「途方に暮れる」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「途方に暮れる」の意味や類語を紹介します。
さらに「途方に暮れる」の使い方や、「途方に暮れる」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「途方に暮れる」の意味とは?
- 「途方に暮れる」の類語や言い換え・似た言葉
- 「途方に暮れる」の言葉の使い方
- 「途方に暮れる」を使った例文と解釈
- 「途方もない」について
「途方に暮れる」の意味とは?
「途方に暮れる」という言葉を知っているでしょうか。
知名度の高い言葉ですので、聞いたことがあるという人の方が多いかもしれません。
また、長い人生を送っている間に、「途方に暮れる」が意味する状況に追い込まれた経験もあるかもしれません。
一方で若くて活字に親しみが無い人の中には、「途方に暮れる」という言葉を知らない人もいるでしょう。
また「途方に暮れる」ような経験をした事もないかもしれません。
このように人生経験が豊富な人ほど、身近に感じる「途方に暮れる」の読み方と意味を紹介します。
- 「途方に暮れる」の読み方
- 「途方に暮れる」の意味
「途方に暮れる」の読み方
「途方に暮れる」の読み方は「とほうにくれる」です。
「途方」は「とほう」、「暮れる」は「くれる」と読みます。
「途方」も「暮れる」も単独で意味がある言葉になっていますので、それぞれの言葉の読み方を知っておくと良いでしょう。
「途方に暮れる」の意味
「途方に暮れる」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
まず「途方」には、「手段や手立て」という意味があります。
そして「暮れる」には、「その事ばかりに時間を費やす」という意味があります。
「途方に暮れる」という文章になると、「どうしたらよいか分からずに困ってしまう」という意味になります。
例えば、「父親が亡くなって『途方に暮れる』」という場合は、父親がなくなってしまい、これからどうしてよいか分からず困ってしまう」という意味があります。
「途方に暮れる」の類語や言い換え・似た言葉
次に「途方に暮れる」の類語や、言い換えられる似た意味の言葉を紹介します。
「途方に暮れる」と似た意味の言葉を知る事で、「途方に暮れる」の意味がより理解しやすくなるかもしれません。
- 「ピンチを迎える」【ぴんちをむかえる】
- 「窮地に陥る」【きゅうちにおちいる】
- 「どうしたらいいか分からない」【どうしたらいいかわからない】
「ピンチを迎える」【ぴんちをむかえる】
「ピンチを迎える」という言葉があります。
「ピンチ」とは、追い詰められた苦しい状況とか、逆境、苦境などの意味があります。
すでに市民権を得ているカタカナ語ですので、「ピンチ」と言うだけで、このような意味が通じるでしょう。
「ピンチを迎える」には、追い詰められた苦しい状況になるという意味があります。
例えばプロ野球の試合で、守備側がノーアウト満塁のような、追いつめられた苦しい状況に陥った時に、「ピンチを迎える」と言います。
気の強い選手はこれからだと思うかもしれませんが、気の弱い選手はこの時点で「途方に暮れる」かもしれません。
「窮地に陥る」【きゅうちにおちいる】
「窮地に陥る」には、ピンチを迎える、追い込まれるという意味があります。
普通に考えたら、解決するのが難しいような状況に追い込まれた時に、「窮地に陥る」という言葉を使います。
例えば、戦国時代の武将が、孤立した状態で籠城し、周囲を敵兵で囲まれてしまった時は、「窮地に陥る」にぴったりな状況だと言えます。
ほとんどの武将が、この状況を逆転するのは難しいと考えるでしょう。
「途方に暮れる」という言葉で表現される状態も、かなり厳しい状態です。
「先が見えない」という感じが、「途方に暮れる」と「窮地に陥る」に共通するイメージかもしれません。
「どうしたらいいか分からない」【どうしたらいいかわからない】
「途方に暮れる」を、とても簡単な文章にするなら「どうしたらいいか分からない」になるかもしれません。
