「琴線に触れる」の意味とは?漢字、類語や使い方、例文を紹介!
「琴線に触れる」とは良い意味のはずだと思っておられる方が多いのではないでしょうか?
では実際の意味はどうでしょうか?私たちの琴線に何が触れるのでしょうか?
どのようにしたら私たちは琴線に触れることが出来るのでしょうか?
琴線に触れると、どうなるのでしょうか?「琴線に触れる」が実際にどんな意味なのか調べてみましょう。
目次
- 「琴線に触れる」の意味とは?
- 「琴線に触れる」の言い換え
- 「琴線に触れる」の類語
- 「琴線に触れる」の使い方
- 「琴線に触れる」を使った例文
- 「琴線に触れる」を分解して解釈
- 「琴線に触れる」の語源
「琴線に触れる」の意味とは?
「琴線に触れる」とは私たち人間の心の中の奥深い部分に達して、豊かな感情が生まれるという意味です。
私たちの心の中に、実際には「琴線」はありません。
しかし、心の奥底にある、いわゆる感動戦に触れるという意味があります。
そのような状況になった時に感動したり、喜びにあふれて涙することもあるでしょう。
「琴線に触れる」を悪い意味に使うと間違って覚えている人もいます。
たとえば「彼の怒りの琴線に触れてしまった」などです。
しかしこれは正解ではありません。
「琴線に触れる」は良い意味でのみ使うという事を覚えておきましょう。
- 「琴線に触れる」の読み方
「琴線に触れる」の読み方
「琴線に触れる」とは「きんせんにふれる」と読みます。
この2つの言葉を分けて考えてみましょう。
まず「琴線」ですが、「きんせん」と読み「ことせん」とは読みません。
もちろん「琴」という言葉単体では「こと」とも読みますが「線」と合わせる時には「琴線」と読みます。
少しずれますが「琴の糸」は「ことのいと」とも「きんのいと」とも読むことが出来ます。
「触れる」は「ふれる」と読みます。
この「触」は「触覚」などのように「しょく」や「しょっ」と読むこともできますが、動詞として使うときは「ふれる」と読むのが正解です。
「琴線に触れる」の言い換え
「琴線に触れる」という言葉は、どのように他の表現で言い換えることが出来るでしょうか?
「琴線に触れる」は私たちの心、感情と深く関係している言葉です。
ですから、「琴線に触れる」という言葉は「感動する」「心に響く」「心を打つ」「心が揺さぶられる」「感情に入ってくる」などと、心、感情と関係する言葉を用いることが出来るでしょう。
それ以外にも「グッとくる」「きゅんとする」「ジーンとくる」「びびっとくる」などと音感を表現したものも「琴線に触れる」を上手に言い換えている言葉になります。
「琴線」という言葉が音楽表現ですから、心に響いた音感を表現するなら、「琴線に触れる」と似た意味になります。
「琴線に触れる」の類語
「琴線に触れる」の類語には「印象的な」「感動的な」「衝撃的な」という言葉を上げれます。
このどちらの言葉も、感情に関係しており、ある出来事、人物、言葉が私たちの心に与える影響を表現しています。
「琴線に触れる」も何らかの出来事、人物、言葉などが良い影響を与える様子を示していますから、確かに類語と断定することが出来ます。
「琴線に触れる」の使い方
「琴線に触れる」という言葉を日常生活でどのように使うことが出来るでしょうか?まず覚えておきたいのは、現代の生活で琴を使うことは稀になってきております。
琴を触ったことがある人よりも、ギターを触ったことがある人のほうが多いでしょう。
それで、この言葉を使うときには、琴をイメージすることが出来る人はそうしますが、もしできない人はギターを思い浮かべていただいても結構です。
ギターの弦を引いて良い音が出たあのイメージです。
このイメージを理解するなら「琴線に触れる」という言葉を正しく用いることが出来るでしょう。
つまり、「琴線が触れる」とは心で良い音が鳴るという事です。
それで、何か感動した時、嬉しかった時にこの「琴線に触れる」という言葉を用いましょう。
「琴線に触れる」を使った例文
