「滞留」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
日本語には、色々な種類の言葉があります。
古くから使われている言葉の中で、いくつかの意味を持つ言葉のあります。
ことわざだと、中国からの思想を由来として、現代社会の中でも比喩的な意味で使われることもあります。
また、現代のビジネス業界で専門的な用語の一部として用いられている言葉もあります。
その中で、「滞留」という言葉を聞いたことがあると思います。
普段、家に中で家族との会話で使うような言葉ではないかもしれませんが、仕事の中では、技術的な解説などで使われることがある表現かもしれません。
目次
- 「滞留」の意味とは?
- 「滞留」の類語や言い換え・似た言葉
- 「滞留」の言葉の使い方
- 「滞留」を使った例文と解釈
- 「滞留」の対義語
- 「滞留」を使った言葉と解釈
- 「滞留」の英語
「滞留」の意味とは?
「滞留」とは、どのような意味があるのでしょうか?
「滞留」の言葉には、「滞」という漢字が使われています。
「滞る」で「とどこおる」と読み、「留」は「とどまる」となります。
このことから、「滞留」とは「その場にとどこおって、移動しないこと」あるいは、「進展しないこと」すなわち「停滞」を意味しています。
生活の中での会話だと、「霧が深い山あいに滞留したままで、もう数日経っている」
このような形で使われるかもしれません。
また、「しばらくとどこおること」という意味が転じて、「旅行先にしばらくとどまること」という意味で使われることもあります。
「滞留」は、「停滞」という意味でも解釈されることがありますが、「停滞」とは「物事が捗らずとどこおる」ということを指しています。
一方の「滞留」は、「停滞」の意味に加え、「旅先に長期間滞在する」という意味まで広がるという見方もあります。
但し、「物事が進まない」という意味で使うのであれば、全く同じ意味と理解して問題はありません。
- 「滞留」の読み方
「滞留」の読み方
「滞留」は、「たいりゅう」と読みます。
「滞留」の類語や言い換え・似た言葉
「滞留」に近い、あるいは同じ意味を持つ類義語、同義語としては、次のような言葉で説明することができるでしょう。
- 「残留」
- 2-2「逗留」
「残留」
「残留」という言葉は、よくテレビやニュースでも聞くことがあるのではないかと思います。
「残留」の意味は、「残りとどまること」または、「後に物が残っていること」を指しています。
専門用語的な使われ方としては、「残留農薬」という表現がありますね。
しかし、身近なところでは、プロ野球の世界で「残留」という言葉を聞くことがないでしょうか?
現在、プロ野球でリーグ戦で優勝チームが決まり、CS進出チームの決定、日本シリーズと試合が進み、秋ごろには面白くなってきます。
そして、日本一のチームが決定した後にシーズンが終わると、ニュース等で話題になるのが、選手の動向です。
それは、「FA制度」。
プロ野球のFA(フリーエージェント)宣言をする選手が出てきますが、いずれの球団とも契約できる権利を持つことができます。
しかし、FA宣言して「残留」する選手もいます。
「FA宣言をしたものの移籍せずに所属球団にそのまま残る」という意味です。
ちょっと、話は長くなりましたが、「残留」は、このような時に聞くことができます。
他に違った世界では、「スピリチュアル」(精神世界)のジャンルでも「残留」のキーワ-ドがあります。
それは、「残留思念」という概念です。
これは、超常現象、精神世界、スピリチュアリティなどで用いられる用語の一つで、「人間が強く何かを思ったとき、その場所に残留するとされる思考、感情などの意思」を指しています。
2-2「逗留」
「逗留」という言葉もあります。
この言葉は、「滞留」でも「旅行先にとどまること」という意味としての同義語として扱われます。
「旅先である期間とどまること」ということです。
「滞留」の言葉の使い方
「滞留」を使う場面は、旅先にとどまる場合や、何か停滞している状態を表現する時に使われることになります。
