「孤軍奮闘」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「孤軍奮闘」の意味や読み方、類語を紹介します。
さらに「孤軍奮闘」の使い方や例文を紹介します。
目次
- 「孤軍奮闘」の意味とは?
- 「孤軍奮闘」と「四面楚歌」の違い
- 「孤軍奮闘」の言葉の使い方
- 「孤軍奮闘」を使った例文
- 「孤軍奮闘」に似た意味の言葉
「孤軍奮闘」の意味とは?
みなさんは「孤軍奮闘」という言葉を目にした事があるでしょうか。
今まさに「孤軍奮闘」しているという人もいるかもしれません。
また「孤軍奮闘」とは縁遠い、いつも仲間に囲まれている人もいるでしょう。
- 「孤軍奮闘」の読み方
- 「孤軍」と「奮闘」の意味
- 「孤軍奮闘」の意味
「孤軍奮闘」の読み方
「孤軍奮闘」は「こぐんふんとう」と読みます。
「孤軍」と「奮闘」を合わせた言葉で、「孤軍」は「こぐん」、「奮闘」は「ふんとう」と読み、単独の言葉でも使う事ができます。
「孤軍」と「奮闘」の意味
「孤軍」とは、援軍がなく孤立した軍隊の事です。
戦術的に、軍隊と軍隊はお互いが助け合うように配置されますので、「孤軍」となってしまうのは何か特別な事情がある時だけです。
「奮闘」は「力一杯頑張る事」という意味です。
この事から「孤軍奮闘」には、援軍がなく孤立してしまった軍が、力一杯頑張る事という意味があります。
ただし、孤軍がどんなに頑張っても、援軍が来なければ、近い将来力尽きてしまう事が予想されます。
「孤軍奮闘」の意味
「孤軍奮闘」は、「援軍がない孤立した軍が、力一杯頑張る様子」、さらには、「近い将来の危機を抱えている背景を含んだ言葉」です。
軍事物の小説などでは、そのままの意味で使われます。
一般的には、「支援する人がいないなか、一人で懸命に闘う事」「一人ぼっちで努力を続ける事」を意味します。
また、そのままの状態が続けば、いつかは仕事や事業などが消滅してしまいそうな危機感もはらんでいます。
「孤軍奮闘」と「四面楚歌」の違い
「孤軍奮闘」と似た意味の四文字熟語に「四面楚歌」があります。
この二つの言葉の違いを見て行きましょう。
- 「四面楚歌」の由来
- 「孤軍奮闘」との違い
「四面楚歌」の由来
「四面楚歌」は、中国の古代に覇権を争った二人の物語が由来になっています。
漢の祖となった劉邦と、そのライバル項羽です。
派遣を争った戦いの初めは優勢だった項羽ですが、次第に劉邦に圧されていきます。
そして最終的に籠城を強いられる事になります。
ある夜、項羽は故郷の楚国の歌を耳にします。
唄っているのは劉邦軍に取り込まれた楚出身の人々で、項羽はその歌声を聴き「負けた」と観念します。
この話が由来になり、「四面楚歌」は周囲を敵に囲まれて、誰も助けがいない様子をあらわすようになりました。
「孤軍奮闘」との違い
「孤軍奮闘」は援軍が来ない中で、一人で頑張っている様子を言葉にしたものです。
「四面楚歌」ととても似た意味の言葉ですが、両者には違いがあります。
「四面楚歌」は援軍が来ない中、頑張っているだけでなく、「周囲を敵に囲まれている」という状況が付け加えられるからです。
その意味では「孤軍奮闘」よりも、より絶望的な状況と言えるでしょう。
実際に項羽も、この直後に降伏しています。
ビジネスシーンなどで、スタッフが誰も協力してくれないだけでなく、敵ばかりになっている時は、「孤軍奮闘」よりも「四面楚歌」の方がぴったりくるかもしれません。
「孤軍奮闘」の言葉の使い方
本来なら、たくさんの人と協力するのが当たり前の場面で、一人で頑張っている人の様子を「孤軍奮闘」と表現する事ができます。
そのため、受験勉強や、読書のような「一人でするのが当たり前」の行為をする時は「孤軍奮闘」という言葉を使う事はありません。
例えばクラスの発表会などは、グループで協力して行うのが当たり前です。
しかしグループの人と折り合いが悪かったり、不真面目な人ばかりが集まっている場合、誰かが一人が「孤軍奮闘」する事になるかもしれません。
