「苦言を呈する」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
学生時代の時は、今流行りの言葉でお喋りをすること自体が楽しくで、時間があっという間に過ぎてしまうかもしれません。
今では、日本語も色々な言葉が生まれてきて、ネットスラングのような言葉で、SNSなどで楽しむ方法もあります。
しかし、社会人になって、会社に就職して働くようになったら、中々そのようなことができなくなってしまいますので、ビジネスマンらしく、インテリジェンスな雰囲気を持つ慣用句を使えるようにしたいと思うようになってくるはずです。
とは言っても、落ち着いた大人を演出できるような慣用句には、どのようなものがあるのでしょうか?
その中の1つに「苦言を呈する」という慣用句があります。
目次
- 「苦言を呈する」の意味とは?
- 「苦言を呈する」の類語や言い換え
- 「苦言を呈する」の使い方
- 「苦言を呈する」を使った例文と解釈
- 「苦言を呈する」を分解して解釈
- 「苦言」を使った言葉と解釈
- 「苦言を呈する」の英語
「苦言を呈する」の意味とは?
「苦言を呈する」という言葉は、テレビのドラマや映画、小説の中でも見たり聞いりすることがある言葉です。
しかし、この「苦言を呈する」という言葉の意味を正しく理解して使うことができる人はどれだけいるのでしょう?
「苦言を呈する」という言葉の意味は「嫌な言葉を贈る」ということになります。
もう少し深く意味を見ていくと、「相手にとって聞きたくないような言葉を贈る」という解釈ができるのです。
相手が聞きたくない言葉をあえて言うことは、少し嫌がらせのような気持ちで言っているようなニュアンスがあり、まるで相手をいじめたり、パワハラをしているような感じがしますが、本質的な意味合いは全く違います。
「嫌な言葉」=「苦言」の本当の意味は、「相手に言わなければならない言葉」という意味があるのです。
それは「苦言」という言葉に置き換えることによって、「危険を回避できること」ができる可能性があります。
この場合の危険とは、「相手にかかる危険」や、「自分に降りかかりそうな危険」、また、「社会や企業にも関係してくる危険」の場合もあります。
学生の人達が「やばいよ、やばいよ」
という言い方がありますが、「苦言を呈する」行為は、まさにこれに当てはまる表現と言っても過言ではないでしょう。
ちょっと難しく聞こえてしまいますが、「やばい」に置き換える言葉が「苦言を呈する」のであれば、そんなに難しくはないと思います。
- 「苦言を呈する」の読み方
「苦言を呈する」の読み方
「苦言を呈する」の読み方は「くげんをていする」です。
この言葉の読み方は、特に癖のある読み方ではないので、素直に読めばOKです。
「苦言を呈する」の類語や言い換え
では、「苦言を呈する」類義語・同義語を挙げるなら、次のような言葉があります。
- 「進言(しんげん)する」
- 「諫言(かんげん)する」
「進言(しんげん)する」
「進言する」という言葉は、「苦言を呈する」に近い意味を持っている言葉です。
但し、この言葉を使う時は、上司などの目上の人に意見をする時に使います。
目上の人に「苦言を呈する」=「進言する」ということは、ある意味、勇気のいることです。
それは、反論的な発言をすることになるからです。
そのために、口頭で使うことが多い言葉ではありますが、書面やメールで伝える(進言する)ことでも問題はないでしょう。
具体的な使い方としては、「機構の改革を進言する」、「今の体制のあり方について進言する」などの言い方があります。
但し、使い方に注意が必要で、「苦言を進言します」という言い方はおかしい表現になってしまうので注意することです。
それは、「言」という文字が重複しているからです。
似たような間違い用法では、「馬から落馬した」がありますので、それと似ている間違った使い方です。
「諫言(かんげん)する」
「諫言(かんげん)する」という言葉も「苦言を呈する」と同じ意味があります。
但し、この言葉は、文書で使うことが多い言葉です。
この「諫言する」が文書に向いている理由は、読み方に関係しています。
「諫言」という言葉は、聞いた人は、どのような言葉なのか意味を理解することが難しい言葉です。
また、「諫言」を漢字で読むと、「目上の人に物申す」という意味もなっていることから、言葉の意味がダイレクトに伝わると同時に敬語的な表現でもあるので、反対意見を受ける立場の人に強い嫌悪感を抑える効果もあります。
「苦言を呈する」という言葉の敬語で相手に伝えるのであれば、「諫言する」を選択するといいでしょう。
「苦言を呈する」の使い方
「苦言を呈する」をビジネスマンの立場で使うのであれば、どのような使い方をすればいいのでしょうか?
