「贔屓目」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
普段何気なく使っている「贔屓目」という言葉の意味・言葉の遣い方・英語での表現をご紹介します。
目次
- 「贔屓目」の意味とは?
- 「贔屓目」の類語や言い換え・似た言葉
- 「贔屓目」の言葉の使い方
- 「贔屓目」を使った例文
- 「贔屓目」の英語
- 「贔屓目」の語源
- 「贔屓目」を使った言葉と意味の解説
「贔屓目」の意味とは?
できるだけよいものに見ようとする、好意的な見方を「贔屓目」といいます。
実際のものよりも高く評価するという意味が含まれているので、使い方によってはマイナスイメージを伴った表現にもなります。
- 「贔屓目」の読み方
「贔屓目」の読み方
「贔屓目」は「ひいきめ」と読みます。
日常会話でもよく使われる表現ですが、漢字で書くと複雑に見えますね。
この「贔屓(ひいき)」は、元々の漢字音の読みは「ひき」でしたが、長音変化していき「ひいき」と読むようになりました。
「贔屓目」の類語や言い換え・似た言葉
「贔屓目」とは、本来よりも好意的な見方をするという意味でした。
この言葉の意味をふまえて、言い換え・よく似た言葉をご紹介します。
- 「公平な目で見ない」
- 「買いかぶる」【かいかぶる】
- 「不公平」【ふこうへい】
- 「欲目」【よくめ】
- 「大目」【おおめ】
「公平な目で見ない」
もともと好意を抱いているとなかなか公平な評価は難しいもの。
個人的な感情で評価する「贔屓目」は、言い換えると「公平な目で見ない」といえます。
「買いかぶる」【かいかぶる】
個人的に評価していては正しい評価にはなりにくいものです。
人を実力以上に評価するという意味の「買いかぶる」も、主観的だという意味で「贔屓目」とよく似ている表現です。
「不公平」【ふこうへい】
偏った目でみるという意味を持つ「不公平」もまた、「贔屓目」と同じ意味を持ちます。
偏った見方をしていては、フェアではなくなってしまいます。
「欲目」【よくめ】
物事を自分の希望通りに、都合のよいように見るという意味の「欲目」は、「贔屓目」と言い換えがきき、「贔屓目」と最も近い言葉ではないでしょうか。
「親の贔屓目」は「親の欲目」に置き換えてもほぼ同じ意味になります。
「大目」【おおめ】
「今回の失敗は大目に見てあげよう」「息子の成績を大目に見る」などで使われる「大目」の意味は、細部にこだわらず大ざっぱに見ることや寛大に扱うということ。
むやみに批判しないという点で「贔屓目」と良く似た言葉だと考えられます。
「贔屓目」の言葉の使い方
「贔屓目」の言葉の使い方は大きく分けて二つあります。
一つは自分を含むよく知っている人を応援する思い、そしてもう一つはただ単に好意的にみるということ。
この二つは似ているようでも、ニュアンスが少し違ってきます。
- 味方を応援したい「贔屓目」
- ただ単に好意的にみる「贔屓目」
味方を応援したい「贔屓目」
日頃は野球に興味がなくても、春夏の甲子園高校野球になると自分の同郷のチームをついつい応援してしまいませんか?このように、家族・仲の良い友人など、同じグループに所属していれば、味方を応援したくなるものです。
応援している人やものは、無意識に実際よりも高く評価してしまいがち。
このように、最初からアドバンテージを与えてしまっている状況の時に使います。
ただ単に好意的にみる「贔屓目」
「(この店は(どう)贔屓目にみても美味しいとはいえない」などで使う場合は、「店」にはまったく思い入れはありません。
このように、「どう贔屓目にみても〜だ(ない)」のように使う場合の「贔屓目」は、さほど思い入れなく使う言葉。
この時の「贔屓目」に近いニュアンスを持つ言葉は「大目にみる」ではないでしょうか。
しかし、大目にみると違う点は、この時の「贔屓目」には否定的な結果の場合に使うことです。
「贔屓目」を使った例文
では、この「贔屓目」を使った例文を三例ご紹介します。
- 「贔屓目」の例文1
- 「贔屓目」の例文2
- 「贔屓目」の例文3
「贔屓目」の例文1
「親の贔屓目を差し引いても、うちの子の作品が一番上手に出来ている」
「贔屓目」の例文2
「どう贔屓目に見ても、私の母は料理上手とはいえない」
「贔屓目」の例文3