またスポーツのチーム戦で、チームメイトがまったく活躍できず、ひとりだけ頑張っているような時は「孤軍奮闘」という言葉を使います。
「孤軍奮闘」を使った例文
「孤軍奮闘」を使った文章を作ってみましょう。
例文をいくつか見る事により「孤軍奮闘」の意味が分かりやすくなるでしょう。
- 「孤軍奮闘」の例文1
- 「孤軍奮闘」の例文2
- 「孤軍奮闘」の例文3
「孤軍奮闘」の例文1
ビジネスシーンで「孤軍奮闘」する人の様子を、文章にしてみましょう。
「営業三課のメンバーはやる気がない人ばかりだ。○○課長だけが『孤軍奮闘』して営業ノルマを達成している」、「同期社員から嫌われてしまったAさんが、それでも『孤軍奮闘』して頑張っている。同期以外の社員から、Aさんへの支援の手が伸びそうだ」、「納期が近づいてから、徹夜の連続だ。体調を崩した部員たちが、一人消え、二人消えして、今は自分しかいない。『孤軍奮闘』だが、あきらめずに仕事を続けよう」という感じです。
仕事は協力して行うのが鉄則ですので、できるだけ「孤軍奮闘」にならないようにしましょう。
「孤軍奮闘」の例文2
日常生活で「孤軍奮闘」している人の様子を文章にします。
「家族全員インフルエンザにかかってしまった。一人難を逃れた長男が、家事全般を任されて『孤軍奮闘』している」、「スーパーのレジに、たくさんの人が行列を作った。この日はあいにく新人レジ係ばかりで、行列がどんどん長くなっている。そんな中、ベテランレジ係のAさんが『孤軍奮闘』して、たくさんのお客さんをさばいている」という感じです。
日常生活の些細なシーンでも、「孤軍奮闘」している人を見ると、小さな感動があるものです。
「孤軍奮闘」の例文3
チームスポーツで「孤軍奮闘」している人の様子を、文章にしてみましょう。
「味方打線がまったくヒットを打てない中、エースが『孤軍奮闘』している。9回まで相手打線にヒットを許さず、本人がサヨナラホームランを打って勝利した」、「相手チームのマークを受けて、日本代表選手が力を発揮できていない。そんな中、無名の存在だった大学生のA選手が『孤軍奮闘』し、ビューティフルゴールを決めた」という感じです。
特に野球は「○○軍」という言葉が使われますし、戦争で使われるような言葉が登場しますので、「孤軍奮闘」という言葉との相性がいいです。
「孤軍奮闘」に似た意味の言葉
最後に「孤軍奮闘」と似た意味の言葉を紹介します。
「孤軍奮闘」や「四面楚歌」のように、助けのない中、努力する様子を言葉にしたものばかりです。
- 「孤立無援」
- 「孤城落日」
「孤立無援」
「孤立無援」は「こりつむえん」と読みます。
「孤立」はひとりぼっちな事、「無援」は助けがない様子を意味します。
そのため「孤立無援」は、誰も頼る人がいない様子を意味します。
「孤軍奮闘」ほど力一杯頑張る様子が見られず、「四面楚歌」ほど敵対されず、周囲がクールな対応をしてくるイメージがあります。
「孤城落日」
「孤城落日」は、孤立して援軍がないまま、力尽きようとしているお城に、日が沈んでいく悲しい様子を言葉にしたものです。
「四面楚歌」で項羽が籠城したお城の背景に、夕日が沈んでいく姿を想像すると、「孤城落日」のイメージにぴったりかもしれません。
例えば現代のお城が会社だとしたら、倒産寸前の会社の様子を「孤城落日」と表現する事ができます。
また、会社内の部署や、気を吐いていた取締役などが力を失いスポイルされていく様子も、「孤城落日」のイメージに近いです。
「孤軍奮闘」の使い方や意味をチェックしました。
特に「四面楚歌」との比較は興味深く、微妙な違いに面白さを感じます。
もし孤独な状態で頑張っている人がいたら、「孤軍奮闘」なのか、「四面楚歌」なのか考えてみるといいかもしれません。
またそのような状況を打破するための、援軍になるという選択肢もあります。
自分を客観的に見て、どのような戦術を取れば状況を回復できるかどうか考えると、ピンチをチャンスに変えられるかもしれません。