堅苦しい印象を与えそうな「苦言を呈する」という言葉を使いこなすことは、少し難しいと感じるかもしれません。
何故なら「苦言を呈する」という言葉を他の表現で言い換えるなら、「相手の意見に異論を唱える」ということになるからです。
「馬の空気を読む」ことも会社生活では、相手の意見に反対意見、異論を唱えることは非常に反感を買ったり、その場を乱すことにもなるので、反対意見を言うことを我慢している若い世代の人もかなり多いはずです。
でも、そのようなことが続いてしまうとストレスが溜まりすぎて人間関係が壊れてしまい疲れていきます。
このような時こそ、この言葉を使うことがいいのではないかと思うのです。
「苦言を呈する」を使った例文と解釈
「苦言を呈する」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「苦言を呈する」の例文1
- 「苦言を呈する」の例文2
- 「苦言を呈する」の例文3
「苦言を呈する」の例文1
「恐れ入りますが、このプロジェクトの管理手法について苦言を呈します」
企業では、色々なプロジェクトが動いており、多くのスタッフが参画しています。
しかし、それらのプロジェクトは、いくら優秀なスタッフの力によって稼働しているとしても、必ずしも正しく機能しているとは言い切れません。
そのようなことから、敢えて「苦言を呈する」=「異論を唱える」ことで、正しい方向へ進むことを意見するのです。
このように勇気を持って発言できる人がいることは、実に頼もしいことです。
「苦言を呈する」の例文2
「彼女が多くの経験を積むためにも私が苦言を呈するのではなく、一歩離れて見守ることも必要だ」
若い世代の人が成長するために、苦言を言うことはよくあることです。
しかし、何時もきついことばかり言うのではなく、時として一歩引き下がって、人を見守ることも必要です。
「苦言を呈する」の例文3
「何度苦言を呈しても、彼は考えを改める気はないようだ」
良かれと思って忠告するのですが、聞く人によっては「苦言」は単なる文句にしか聞こえないのでしょう。
しかし、このように苦言を呈してくれる人がいることは、本当はありがたいことなので、とても残念なことです。
「苦言を呈する」を分解して解釈
「苦言を呈する」を「苦言」、「呈する」の2つに分けて見ることにしましょう。
- 「苦言」
- 「呈する」
「苦言」
「苦言」とは「言いにくい言葉」という意味です。
つまり、言うにしても聞くにしても「嫌な言葉」になってしまうのですが、本当は相手のことを思ってのことです。
「呈する」
「呈する」とは、「贈る」という意味です。
「記念品を進呈する」という表現でも「呈」の文字が使わますので、意味を理解することができると思います。
「苦言」を使った言葉と解釈
「苦言」を使った言葉を追う少し見ることにします。
- 「一言、苦言を呈する」
「一言、苦言を呈する」
「貴社の方針に一言、苦言を呈します」
取引先に苦言する時に、多くを語らず、分かりやすい言葉でストレートに使えることです。
「苦言を呈する」の英語
「苦言を呈する」の英語で表現すると、“exhort”があります。
“exhort”は、元々「熱心に物事を勧める」。
「伝える」という意味がありますが、ビジネス上で使うと「苦言を呈する」と似たようなニュアンスで使うことができます。
一般に、「苦言を呈する」ような言いにくいことは、口で言うよりもメールなどの文章にして伝える方が抵抗が低くなります。
自分の中に異論がある場合に人は少なからず気持ちが昂ってきます。
その気持ちを抑えて冷静にさせるのが、実は「意見を文字にすること」なのです。
このような方法で「苦言を呈する」ことで客観的で冷静は意見を言うことができるはずです。
シチュエーションに合わせて、この言葉を使い分けることができたなら、社会人としても大きく成長していくことになるでしょう。