「先生がいつも彼女に贔屓目なのは、あのこが可愛いからに違いない」
「贔屓目」の英語
英語での「贔屓目」の表現はどのようなものになるかご存知ですか?「好意的にみる」「どう贔屓目に見ても」の2つに分けて英語での「贔屓目」の表現法をご紹介します。
- “bepartialto〜”
- “even viewed in the light most favorable to ~”
“bepartialto〜”
“partial”は、「部分的・一部の」という意味のほかに「不公平な・偏った・〜が大好き」という意味があり、「贔屓目」とよく似た表現になります。
“He is always partial to the girls. ” (彼はいつもあの女の子たちを贔屓目にみる)
“even viewed in the light most favorable to ~”
「好意的にみたとしても」というこの英語の表現は、裁判の判決にも使われているフレーズで、「どう贔屓目にみようとも」といった意味になります。
“Even viewed in the light most favorable to plaintiff, there was no admissible evidence.”(どう好意的にみようとも、許容できる証拠はない)
「贔屓目」の語源
この「贔屓目」という言葉は、「贔屓(ひいき)」と「目」を合わせたもの。
「贔屓(ひいき)」と「目」の二つの言葉それぞれの語源や意味について解説します。
- 「贔屓」の語源
- 「〜目」の意味
「贔屓」の語源
昔の人々は通貨代わりに貝を使っていたといいます。
この「贔」は、貝(財貨)を三つ合わせて重い荷を背負うという意味で、「屓」は、鼻息を荒くすることを表しています。
この二語を合わせた「贔屓」は、鼻息を荒くして力を入れるという意味で用いられましたが、のちに、特定の人を助けるために力を入れる、助けるという意味になりました。
「〜目」の意味
「贔屓目」「欲目」などのように、後につく「目」は数多くありますよね。
この「目」は、状態を表しており、「贔屓」している状態、「欲」を持っている状態ということ。
また「目」には、物差し・はかりなどに数量を示すために付けたしるしという意味もあり、どのくらいの度量かを表してもいるのです。
「贔屓目」を使った言葉と意味の解説
「親の贔屓目」「(自分のことを)贔屓目にみて」など、「贔屓目」とよく組み合わせて使用される言葉がありますよね。
このような「贔屓目」を使う表現とそのシチュエーション・意味を具体的に解説します。
- 「贔屓目に見てもかわいい」
- 「贔屓目が言わせるのではない」
- 「どう贔屓目に見ても褒められたことではない」
「贔屓目に見てもかわいい」
人を評価する時は、親・兄弟・恋人など親しい間柄だと、他にも良いところを知っているため、他人の評価よりも甘くなりがちです。
しかし、親しいからこそ、厳しくみるということもありますよね。
「贔屓目に見てもかわいい」とは、そんな気持ちを割り引いたとしてもかわいい、つまり「客観的にみてもかわいい」という意味になるのです。
「贔屓目が言わせるのではない」
客観的であるということを宣言する表現です。
家族や自分の好きなものを評価する場合は、どうしても過大評価しているではないかと思われてしまいがちなものです。
主観性ではなく、正しい評価をしていると強調しなければならない時にはっきりと伝えたい言葉です。
「どう贔屓目に見ても褒められたことではない」
この表現には、身内に対して「贔屓目」にしている場合にも、ただ単に「大目」に見ている場合にも使う表現です。
どちらにせよ共通なのは、客観的にみなければ適正な社会生活は行っていけないということ。
「贔屓目」に見ると、良いことに対しては、かさまししてもっと良く、悪いことに対しては、軽減してそこまでは悪くないと評価しがちです。
また、ただまた、できるだけ公正な見かたを心がけたいものです。
「贔屓目」について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
「贔屓目」にみてばかりいては、成長はあまりありません。
できるだけ中立な立場で「贔屓目なし」を心がければ、物の本質がみえてくるのではないでしょうか。