「借金が重なって、途方に暮れる」は、「借金が重なって、どうしたらいいか分からない」と同じような意味です。
「途方に暮れる」で意味が通じない人と会話をする時は、「どうしたらいいか分からない」という言葉を使ってみましょう。
「途方に暮れる」の言葉の使い方
「途方に暮れる」という言葉は、どのような場面でどう使えばいいでしょうか。
「途方に暮れる」の基本的な使い方を見て行きましょう。
- どうしたらよいか分からず困ってしまった時に使う
- 対応策があるなら「途方に暮れない」
どうしたらよいか分からず困ってしまった時に使う
「途方に暮れる」には、「どうしたらよいか分からずに困ってしまう」という意味があります。
自分がそのような心境になった時、または身近な誰かがそのような状況に陥っている時に、「途方に暮れる」という言葉を使う事ができます。
「どうしたらよいか分からずに困ってしまう」のですから、対応策が見えている時には、「途方に暮れる」という言葉を使う事はありません。
対応策があるなら「途方に暮れない」
例えば、「入院費が支払えずに『途方に暮れる』」という場合は、入院費が払えないため、どうしていいか分からないから「途方に暮れる」わけです。
そのため両親にお金を借りて、病院に支払いを済ませる。
そして医療保険に申請をして保険金を受け取り、両親に一部を返済し、後は少しずつ返していく…などという筋道が見える場合は、「途方に暮れる」という言葉を使いません。
「入院費が支払えずに、困った」という程度の表現になります。
「どうしたら良いか分からずに、頭の中が真っ白になる」ような状況に陥った時や、誰かがそのような状況だと感じた時に、「途方に暮れる」という言葉を使いましょう。
「途方に暮れる」を使った例文と解釈
続いて「途方に暮れる」を使った例文を見て行きましょう。
様々な場面における「途方に暮れる」を使った例文を見る事で、「途方に暮れる」の使い方のコツが見えてくるかもしれません。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける、「途方に暮れる」を使った例文を見て行きましょう。
「就活の時期が終わりに近づいたのに、内定を一つももらえず『途方に暮れる』事になった」、「今月のノルマを達成する事が無理だと気付いて、『途方に暮れた』」、「可愛がってくれている上司が左遷されてしまった。
今後どうやって社内で立ちまわればいいか分からずに、『途方に暮れた』」などです。
今後どうすれば状況が良くなるのかが見えない時に、人は「途方に暮れる」ものです。
ビジネスシーンで「途方に暮れる」経験をする事は、通過儀礼のようなもので、避けては通れないかもしれません。
例文2
日常生活における「途方に暮れる」を使った例文を見て行きましょう。
「電車に乗ろうとしたが、財布を忘れた事に気付いた。
電子マネーの類も一つも持っていない。
電車は1分後に到着するのに、『途方に暮れる』しかなかった」、「体育が始まる前に、みんなが水着に着替えはじめた。
そうか、今日は水泳の日だ。
水着を忘れた僕は、『途方に暮れる』事になった」などです。
忘れ物をしてしまうと、「途方に暮れる」事になりやすいでしょう。
出かける前に持ち物を確認する習慣をつけましょう。
「途方もない」について
「途方もない」という言葉があります。
「途方に暮れる」と同じ「途方」を使った言葉です。
「途方に暮れる」の場合の「途方」には、「手段や手立て」という意味がありますが、「途方もない」の時の「途方」にはどのような意味があるでしょうか。
この場合の「途方」には、「ものの道理」という意味があります。
例えば、「途方もない事を言う」という場合は、「道理に合わないような、とんでもない事を言う」という意味になります。
このように「途方」には、続く言葉によって意味が変わる事があります。
「途方に暮れる」に続いて、「途方もない」の意味も知っておきましょう。
「途方に暮れる」という言葉の意味や使い方を見てきました。
誰にでも一度や二度は「途方に暮れる」経験があると思います。
そこから立ち上がり、またいつもの状態に戻れる経験を積む事が、立派な大人になるためには必要なのかもしれません。