「滞留」を使った例文と解釈
例文を見てみましょう。
- 「滞留」の例文1
- 「滞留」の例文2
- 「滞留」の例文3
「滞留」の例文1
「私は、この町があの有名なベーブルースの出身の町だと知り、しばらくここに滞留することにしたのです」
野球ファンだった人が何げなく訪れた町。
そこが偶然にも、ベーブルースの出身地だと知って、しばらく滞在することになったのです。
「滞留」の例文2
「この間から、お客様がご滞留されていますが、この頃は、ずっと中庭においでなさいます」
高級ホテルに長期間宿泊されているお客様の近況を言っているのでしょうか。
「滞留」の例文3
「北京に着いてから2、3日すると、アメリカの友人から滞留中に1度連絡をもらいたいというメッセージがあったです」
旅先で他の国にいる友人から、このようなメッセージが送られてくることもあります。
インターネットが普及しているので、世界中どこにいても、すぐに連絡ができる時代です。
「滞留」の対義語
「滞留」の対義語としては、「循環」があります。
意味としては、「ひとめぐり(一巡り)して、元に戻ることを繰り返すこと」があり、「市内循環バス」などの表現で見たり聞いたりすることがあるでしょう。
また、医学的な面で「血液やリンパが体内を巡ること」という意味があり、「血液が循環する」という表現もできます。
「滞留」を使った言葉と解釈
では、「滞留」を使っている言葉を見ましょう。
- 「血液滞留」
- 「データ滞留」
- 「滞留日数」
「血液滞留」
「滞留」を使っている用語に「血液滞留」があります。
「血液滞留」とは、体外人工臓器やマッサージ装置などの分野において活用されるキーワードです。
「血液の流量が増え、非圧迫部の”血液滞留”時間が短くなり、叩打音が急速に小さくなる。
心不全によって心臓のはたらきが低下した場合に、心臓に戻るはずの血液が肝臓に滞留してしまうことで起こる肝障害です。
血液の滞留によって肝臓が腫大し、肝臓内が低酸素状態になります」
かなり専門的ですが、このような場合に使われています。
「データ滞留」
専門的な用語として「滞留」をキーワードにしたものでは、「データ滞留」もあります。
「データ滞留」とは、広域データ交換や入出力制御などの分野において活用されるキーワードで、通信機メーカー、電気メーカーや通信事業者などの企業で使われています。
「滞留監視機能とは、更新データ滞留時間を監視する機能です。滞留時間とは、抽出側DBのトランザクションがコミットして更新情報がシステムログファイルに格納された時刻と任意のデータ連動処理が完了した時刻との差のことです」
このように、「滞留」は専門的な用語の一部として活用される場合もあります。
「滞留日数」
「相対人を訪問して、滞留日数がかなり長くなってしまった。
しかし、そのおかげで、素晴らしい思い出を作ることができたのです」
「滞留」は、前項までのように専門的な用語だけではなく、このように旅行でも使うことができる言葉ということが理解できます。
「滞留」の英語
「滞留」の英語としては、次のようなものが挙げられます。
- “retention”
- “congestion”
- その他の表現
“retention”
意味は、「保持」、「想起力」、「記憶力」、「保持されているもの」=「記憶」となります。
“congestion”
意味は、「密集」、「充満」、「混雑」、「過密」、「鬱血」、「詰まること、」、「(通信回線の)混雑状態」があります。
その他の表現
前項以外にも次のような英語表現があります。
「長滞留する」=“make a long stay”、「ファイル滞留装置例文帳に追加」、“FILE ACCUMULATION DEVICE”
使うケースによっても、英訳が異なることが分かりますね。
「滞留」という言葉には、「ととまる」、「とどこおる」という解釈があるために、「旅先への滞在」=「逗留」「流れが悪くなる」=「循環しない」といった用法に大きく分かれるのではないかと思うのです。
いずれにしても、この言葉の使い方を知ると、かなり興味が湧いてきそうです。