「甘んじて」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「甘んじて」の意味や類語を紹介します。
さらに「甘んじて」の使い方や例文を紹介して行きます。
目次
- 「甘んじて」の意味とは?
- 「甘んじて」の類語や言い換え・似た言葉
- 「甘んじて」の言葉の使い方
- 「甘んじて」を使った例文
- 「甘んじる」を使った言葉と意味を解釈
「甘んじて」の意味とは?
「甘んじて」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ほとんどの場合「甘んじて受け入れる」という言いまわしで使われる言葉です。
何かを受け入れるという事は分かりますが、「甘んじて」という言葉が何を意味するのかまでは、分からないかもしれません。
とはいえ人生を生きている間に、一度や二度は、「甘んじて受け入れる」場面があるかもしれません。
そのような場面に遭遇した時のためにも、「甘んじて」の読み方や意味を知っておきましょう。
- 「甘んじて」の読み方
- 「甘んじて」の意味
「甘んじて」の読み方
「甘んじて」は「あまんじて」と読みます。
他の読み方が思いつかない言葉ですので、読み間違えが少ない言葉と言えそうです。
だからこそ「甘んじて」は「あまんじて」と読むと覚えて、読み間違えをしないようにしておきましょう。
「甘んじて」の意味
「甘んじて」にはどのような意味があるのでしょうか。
「甘んじて」は、「甘んじる」という言葉が変化して作られています。
「甘んじる」には、「与えられてもので満足する」という意味があります。
そのため、「甘んじて」にも、「与えられたもので満足して」という意味があります。
「与えられたもので満足する」という言葉の裏には、「現在の状況が物足りない」「本音で言えば満足できない」という本心が透けて見えます。
このように「甘んじて」には、「本当は満足できないけれど、与えられたもので満足する」という意味になります。
「甘んじて」の類語や言い換え・似た言葉
次に「甘んじて」の類語や、言い換えられるような似た意味の言葉を紹介します。
どのような言葉と「甘んじて」が言い換えられるでしょうか。
同じような意味のある言葉を見て、「甘んじて」の意味をより深く理解しましょう。
- 「努力を怠る」【どりょくをおこたる】
- 「保守的に生きる」【ほしゅてきにいきる】
- 「ぬるま湯に浸かる」【ぬるまゆにつかる】
「努力を怠る」【どりょくをおこたる】
「甘んじて」には「与えられたもので満足する」という意味があります。
しかし本当に欲しいものではないのに、あきらめてしまっているという甘さを感じます。
同じような意味の言葉として「努力を怠る」があります。
もっと努力をすれば、本当に欲しいものが手に入るのに、「努力を怠る」ために、「甘んじて」何かを受け入れなければならなくなります。
このように「甘んじて」と「努力を怠る」は、セットとして覚えておきたい言葉です。
何かを「甘んじて」受け入れようとしている時、「努力を怠っていないかどうか」を、自分の胸に手を当てて聴いてみましょう。
本当に欲しいものでない場合は、いらなくなってしまうかもしれません。
「甘んじて」しまう前に、もう一度努力する事を考えてみましょう。
「保守的に生きる」【ほしゅてきにいきる】
「保守的に生きる」という言葉があります。
「甘んじて」は与えられたもので満足するという意味があり、「保守的に生きる」という言葉に似ています。
新しいものを欲しいと思わず旧態依然としたものだけを求め、または旧態依然とした人間関係だけで生きる人は、「保守的に生きる」または「甘んじて受け入れる」人ではないでしょうか。
両者は同じベクトルに生きる人々です。
現状に本当に満足していないのなら、新しい事にもチャレンジして行きましょう。
「ぬるま湯に浸かる」【ぬるまゆにつかる】
「ぬるま湯に浸かる」という言葉も、「甘んじて」に雰囲気が似ている言葉です。
「ぬるま湯に浸かる」には、刺激がない安楽な状態に居続ける事を意味します。
与えられたものだけで生きる人も、「ぬるま湯に浸かる」人と似ています。
