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「行きがけの駄賃」の意味・読み方・類語【使い方や例文】

私達が普段、友人としゃべっている時に、どのような言葉を使っているでしょうか?

会話の中では、今どきの流行語を使うこともよくあるでしょうし、昔の古い言葉を使って盛り上がることのあるでしょう。

若い人であれば、SNSの世界でネットスラングひと言で済ませることも珍しくはありません。

しかし、日本語には昔から伝わることわざがありますので、この表現を上手に使うことで、言葉を趣深い内容にすることも可能です。

私達が公用語としている日本語には、それだけ意味の深いことわざが、数多く残されています。

その中で「行きがけの駄賃」という言葉を知っているでしょうか?

この言葉は意味を知ると、非常に興味深いものがあると同時に、使う場面もユニークにさせてくれる面白い言葉かもしれません。

ここで、この言葉の意味合いを理解して今日からの会話の中で使いこなしてみるのもいいと思います。

行きがけの駄賃

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「行きがけの駄賃」の意味・読み方・類語【使い方や例文】>


目次

  • 「行きがけの駄賃」の意味とは?
  • 「行きがけの駄賃」の類語や言い換え・似た言葉
  • 「行きがけの駄賃」の言葉の使い方
  • 「行きがけの駄賃」を使った例文
  • 「行きがけの駄賃」の英語
  • 「行きがけの駄賃」の対義語
  • 「行きがけの駄賃」の由来や語源


「行きがけの駄賃」の意味とは?

「行きがけの駄賃」の意味とは?

「行きがけの駄賃」という言葉の意味は、元来「馬子(まご)が問屋に荷物を取りに行く途中に他の荷物を運んで得る駄賃」という意味がありました。

「馬子」とは、昔の「荷物や人を運ぶ馬の口を取ることを職業とする人」のことで、「つまらぬ人でも身なりを飾るとり立派に見える」意味を持つ「馬子(まご)にも衣装(いしょう)」ということわざで使わている「馬子」ですね。

その「他の荷物を運んで得る駄賃」という意味から転じて「事のついでに他の事をすること」という意味になってきたのです。

  • 「行きがけの駄賃」の読み方

「行きがけの駄賃」の読み方

「行きがけの駄賃」は、「いきがけのだちん」という読み方になります。



「行きがけの駄賃」の類語や言い換え・似た言葉

「行きがけの駄賃」の類語や言い換え・似た言葉

「他の荷物を運んで得る駄賃」という意味を持っている「行きがけの駄賃」は、他に次に挙げる言葉が類義語してあります。

  • 「朝駆けの駄賃」
  • 「帰りがけの駄賃」

「朝駆けの駄賃」

「朝駆けの駄賃」という言葉がありますが、意味としては、「容易に物事の成し遂げられる」という意味があり、「行きがけの駄賃」の類義語としても理解できる表現です。

「朝駆け」とは、「朝早く出かけること」という意味になるのですが、「早起きは三文徳」ということわざがあるように、「朝早くから活動すること」は、色々な意味で良い結果を得ることができると考えられています。

「夜討ち朝駆け」という言葉でも「朝駆け」が使われますが、新聞記者や営業マンなどが、アポイントなく早朝や深夜に相手を訪問するケースで用いられています。

「帰りがけの駄賃」

「行きがけの駄賃」とは、全く逆ので言い方ですが、意味は同じと理解してもいいでしょう。

せっかく行ったのですから、「帰りについでに何か得ても戻る、帰る」ということになるでしょう。

少し乱暴な表現で言い換えると「タダでは転ばない」という解釈もあるのではないかと思います。

「行きがけの駄賃」の言葉の使い方

「行きがけの駄賃」の言葉の使い方

「駄賃」とは、「駄馬(だうま)」で人や物を運ぶときの運賃のことで、「行きがけ」には「道の途中」「途上」という意味があり、「本来の目的を達成する間で利益を得た場合に「行きがけの駄賃」が使われますが、「ある事のついでに他の用事も済ませることで他に利益を得ること」という意味では、では、良い場面だけではなく、悪いことのついでに他の悪い行いをしていくこと」の例えとしても使われることがあります。