では私たちの日常生活の中でどのように、「琴線に触れる」という言葉を用いるかどうかを考えていき、正しく「琴線に触れる」を使用できるようになりましょう。
- 「琴線に触れる」の例文1
- 「琴線に触れる」の例文2
- 「琴線に触れる」の例文3
「琴線に触れる」の例文1
「この新曲は私の琴線に触れた」
いつも気に入って聞いているアーティストがいるとしましょう。
そのアーティストの新曲を聞いたときにいつもの曲よりも、自分の心に寄り添うような気持ちがして感動したとしましょう。
そのような時には、皆さんの心の琴線が鳴っています。
それで単に「この曲が好きなんだよね」とか「この曲に感動した」と表現するのではなくて、「この曲が琴線に触れた」と表現することによって、より一層の感動と、その曲が心に達していることを表現できるでしょう。
「琴線に触れる」の例文2
「この私の書いている本が誰かの琴線に触れることを願う」
私たちが何か小説などを書いているとしましょう。
その目標はただ単に暇つぶしの読み物でなく、心を揺さぶり、記憶に残る作品に仕上げたいと思う事でしょう。
その時に使う言葉は「琴線に触れる」です。
この例文のように表現するならば、読者の心の中をイメージしながら書いている文章であることが伝わります。
「琴線に触れる」の例文3
「この景色が私の琴線に触れて感動し涙が止まらなかった」
世界遺産などの絶景を目にした時に、言葉にならない感動が押し寄せる時があります。
その時は頭で、これはきれいな景色だと考えているのではなく、その景色が心に迫ってきているのです。
その時にこの「琴線に触れる」という言葉を用いるのは非常に適切でしょう。
「琴線に触れる」を分解して解釈
- 「琴線」
- 「触れる」
「琴線」
「琴線」とはこの字の通り、「琴の線」の事です。
みなさんは音楽の授業などで事に接した子がおありでしょうか?琴はもともと中国の弦楽器でしたが、日本の古事記などにも琴の事が書かれているように日本でも歴史の長い楽器です。
5本、7本、現代では13本の弦が張られている桐で作られた楽器です。
胴体部分には空洞があり、その部分で弦を奏でた音が共鳴します。
この琴の弦の事を「琴線」と呼びますが、琴の音を聞いたことがある人なら、覚えておられると思いますが、この「琴線」から生じる音は、非常に優しく、心に響き渡る音です。
「触れる」
「琴線」が存在しているだけでは音は生じません。
しかしその琴線に「触れた」時に初めて音が生じます。
この「琴線に触れる」という言葉は、琴線から生じた響きの良い音を表しています。
昔の日本においては琴は訓練を受けた音楽家が弾いていました。
その音を聞いた人々は、心が癒されるのを感じたことでしょう。
それと同じように、何か良い出来事、言葉、音楽、本があった時にはそれが私たちの心の中を行き巡り、まさに音を立てているように感じるでしょう。
このイメージが「琴線に触れる」という言葉です。
「琴線に触れる」の語源
「琴線に触れる」という言葉の語源は中国です。
琴は中国から日本に運ばれてきた楽器ですが、その時にこの「琴線に触れる」という言葉も運ばれてきたのでしょう。
中国、周の時代の故事に「君が琴を聞く耳は私の心の中とそっくりだ」という言葉があります。
この時に事の音と心の中が同じであることが表現されたのです。
今回は「琴線に触れる」という言葉について調査することが出来ました。
琴という弦楽器の歴史も古いことから、この言葉が使われていたのも古い時代からであることを知ることが出来ました。
しかし、実際にこの「琴線に触れる」という言葉が中国の周の時代が語源になっているというのには驚かれた方も多いでしょう。
「琴線に触れる」という言葉は、何かの出来事を表現するのではなく、私たちの目には見えないものを表現することが出来る非常に素敵な言葉です。
この言葉を聞くならば、琴の音をイメージ出来たりと、私たちの創造力が膨らむ言葉となっています。
これからも、心を豊かにして「琴線に触れる」機会を作っていきましょう。