して守ってあげたいという欲求だけを意味しているわけではありません。
それに対して、「庇護欲」は「特にか弱い人物・困窮している相手をかばって守ってあげたいという欲求」をピンポイントで意味しているのです。
「庇護欲」は「広義の保護欲」の一部を構成していて、「庇護欲」は「保護欲の一種」であるという違いがあります。
「庇護欲」という言葉について徹底的に解説しましたが、庇護欲には「か弱い人物・困窮している相手などを自分が守ってあげたいと感じる欲求」や「助けを必要としている弱い立場の人を自分が守ってあげたいという欲求」の意味があります。
「庇護欲」の類語・言い換え・似た言葉としては、「保護欲」「擁護欲」「応援欲求(支援欲求)」などがあります。
「庇護欲」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。