「ぬるま湯に浸かる」生活をしていると発展性がないため、ジリ貧になって行く事が予想できます。
どこかの段階で、ぬるま湯を出ないと、ダメな人になってしまうかもしれません。
熱いお湯に入る覚悟をする必要が、近い将来出てくるかもしれません。
「甘んじて」の言葉の使い方
「甘んじて」という言葉はどのような場面で、どのように使えばいいでしょうか。
「甘んじて」には、「与えられたもので満足する」という意味があります。
また、「実は与えられたものに満足していない」「現状に不満を抱いている」という本心が透けて見えています。
このような状況に置かれている人を見た時や、自分がそのような状況に置かれていると感じた時に「甘んじて」という言葉を使ってみましょう。
例えば、「親に紹介された就職先を『甘んじて』受け入れた」という場合があります。
この場合、親から紹介してもらった就職先に本当は満足していないけれど、他に選択肢もないし、就活にも疲れたしという理由で、入社する事を決めています。
このように「(本当は満足していないけれど)他に選択肢もないし、満足して受け入れるしかない」ような状況で、「甘んじて」という言葉を使ってみましょう。
「甘んじて」を使った例文
「甘んじて」を使った例文を見て行きましょう。
様々な場面における「甘んじて」を使った例文を見て、「甘んじて」という言葉の使い方のコツを知りましょう。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける「甘んじて」を使った例文を紹介します。
「本当は他に行きたい会社があったが、就職浪人をするのも嫌だ。
唯一内定をくれた会社に『甘んじて』入社する事にした」、「私は全部自分で仕事を済ませたいタイプだが、このままでは納期までに仕事が終わらない。
仲間の助け舟を『甘んじて』受け入れる事になった」、「○○支社の支店長という地位を『甘んじて』受け入れた。
これで同期の出世争いから一歩後退だ」などです。
仕事をしていると「甘んじて」受け入れる必要がある場面が多くなります。
「甘んじる」事の必要性を感じる場面に、遭遇する事も少なくないかもしれません。
例文2
日常生活における「甘んじて」を使った例文を紹介します。
「妻がお弁当を作りたくないというので、カップラーメンによる昼食を『甘んじて』受け入れた。
受け入れて見ると、これはこれで悪くない」、「友達の紹介を『甘んじて』受け入れて、彼とデートをした。
しかし、好きになる事ができない」などです。
妥協して良かったと思える事もあれば、嫌だと思うこともあるでしょう。
また「甘んじて」受け入れる生活を送っていた人が、突如理想を目指したくなる事もあるはずです。
「甘んじる」を使った言葉と意味を解釈
最後に「甘んじる」を使った言葉と、意味の解釈を紹介します。
定型句のように使う事が多い言葉ですので、覚えておくと便利でしょう。
- 「現状に甘んじる」
- 「甘んじる事なく」
「現状に甘んじる」
「現状に甘んじる」という言葉があります。
「現在与えられている状況に満足し、努力を怠っている」という意味があります。
例えば新卒で入った会社が、本当は物足りないのに、転職する勇気がなくて「現状に甘んじている」人も少なくないでしょう。
まずは「現状に甘んじている」という自覚を持つ事が、本当に進みたい方向に舵を切るために必要な事かもしれません。
「甘んじる事なく」
「甘んじることなく」は、先ほどの「現状に甘んじる」とセットで使われる事が多い言葉です。
「現状に甘んじる事なく」は、「現在の状況に満足せず、努力を続けて行く」という意味があります。
停滞は後退と一緒だという言葉もあります。
いつでも「現状に甘んじる事なく」、前向きに努力を続けて行きましょう。
「甘んじて」という言葉の意味や使い方を見てきました。
「甘んじて」という言葉が口に出た時は、現状に満足していない証拠です。
努力をする、やり方を変えるなど、突破口を見つけて、「甘んじて」受け入れるのではなく、本当に欲しいものを獲得したり、本当に行きたい場所に行けるように、生き方の変化を考えてみましょう。