「行きがけの駄賃」を使った例文

「行きがけの駄賃」を使った例文

本来の目的を達成させる場合においては、「行きがけの駄賃」という表現は適切な使い方ではありませんし、金銭的な利益を得る以外においても「行きがけの駄賃」が使われることが多いので、例文の内容を見ても理解することができるでしょう。

  • 「行きがけの駄賃」の例文1
  • 「行きがけの駄賃」の例文2
  • 「行きがけの駄賃」の例文3

「行きがけの駄賃」の例文1

「彼は激怒して僕にいきなり殴りかかって来たのですが、行きがけの駄賃に僕の友人も殴り返してやったのです」

お金を得る内容とは全く違う意味で使われいますが、このような場合でも使うことができるのが、「行きがけの駄賃」です。

この例文では殴ろうととしてきた「彼」を殴りか返すことで、去っていく「僕」のことで表現しています。

「行きがけの駄賃」の例文2

「日が傾き海水浴の後でせっかくだったので、行き掛けの駄賃に貝殻をたくさん拾って帰途につきました」

家族の夏の思い出のワンシーンですが、この時も思いがけない「貝殻拾い」で子供達も喜んだのではないでしょうか?

「行きがけの駄賃」の例文3

「行きがけの駄賃で、ダンナに今日の夕飯の食材も買ってきてもらったのです」

なんと優しいご主人でしょうか、おそらく時間潰しでパチンコでも言ったご主人に買い物をお願いしたのでしょう。

このような場面でも、「行きがけの駄賃」が使えることは、ユニークだと思います。

「行きがけの駄賃」の英語

「行きがけの駄賃」の英語

「行きがけの駄賃」を英語で表現すると、どのような表現になるのでしょうか?

「お金を稼ぐ」という意味になる“to make money”などが関連してくるかと思いきや、“Doing something incidentally”=「何かをするついでに何かをする」“Doing something on the way”=「(何かをする道中で何かをする」といったような表現になるので、直接的な言葉での表現で英訳することが分かります。

「行きがけの駄賃」の対義語

「行きがけの駄賃」の対義語

「行きがけの駄賃」の対義語としては、「馬を牛に乗り換える」という表現があります。

意味としては、「速い馬を遅い牛に乗り換える」という意味から転じて、「良いものを捨てて悪いものに換える」という意味で例えられいます。

現代の場面では、「ハイテクマシンからローエンドマシンに変更する」といったような意味になるでしょうか。

「行きがけの駄賃」の由来や語源

「行きがけの駄賃」の由来や語源

「行きがけの駄賃」の由来を調べると、「馬子が問屋などへ荷物を取りに行くついでに空馬を利用して他の荷物を届けて手間賃を得た」とされています。

昔は、馬子(まご)という職業の人が馬を使って人や荷物を運んでいたのですが、彼らは問屋などへ荷物を取りに行くなら、せっかくなのでついでに他の荷物も受け取って空の馬を利用してそれらを運んでいくことで、手間賃を得ており、本来の仕事の「行きがけ」に別の仕事もすることで「駄賃」をもらっていたことから、「行きがけの駄賃」ということわざが生まれたわけです。

今風に例えるなら、「副業」「サイドビジネス」というようになるかもしませんね。

最近では、サラリーマンを中心に「サイドビジネス」がかなり流行っていますが、空き時間を有効活用して、少しでも新たな収入を稼ごうしていることをよく耳にします。

インターネットが普及して、副業のワークスタイルが大きく変化しているのですが、昔の「馬子」の人達の考えていることも、現代のサラリーマンと同じ発想ではないかとも思われてなりません。

そのように考えると、ちょっとおもしろく感じてしまいます。

icon まとめ

「行きがけの駄賃」の言葉を調べていくうちに現代のビジネス社会では、多くのビジネスマンは本来の目的達成に夢中になってしまい「行きがけの駄賃」を得るような心の余裕はあまりないように感じてしまいます。

最近のビジネス業界では、「働き方改革」という動きの中で、「効率化」ばかりに目が移ってしまいますが、普段の仕事の行動に工夫を加えたり、従来の方法を見直していみると、意外に効率よく生活を豊かにする「行きがけの駄賃」を実現できる場面がたくさんあるのではないかと思えるのです。

このような考え方を少し取り入れるだけでも、マンネリ化している毎日の仕事にも張り合いが出てきて楽しい時間を過ごすことができるかもしません。


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